高校数学の「絶対値が絡んだ積分」に関する問題を解いてみる。(Yahoo!知恵袋より)

2018年10月24日微分と積分実用数学技能検定(数学検定 数検),数検2級

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問題
\(1 \lt x\)の範囲で\(x\)が変化するとき、
\(f\left( x\right)=\displaystyle\int_{1}^{2} \vert t^2-xt \vert dt\)を最小にする\(x\)の値を求めよ。
出典:文系の数学 重要事項完全習得編 (河合塾シリーズ)

 

 

絶対値をはずそう。

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ディノ

あっ、またこないだと同じ記号だな!
そして、絶対値の記号もあるぞ!
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Lukia

では、ディノさん、
\(g\left( t\right)=\vert t^2-xt \vert\) として、絶対値をはずしてもらえますか。
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ディノ

いいぞ。もうこれは簡単・・・
ていうか、\(x\)をどう扱ったらいいんだ?
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Lukia

これは、\(t\)に関する式なので、
\(x\)は、定数扱いなんですよ。1とか\(a\)みたいなね。
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ディノ

じゃ、数みたいに扱っていいってことだな。
それなら、簡単だ。

$$\begin{align}g\left( t\right)=&\vert t^2-xt \vert \\\\ 1 \lt x&より、 \\\\ g\left( t\right)=&t^2-xt\quad \left(t \leqq0 \ , \ x \leqqt\right)
\\\\ g\left( t\right)=&-\left( t^2-xt\right)\quad \left( 0 \lt t \lt x\right) \end{align}$$

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Lukia

「\(1 \lt x\)より、」なんて入れたところがニクいですね。
「オレは、\(x\)と\(0\)との大小関係、ちゃ~んとわかってるぜ。」っていうアピールになりますね。
ちなみに、だいたいでいいので、グラフも描けますか?
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ディノ

おう。こうだな。

2とxの大小関係に注意して、式を立てる。

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Lukia

さて、積分区間が\(1\)から\(2\)となっているわけですが、
\(1 \lt x\)という条件より、
\(1\)は、グラフの上に凸の区間に含まれていることは間違いないですね。
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ディノ

そうだな。
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Lukia

では、\(2\)はどうでしょう。
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ディノ

\(1\)と\(x\)との大小関係ははっきりしているが、
\(2\)と\(x\)の大小関係はわかんねぇな。
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Lukia

つまり?
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ディノ

\( 2\leqqx\)だったら、\(2\)は、上に凸のところに含まれるし、
\(x \lt 2\)だったら、グラフだと下に凸の曲線の右側に含まれるよな。
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Lukia

下の図では、\(1\)のだいたいの位置を決めています。
今回も問題では、\(1\)の位置より、\(2\)の位置が重要なので、このぐらいアバウトでかまいません。
そして、\(2\)の位置は、①と②とありますが、それぞれわかりますか?

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ディノ

①は、\(2 \lt x\) のときだ。
明らかに小さいときだな。
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ディノ

そして、②は、\(x=2\)のときだ。
ぴったり重なっているときだな。
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Lukia

そうです。
では、\(x \lt 2\)のときも考えてみましょう。
以下の図のようになりますね。

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Lukia

この図を参考に式を立てていきます。

ⅰ)を解く。

$$\begin{align}ⅰ) \color{#f700ca}{t軸において、}\ & 2 \leqqx \ のとき、 \\\\ f\left( x\right)=&-\displaystyle\int_{1}^{2} \left( t^2-xt\right) dt \\\\ =&-\left[\displaystyle\frac{1}{3}t^3-\displaystyle\frac{1}{2}xt^2\right]_{1}^{2}\\\\ =&-\lbrace \displaystyle\frac{1}{3}\left( 8-1\right)-\displaystyle\frac{1}{2}x\left( 4-1\right)\rbrace\\\\ =&-\displaystyle\frac{3}{2}x-\displaystyle\frac{7}{3}\quad \left( 2 \leqqx\right) \end{align}$$

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Lukia

ⅰ)のグラフは、右下がりの直線ですから、最小値は定められません。
ゆえに不適となります。

 

ⅱ)を解く。

$$\begin{align}ⅱ)\quad \color{#f700ca}{t軸において} \\\\ &1 \lt x \lt 2 \ のとき \\\\ f\left( x\right)=&-\displaystyle\int_{1}^{x} \left( t^2-xt\right) dt+\displaystyle\int_{x}^{2} \left( t^2-xt\right) dt \end{align}$$
$$\begin{align}ここで、 \\\\ g\left( t\right)&の原関数を \\\\ \mathrm{G}\left( t\right) \ とする。 \\\\ \mathrm{G}\left( t\right)=&\displaystyle\frac{1}{3}t^3-\displaystyle\frac{1}{2}xt^2 \end{align}$$
$$\begin{align}f\left( x\right)=&-\mathrm{G}\left( x\right)+\mathrm{G}\left( 1\right)+\mathrm{G}\left( 2\right)-\mathrm{G}\left( x\right) \\\\ =&\mathrm{G}\left( 2\right)+\mathrm{G}\left( 1\right)-2\mathrm{G}\left( x\right) \\\\ =&\displaystyle\frac{1}{3}x^3-\displaystyle\frac{5}{2}x+3\quad \left( 1 \lt x \lt 2\right) \end{align}$$

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Lukia

\(f\left( x\right)\)の概形を知るため、微分して増減表をかきます。

$$\begin{align}f’\left( x\right)=&x^2-\displaystyle\frac{5}{2} \\\\ f’\left( x\right)=&0 \ となるのは \\\\ x=& \pm \displaystyle\frac{\sqrt{10}}{2} \end{align}$$

ここで、
$$\displaystyle\frac{3}{2} \lt \displaystyle\frac{\sqrt{10}}{2} \lt 2$$

増減表は以下の通り。

$$x$$ ・・・ $$-\displaystyle\frac{\sqrt{10}}{2}$$ ・・・ $$1$$ $$\displaystyle\frac{\sqrt{10}}{2}$$ $$2$$ ・・・
$$f’\left( x\right)$$ $$+$$ $$0$$ $$-$$ $$0$$ $$+$$
$$f\left( x\right)$$ (極大値) (極小値)
最小値

$$\begin{align}ゆえに、x=&\displaystyle\frac{\sqrt{10}}{2} \ のとき、最小値をとる。 \end{align}$$

こたえ

$$x=\displaystyle\frac{\sqrt{10}}{2}$$

プロフィール

Author Profile
Lukia_74

元・再受験生、元塾講師、元高校非常勤講師。広島育ち。
中・高国語の教員免許を取得するも、塾講師時代は英語や数学ばかり教えていた。
思うところあって大学再受験を決意。理転し、数学Ⅲ、化学、生物を独習する。国立大学へ合格するも、2018年3月に再受験生生活にピリオドを打つ。
モットーは「自分の予定はキャンセルできても、生徒の予定はキャンセルできない」と「主婦(夫)こそ理系たれ」。
広島のお好み焼きとグレープフルーツが大好き。どっちかというと左党。楽しみはひとりカラオケ。
高校で教鞭を取った経験から、現在は「現代文」と「小論文」の指導力アップを目指し、自己研鑽中。最近は趣味として高校数学を解く。

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Posted by Lukia_74