中学数学の2種類の濃度の食塩水を混ぜる問題(その7)

2018年6月24日食塩水の濃度実用数学技能検定(数学検定 数検),数検3級

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[mathjax]

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Lukia

さて、今回も「うっかりさん」の問題です。(笑)
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もも

またぁ?
なんだって、こうも「うっかり」するんだか…。
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Lukia

ふふ。まぁ、そう言わずに。
さて、さっそく以下に問題を載せますので、いったんスクロールの手を止めて解いてみてくださいね。
問題
質量パーセント濃度が16%の食塩水と8%の食塩水を混ぜて、ある濃度の食塩水を作ろうとしたところ、
分量を逆にしたため、濃度が11%の食塩水が400gできてしまった。
本来作ろうとした食塩水の濃度は何%であったか。

 

 

表に書き込む。

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もも

中一でも、中二でも解ける問題だけど、
ひとまずは、表を作成するか。
横長の線を3本と、その線を4等分するように縦の線を3本引きます。
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Lukia

ももちゃんは、下のような表を描いています。
次に、①から⑥をうめていきますよ。

間違えて作った食塩水

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もも

はい。
問題文からすると、濃度を表す数字が3つと、
間違えてできてしまった食塩水の重さが300ということがわかっています。
というわけで、
①が7、
③が16
⑤が13、
⑥が300となりますね。
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Lukia

はい。
それでは、②と④はどうしますか。
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もも

この表は、同じ列だと「縦はかけ算」で、
同じ段だと、「横はたし算」でした。
②+④=300
という式が成り立つので、
②を \(\Large x\) とすれば、
④は、\(\Large 300-x\) とあらわせます。

本来作ろうとした食塩水

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Lukia

せっかくですから、「本来作ろうとした食塩水の濃度」を表せるような表も作成してみましょう。

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もも

そうですね。似たような作業はまとめてやっておくほうが楽ですもんね。
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もも

それに、問題文を読む限り、前回の問題と数字が違うだけで内容は一緒だから、
中一なら、いったん「それぞれ混ぜ合わせた食塩水の重さ」を出さないといけないけど、
中二で連立方程式を習っていたら、二つの表によって立てた式で、
一気に濃度が求められそうですもんね。
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Lukia

くっ、おぬし、やるなッ・・・。
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もも

はいはい。
じゃ、もう一つ表を描いて、数字をうめていきます。
①が7、
③が16なのは一緒で、
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もも

「分量を逆にした」とあるから、
どっちにしても、300gの食塩水になるということは変わらないんだな。
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もも

まず、⑥が300で、
最初に作った表と分量が逆なんだから、
②が \(\Large 300-x\) 、
④が \(\Large x\) となりますね。
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Lukia

この表では、⑤がまだ空欄ですね。
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もも

はい。
というわけで、「本来作ろうとした食塩水の濃度」を \(\Large y\) とおきます。
だから、⑤は \(\Large y\) です。
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Lukia

ここからは、2つの表に共通する操作があれば、
一気にやってしまいます。

%を百分率に直しておく。

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もも

百分率に直すのは、簡単。
2つの表で、①と③は共通しています。
だから、①は、\(\Large \frac{7}{100}\)
③は \(\Large \frac{16}{100}\) とおけます。
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Lukia

そうですね。
そして、最初の表の⑤は、\(\Large \frac{13}{100}\) 、
あとの表の⑤は・・・。
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もも

\(\Large \frac{y}{100}\) ですっ!
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Lukia

たまには、いいとこ見せたいのに・・・。(涙)

縦はかけ算・横はたし算

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Lukia

それでは、表の縦の列を計算していきましょうね。
今回は、2つの表があるので、見出しを2つにして、
それぞれやっていきましょう。

最初の表(分量を逆にしてしまった食塩水)

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もも

「縦はかけ算」でしたから、
それぞれかけ算をして、表の一番下の段のマスに書き込んでいきます。
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もも

