苺を大人食いしながら高校数学の「漸化式」の問題を2通りの方法で解いてみた。(Yahoo!知恵袋より)
[mathjax]
\( \ a_1=0 \ , \ a_{n+1}=3a_n+2^{n-1} \ \)を満たすとき、その一般項を求めよ。
苺をおとな食いしました。
小さいころ、自分が求めるよりもおやつが少なく、
「おとなになったら〇〇を好きなだけ食べるんだ!」と思っていたものですが、
胃袋も大きくなり、自分のお財布も持てるようになったころには、
あの頃の夢をかなえても、さして感動は得られないものです。
子供の夢が夢であるうちにかなえてやってください。
さて、今回は、大人買いならぬ「大人食い」をしました。
母が苺を4パックも買ってきてくれたのですが、
「苺は冷蔵庫に入れといてもあんまり長持ちしないから早く食べるんよ。」と。
とはいえ、色もきれいで、おいしそうな苺だったので、
数学を解きながら、ひとパック食べられるかどうか試してみることにしました。
ちなみに熊本県産の「ゆうべに」という苺でした。
パックを包むフィルムにくまモンがプリントしてあってかわいかったです。
漸化式を解いてみる。(その1)
私は、その1の方で解いています。
\( \ a_n \ \)についている係数\( \ 3 \ \)がなくなるようにするのがポイントです。
$$\begin{align}a_{n+1}=&3a_n+2^{n-1} \\\\ \\\\ 両辺を&\quad 3^{n+1}\quad で割る。 \\\\ \\\\ \frac{a_{n+1}}{3^{n+1}}=&\frac{3a_n}{3\cdot 3^n}+\frac{2^{n-1}}{9\cdot 3^{n-1}} \\\\ \\\\ ここで,&\quad b_n=\frac{a_n}{3^n}\quad とする.\quad \left( b_1=0\right) \\\\ \\\\ b_{n+1}=&b_n+\frac{1}{9}\cdot \left( \frac{2}{3}\right)^{n-1} \end{align}$$
$$\begin{align}b_n=&b_1+\sum_{k=1}^{n-1}{\frac{1}{9}\cdot \left( \frac{2}{3}\right)^{k-1}}\\\\ \\\\ =&\frac{1}{3}\lbrace 1-\left( \frac{2}{3}\right)^{n-1}\rbrace \\\\ \\\\ ここで,&\quad b_n=3^{-1}\lbrace 1-\left( \frac{2}{3}\right)^n\rbrace\quad としておく。 \end{align}$$
$$\begin{align}a_n=&b_n\cdot 3^n\quad より\\\\ \\\\ a_n=&3^{n-1}\lbrace 1-\left( \frac{2}{3}\right)^{n-1}\rbrace \\\\ \\\\ =&3^{n-1}-\left( 3\cdot \frac{2}{3}\right)^{n-1}\\\\ \\\\ =&3^{n-1}-2^{n-1} \end{align}$$
漸化式を解いてみる。(その2)
何段階か置き換えをしていくので、ちょっとめんどくさいかも。
センター試験なら、誘導をしながらその2で解かせそうですね。
$$\begin{align}a_{n+1}=&3a_n+2^{n-1}\\\\ \\\\ 両辺を&\quad 2^{n+1}\quad で割る。\\\\ \\\\ \frac{a_{n+1}}{2^{n+1}}=&\frac{3a_n}{2\cdot 2^n}+2^{n-1-n-1}\\\\ \\\\ ここで,&\quad b_n=\frac{a_n}{2^n}\quad とする.\quad \left( b_1=0\right)\\\\ \\\\ b_{n+1}=&\frac{3}{2}b_n+\frac{1}{4}\\\\ \\\\ \left( b_{n+1}-\alpha\right)=&\frac{3}{2}\left( b_n-\alpha\right)\\\\ \\\\ &\alpha=-\frac{1}{2} \quad より\\\\ \\\\ \left( b_{n+1}+\frac{1}{2}\right)=&\frac{3}{2}\left( b_n+\frac{1}{2}\right) \\\\ \\\\ ここで,&\quad c_n=b_n+\frac{1}{2} \quad とする. \quad \left( c_1=\frac{1}{2}\right)\\\\ \\\\ c_n=&\frac{1}{2}\cdot \left( \frac{3}{2}\right)^{n-1}\end{align}$$
$$\begin{align}ゆえに,& \\\\ b_n=&\frac{1}{2}\cdot \left( \frac{3}{2}\right)^{n-1}-\frac{1}{2} \\\\ \\\\ ここで,&\quad b_n=\frac{1}{2}\cdot \frac{2}{3}\left( \frac{3}{2}\right)^n-\frac{1}{2}\\\\ =&\frac{1}{3}\cdot \left( \frac{3}{2}\right)^n-\frac{1}{2}\quad としておく.\\\\ \\\\ a_n=&b_n\cdot 2^n\quad より\\\\ \\\\ a_n=&\frac{1}{3}\cdot \left( \frac{3}{2}\right)^n\cdot 2^n-\frac{1}{2}\cdot 2^n\\\\ \\\\ =&\frac{1}{3}\cdot 3^n-\frac{1}{2}\cdot 2^n\\\\ \\\\ =&3^{n-1}-2^{n-1}\end{align}$$
置換の回数が少ないので、特に指定がない場合はその1で解き、
センター試験などの誘導があるタイプの問題では、受験生をあれこれ試しやすいので、その2の解法を指定されると思います。
結果。苺はおとな食いできる。
苺がおいしかったのもありますが、
数学を解くのにも夢中で、結果ひとパック食べきってしまいました。(笑)
こたえ
$$3^{n-1}-2^{n-1}$$
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