斜軸回転体のレシピを書いてみる。

2018年7月11日数学検定準1級, 積分とその応用数学, 数学検定, 数検準1級

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Lukia

回転体の基本的なイメージは、ぺらっぺらな円形のハムの中心に、金属の細い串(曲がらず硬い。断面は面積が測れないほどの小さな円形)を突き刺して、逆に肉の塊を作っていく。と考えるとよいと思います。
先端恐怖症の方は、イメージするだにブルッとするかもしれませんが、
目線を串の円形の断面が見えるほうに合わせると、ハムは円形ではあるものの、大きさ(つまり半径)が異なるハムがどんどん貫かれていきます。ハムの大きさは一定ではなく、面積が大きなハムや小さなハムが連なります。
この積み重ねを、串が長く見えるほうから見ると、でこぼこすると思います。
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Lukia

さて、回転体を習い始めたころは、この串が\(x\) 軸でした。
この串を90°回転させた \(y\) 軸回転もありますが、これは式変形をすればなんとかなりますね。
しかし、中途半端に軸を45°回転させる「斜軸回転体」は、そう簡単ではありません。
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そこで、新たに \(t\) 軸を設定し、
\(t\) 軸について回転させていきます。
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目標は、$$\Large \frac{V}{\pi}=\int_0^\alpha PH^2 dt$$を導くことです。


$$放物線 y=-x^2+x と直線 y=-x で囲まれた部分を、\\ 直線 y=-x のまわりに一回転してできる立体の体積 V を求めよ。$$

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まずは、図形的なイメージをはっきりさせます。


$$y=-x^2+x を C とし、 y=-x を l とする。\\ C と l の交点は、 -x^2+x+x=0 より、\\ 原点 O と 点A\left( 2,2\right) である。\\ C 上の任意の点を P\left( x,-x^2+x\right) とする。\\ 点 P から l におろした垂線の交点を H とする。$$

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「点と直線の距離」を使って、PHの距離を求めます。

$$PH=\frac{\vert x-x^2+x \vert}{\sqrt{2}}=\frac{\vert -x^2+2x \vert}{\sqrt{2}}=\frac{-x^2+2x}{\sqrt{2}}$$

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なんで、簡単に絶対値がはずれてしまったのか。というのは、
グラフを描けばわかります。
\(y=\vert -x^2+2x \vert\) のグラフは以下のとおり。

そして、今回は、定義域が \(0 \lt x \lt 2\) となります。
赤い曲線が\(x\) 軸よりも上にあります。
明らかに正ですね。
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Lukia

斜軸回転体の問題は、結構難しいとされているので、
おそらく、\(x \) 軸から \(\pm 45\)° 傾ける形が出題されると思います。
(これを必須で出題する数検は鬼ですね。)
つまり、直線は、\(y=x か、 y=-x\) に限定されるでしょう。
次の操作、点Qをおけるかおけないかで、
最後まで解答できるかどうかが分かれると思います。
今回のレシピのキモっちゃキモですね。


$$点 P から x 軸におろした垂線と、l の交点を Q とする。\\ \triangle PHQ は、 PH=PQ の直角二等辺三角形であるから、\\ OH=OQ-QH=OQ-PH である。\\ OH=t とすると、\\ t=\sqrt{2}x-\frac{\left( -x^2+2x\right)}{\sqrt{2}}=\frac{x^2}{\sqrt{2}}$$

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両辺を について微分し、目標の形に近づけていきます。

$$両辺を x で微分する。\\ \frac{dt}{dx}=\frac{1}{\sqrt{2}}\cdot 2x より、\\ dt=\frac{2}{\sqrt{2}}x dx$$

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直線 \(l\) を \(t\) 軸とみなし、回転体を求める式を立てます。
積分区間は、\(OA\)の長さが \(2\sqrt{2}\) であることから、
\(0\)から \(2\sqrt{2}\) となります。
また、計算している途中で、\(\pi\) を書き忘れてしまう可能性があるので、
\(\pi\) を左辺に避難させるようにしています。

$$\frac{V}{\pi}=\int_0^{2\sqrt{2}} PH^2 dt$$

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Lukia

ここで、積分区間の変換(?)をしておきます。
私は、空いたスペースでこそッ。と計算してしまうので、通常解答には書きません。


$$t=\frac{x^2}{\sqrt{2}}\\ \sqrt{2}t=x^2\\ t=2\sqrt{2} のとき、\\ 4=x^2\\ただし、0 \leqq x \leqq 2 であるから、\\ x=2$$

$$\frac{V}{\pi}=\int_0^{2\sqrt{2}} PH^2 dt=\int_0^2 \left( \frac{-x^2+2x}{\sqrt{2}}\right)^2\cdot \frac{2}{\sqrt{2}} xdx$$
$$\begin{align} \frac{V}{\pi}&=\frac{1}{\sqrt{2}}\int_0^2 \left( x^5-4x^4+4x^3\right) dx\\ &=\frac{1}{\sqrt{2}}\left[ \frac{1}{6}x^6-\frac{4}{5}x^5+x^4\right]_0^2\\&=\frac{8\sqrt{2}}{15}\pi \end{align}$$
ゆえに、
$$\Large V=\frac{8\sqrt{2}}{15}\pi$$

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