高校数学の「線形計画法」に関する問題を解いてみる。(Yahoo!知恵袋より)

2019年3月31日図形と方程式実用数学技能検定(数学検定 数検),数検2級,数検準1級

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問題
ある工場で、二種類の製品A, Bを作っている。
製品AとBは、それぞれ1トン作るのに、以下の表のとおり材料P,Qを必要とする。
さらに、販売価格は製品A,Bの1トン当たりの金額である。
  材料P 材料Q 販売価格
製品A 3トン 1トン 2万円
製品B 1トン 2トン 1万円

材料Pが一日当たり最大9トンまで、また、材料Qが一日当たり最大8トンまで仕入れることができるとき、
一日当たりの販売価格を最大にするには、製品Aと製品Bをそれぞれ何トン作ればよいか。

Lukia_74

Lukia

2019年冬ドラマ『初恋はじこい (初めて恋した日に読む話)』にて、「線形計画法」という言葉を知ったので、
うれしげにもう一問解いてみようと思います。(笑)

製品Aは、Aトン/日 製造され、
製品Bは、Bトン/日 製造されるものとする。

この工場の一日の売り上げ価格は、2A+B (万円)と表される。

材料Pは、一日当たり 3A+B トン必要であり、
材料Qは、一日当たり A+2B トン必要である。

$$\begin{align}以上より、&\mathrm{A} \geq 0\quad \cdots\cdots\quad ① \\\\ &\mathrm{B} \geq 0\quad \cdots\cdots\quad ② \\\\ 0 \leq &\mathrm{P} \leq 9\quad \cdots\cdots\quad ③\\\\ 0 \leq &\mathrm{Q} \leq 8\quad \cdots\cdots\quad ④ \end{align}$$
③より
$$\begin{align}0 \leq &\mathrm{P} \leq 9 \\\\ 0 \leq &3\mathrm{A}+\mathrm{B} \leq 9\end{align}$$
④より
$$\begin{align}0 \leq &\mathrm{Q} \leq 8\\\\ 0 \leq &\mathrm{A}+2\mathrm{B} \leq 8\end{align}$$

$$ここで,\quad \mathrm{A}=x\quad ,\quad \mathrm{B}=y\quad とおく.$$

①~④は,
$$\begin{align}&x \geq 0\quad \cdots\cdots\quad ① \\\\ &y \geq 0\quad \cdots\cdots\quad ② \\\\ 0 \leq &3x+y \leq 9\quad \cdots\cdots\quad ③\\\\ 0 \leq &x+2y \leq 8\quad \cdots\cdots\quad ④ \end{align}$$
と表される.
また、この工場の一日当たりの売り上げ価格を
$$2x+y=k\quad \left( kは\quad k \gt 0 \ の実数\right)\quad \cdots\cdots\quad ⑤とおく.$$

①~④で示される領域は以下の図のピンク色で塗りつぶされた部分。(境界は含まれる)

$$\begin{align}⑤を変形して,&\quad y=-2x+k\quad とすると \\\\ k& \ の最大値は,点\left( 2 \ , \ 3\right)\quad を通るときに得られる. \\\\ 3=&-2\times 2+k\\\\ すなわち,&\quad k=7 \end{align}$$
以上より, 一日当たり 製品Aを2トン, 製品Bを3トン 製造すればよい.

こたえ

製品A 製品B
2トン 3トン



 

プロフィール

Author Profile
Lukia_74

元・再受験生、元塾講師、元高校非常勤講師。広島育ち。
中・高国語の教員免許を取得するも、塾講師時代は英語や数学ばかり教えていた。
思うところあって大学再受験を決意。理転し、数学Ⅲ、化学、生物を独習する。国立大学へ合格するも、2018年3月に再受験生生活にピリオドを打つ。
モットーは「自分の予定はキャンセルできても、生徒の予定はキャンセルできない」と「主婦(夫)こそ理系たれ」。
広島のお好み焼きとグレープフルーツが大好き。どっちかというと左党。楽しみはひとりカラオケ。
高校で教鞭を取った経験から、現在は「現代文」と「小論文」の指導力アップを目指し、自己研鑽中。最近は趣味として高校数学を解く。

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