2019年大学入試センター試験 数学1A「第1問 集合と論理」を解いてみる。

2019年1月26日大学入試センター試験,集合と論理実用数学技能検定(数学検定 数検),数検準2級

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問題
二つの自然数\( \ m \ , \ n \ \)に関する三つの条件\( \ p \ , \ q \ , \ r \ \)を次のように定める。
\( \ p: \ m \ \)と\( \ n \ \)はともに奇数である
\( \ q: \ 3mn \ \)は奇数である
\( \ r: \ m+5n \ \)は偶数であるまた,条件\( \ p \ \)の否定を\( \ \overline{p} \ \)で表す。

(1) 次の\( \ \color{#0004fc}{シ \ , \ ス} \ \)に当てはまるものを選択肢の中から一つずつ選べ。ただし,同じものを繰り返し選んでもよい。二つの自然数\( \ m \ , \ n \ \)が条件\( \ \overline{p} \ \)を満たすとする。
このとき,\( \ m \ \)が奇数ならば\( \ n \ \)は\( \ \color{#0004fc}{シ} \ \)。
また,\( \ m \ \)が偶数ならば\( \ n \ \)は\( \ \color{#0004fc}{ス} \ \)。
以下,偶数の\( \ m \ \)を \( \ m_グ \ \) ,奇数の\( \ m \ \)を \( \ m_キ \ \)
偶数の \( \ n \ \) を \( \ n_グ \ \) ,奇数の \( \ n \ \) を \( \ n_キ \ \) とする.
条件 \( \ p \ \) は \( \ m_キ\cap n_キ \ \) であるので,
条件 \( \ \overline{p}=\overline{m_キ\cap n_キ}=m_グ\cup n_グ \ \) である.

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Lukia

つまり、「少なくとも\( \ m \ , \ n \ \)のどちらかが偶数である。」ということになります。二つともが偶数でもいいですね。
ただ、絶対にありえないのは両方とも奇数という場合です。
\( \ m \ \) が奇数ならば \( \ n \ \) は偶数である
 \( \ m \ \) が偶数ならば \( \ n \ \) は偶数でも奇数でもよい
問題
(2) 次の\( \ セ \ , \ ソ \ , \ タ \ \)に当てはまるものを,選択肢の中から一つずつ選べ。ただし,同じものを繰り返し選んでもよい。
\( \ p \ \)は\( \ q \ \)であるための\( \ \color{#0004fc}{セ} \ \)。
\( \ p \ \)は\( \ r \ \)であるための\( \ \color{#0004fc}{ソ} \ \)。
\( \ \overline{p} \ \)は\( \ r \ \)であるための\( \ \color{#0004fc}{タ} \ \)。

$$\begin{align}\mathrm{N}\left( 必要条件\right) \ p\quad &m \ と \ n \ はともに奇数\quad \quad m_キ\cap n_キ \  \\\\ \mathrm{S}\left( 十分条件\right) \ q\quad &3mn \ は奇数である\quad \quad m_キ\cap n_キ\quad \end{align}$$
$$p \ は \ q \ であるための \ \color{#0004fc}{必要十分条件である}。$$


$$\begin{align}\mathrm{N}\left( 必要条件\right) \ p\quad &m \ と \ n \ はともに奇数\quad \quad m_キ\cap n_キ \\\\ \cap\quad & \\\\ \mathrm{S}\left( 十分条件\right) \ r\quad &m+5n \ は偶数である\quad \quad m_キ\cap n_キ\quad または\quad m_グ\cap n_グ \end{align}$$
$$p \ は \ r \ であるための \ \color{#0004fc}{十分条件であるが,必要条件ではない}。$$

$$\begin{align}\mathrm{N}\left( 必要条件\right) \ \overline{p}\quad &\overline{m \ と \ n \ はともに奇数}\quad \quad m_グ\cap n_グ \ , \ m_キ\cap n_グ \ , \ m_グ\cap n_キ \\\\ \quad &\left( \color{#ff0000}{互いに完全に包含していない}\right) \\\\ \mathrm{S}\left( 十分条件\right) \ r\quad &m+5n \ は偶数である\quad \quad m_キ\cap n_キ\quad または\quad m_グ\cap n_グ \end{align}$$
$$p \ は \ r \ であるための \ \color{#0004fc}{必要条件でも十分条件でもない}。$$

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必要条件・十分条件・必要条件は、それぞれ完全な包含関係が成り立つときにあてはまります。
「タ」のように、互いに含みきれず、もれてしまう場合は、必要条件とも十分条件とも言えません。
ここらへんが苦手な方は、まずは、「ひとつでも例外があってはいけない。」というのをおさえておきましょう。
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また、主語(「は」がついている方)を方位磁石のN極(必要条件:Needと北:Northとをかけて)に見立てて時計でいう12時の方向におき、
「~であるための」をS極(十分条件:Sufficientと南:Southとをかけ)に見立てて、時計でいう6時の方向においたうえで、それぞれの包含関係を見ていくやり方は、
東進衛星予備校の講師、沖田一希先生のやり方を踏襲したものです。
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これを習ったおかげで、(うっかりミスはさておき)必要条件・十分条件自体は間違わなくなりました。
皆さんも、もし機会があれば、沖田一希先生の講義をチェックしてみてください。

2019年大学入試センター試験の数学の問題の一覧です。


 

プロフィール

Author Profile
Lukia_74

元・再受験生、元塾講師、元高校非常勤講師。広島育ち。
中・高国語の教員免許を取得するも、塾講師時代は英語や数学ばかり教えていた。
思うところあって大学再受験を決意。理転し、数学Ⅲ、化学、生物を独習する。国立大学へ合格するも、2018年3月に再受験生生活にピリオドを打つ。
モットーは「自分の予定はキャンセルできても、生徒の予定はキャンセルできない」と「主婦(夫)こそ理系たれ」。
広島のお好み焼きとグレープフルーツが大好き。どっちかというと左党。楽しみはひとりカラオケ。
高校で教鞭を取った経験から、現在は「現代文」と「小論文」の指導力アップを目指し、自己研鑽中。最近は趣味として高校数学を解く。

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