左から、
\(\Large \frac{7}{100}\times x\) 、
\(\Large \frac{16}{100}\times \left( 300-x\right)\) 、
\(\Large \frac{13}{100}\times 300\) となりますね。

あとの表(本来作ろうとした食塩水)

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もも

こちらも、最初の表とやることは一緒なので、
左から、
\(\Large \frac{7}{100}\times \left( 300-x\right)\) 、
\(\Large \frac{16}{100}\times x\) 、
\(\Large \frac{y}{100}\times 300\) となりますね。

一番下の段の「たし算」をする。

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Lukia

では、一番下の段の「横はたし算」をして、
2つの式を立ててみてください。
また、「最初の表」とか「あとの表」というのは、めんどくさいですから、
「最初の表」によって作られた式を①、
「あとの表」によって作られた式を②としてください。
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もも

はい。
まず、最初の表の式が、
\(\Large \frac{7}{100}\times x+\frac{16}{100}\times \left( 300-x\right) =\frac{13}{100}\times 300\) ・・・① です。
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もも

あとの表の式が、
\(\Large \frac{7}{100}\times \left( 300-x\right)+\frac{16}{100}\times x =\frac{y}{100}\times 300\) ・・・② です。

計算して答えを求める

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Lukia

式を2つ立てたので、中一の人や、まだ連立方程式を習っていない人は、
「中一バージョン」を見てください。
また、案外簡単かもしれませんので、一応「中二バージョン(連立方程式)」も見てみると、
中一の人でも、楽に解けるかもしれません。

中一バージョン

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もも

まず、式①を計算します。
\(\Large \frac{7}{100}\times x+\frac{16}{100}\times \left( 300-x\right) =\frac{13}{100}\times 300\) ・・・①分母の100をはらうと、
\(\Large 7x+16\left( 300-x\right)=13\times 300\)\(\Large 7x-16x=\left( 13-16\right)\times 300\)\(\Large -9x=-3\times 300\)

マイナスが気持ち悪いので、両辺を\(\Large -3\) でわって、

\(\Large 3x=300\) となり、

\(\Large x=100\) が求まります。

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もも

これを式②に代入して、計算します。\(\Large \frac{7}{100}\times \left( 300-100\right)+\frac{16}{100}\times 100 =\frac{y}{100}\times 300\) ・・・②

こっちも分母の100をはらって、カッコ内の計算をすると、

\(\Large 7\times 200 + 16\times 100 = 300y\)

\(\Large \left( 7\times 2 +16\right)\times 100 = 3y\times 100\)

\(\Large 30=3y\)

\(\Large y=10\) が求まります。

中二バージョン(連立方程式)

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Lukia

中二バージョン(連立方程式)は、ふきだしなしで書いてみますね。

 

まず、どちらの式も分母の100をはらって、簡単な式に直します。

カッコをはずすため展開してみると、

①と②の式の左辺は左辺同士、右辺は右辺同士でたし算をしてみます。
すると、

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Lukia

「連立方程式」というほどの連立方程式でもないけれど、
中一の人は、学校の先生に「教えてないことはするな!」なんて言われても困るので、
めんどくさくても、中一バージョンでやるほうがいいかもしれませんね。

こたえ

13%


 

プロフィール

Author Profile
Lukia_74

元・再受験生、元塾講師、元高校非常勤講師。広島育ち。
中・高国語の教員免許を取得するも、塾講師時代は英語や数学ばかり教えていた。
思うところあって大学再受験を決意。理転し、数学Ⅲ、化学、生物を独習する。国立大学へ合格するも、2018年3月に再受験生生活にピリオドを打つ。
モットーは「自分の予定はキャンセルできても、生徒の予定はキャンセルできない」と「主婦(夫)こそ理系たれ」。
広島のお好み焼きとグレープフルーツが大好き。どっちかというと左党。楽しみはひとりカラオケ。
高校で教鞭を取った経験から、現在は「現代文」と「小論文」の指導力アップを目指し、自己研鑽中。最近は趣味として高校数学を解く。

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Posted by Lukia_74