中学数学の食塩水に「食塩」を混ぜる問題(その2)
読了時間: 約5分21秒
[mathjax]
前回始まった「食塩水に『塩』を混ぜ合わせる」問題ですが、
さっそく今回で終了です。
とはいえ、今回は、不等式が含まれていますので、少し難しいかもしれません。
がんばってみてくださいね。
それでは、以下に問題を示します。
スクロールの手を止めて、解いてみてください。
さっそく今回で終了です。
とはいえ、今回は、不等式が含まれていますので、少し難しいかもしれません。
がんばってみてくださいね。
それでは、以下に問題を示します。
スクロールの手を止めて、解いてみてください。
問題
濃度10%の食塩水が340gある。
これに食塩を加えて、濃度を15%以上、20%以下になるようにしたい。
加える食塩の重さの範囲を求めよ。
これに食塩を加えて、濃度を15%以上、20%以下になるようにしたい。
加える食塩の重さの範囲を求めよ。
なお、今回はふたつの式を立てなくてはならないので、
まずは、「15%以上」のほうの式を立て、
そのあとで、「20%以下」のほうの式を立てていきます。
まずは、「15%以上」のほうの式を立て、
そのあとで、「20%以下」のほうの式を立てていきます。
15%以上
表に書き込む。
15%以上、20%以下って、ちょっと難しそうですね。
ま、でもまずは表を描いてみます。
ま、でもまずは表を描いてみます。
横長の線を3本と、それを4等分するように縦の線を3本引きます。
ももちゃんは、以下のような表を描いています。
問題文によると、
①は10、
②が340ですね。
①は10、
②が340ですね。
「食塩を加えて」とあるから、
③は100でよさそう。
③は100でよさそう。
問題文の一番下に「加える食塩の量」とあるから、
④は \(\Large x\) としてよさそうですね。
④は \(\Large x\) としてよさそうですね。
確認しておくと、ももちゃんがおいた③の100は、
食塩には、食塩が100%含まれている。ということからきています。
食塩には、食塩が100%含まれている。ということからきています。
⑤は15で・・・
⑥は、「横はたし算」ルールによって、
②+④=⑥とわかるから、
\(\Large \left( 340+x\right)\) とおけます。
⑥は、「横はたし算」ルールによって、
②+④=⑥とわかるから、
\(\Large \left( 340+x\right)\) とおけます。
%を百分率に直しておく。
百分率に直すのは簡単。
左から、\(\Large \frac{10}{100}\) ・ \(\Large \frac{100}{100}\) ・ \(\Large \frac{15}{100}\) です。
左から、\(\Large \frac{10}{100}\) ・ \(\Large \frac{100}{100}\) ・ \(\Large \frac{15}{100}\) です。
縦はかけ算・横はたし算
では、「縦はかけ算」をして、一番下の段のマスをうめていきましょう。
はい。
まず、食塩水の列は、
\(\Large \frac{10}{100}\times 340\) となります。
まず、食塩水の列は、
\(\Large \frac{10}{100}\times 340\) となります。
次に、食塩の列は、
\(\Large \frac{100}{100}\times x\) となります。
\(\Large \frac{100}{100}\times x\) となります。
できあがる食塩水の列は、
\(\Large \frac{15}{100}\times \left( 340+x\right)\) となります。
\(\Large \frac{15}{100}\times \left( 340+x\right)\) となります。
一番下の段の「たし算」をする。
手慣れたもんですね。
それでは、いよいよ「横はたし算」をして、式を立ててみましょう。
それでは、いよいよ「横はたし算」をして、式を立ててみましょう。
はい。
式は、
\(\Large \frac{10}{100}\times 340+\frac{100}{100}\times x=\frac{15}{100}\times \left( 340+x\right)\) となります。
式は、
\(\Large \frac{10}{100}\times 340+\frac{100}{100}\times x=\frac{15}{100}\times \left( 340+x\right)\) となります。
はい。方程式だったらまったく問題ない式なのですが、
今回は、15%以上ということなので、「不等式」にしなければなりませんね。
今回は、15%以上ということなので、「不等式」にしなければなりませんね。
あっ、そうですね。
このままだったら、濃度15%の食塩水ができてしまいますね。
このままだったら、濃度15%の食塩水ができてしまいますね。
不等式を考えてみる。
ちなみに、表の一番下の段は、「食塩の重さ」となっていますね。
ここを見ながら考えてみましょう。
ここを見ながら考えてみましょう。
濃度10%の食塩水には、いま、34gの食塩が含まれています。
これは、もう、どうがんばっても増えません。
できあがる食塩水を濃く(全体に対して、食塩の重さが多く)なるためには、
加える食塩の重さでしか、調整できないんですね。
これは、もう、どうがんばっても増えません。
できあがる食塩水を濃く(全体に対して、食塩の重さが多く)なるためには、
加える食塩の重さでしか、調整できないんですね。
はい。
ということは、
左辺の「10%食塩水に食塩を加えたときの食塩の重さ」が、
右辺の「15%食塩水に含まれる食塩の重さ」と同じか、それよりも重くなってほしい。
と言いたいのですが、数学の記号でそれを表せるもの、知りませんか?
左辺の「10%食塩水に食塩を加えたときの食塩の重さ」が、
右辺の「15%食塩水に含まれる食塩の重さ」と同じか、それよりも重くなってほしい。
と言いたいのですが、数学の記号でそれを表せるもの、知りませんか?
\(\Large \geq\) とか、\(\Large \leq\) かな?
ほかにも、\(\Large \gt\) とか、\(\Large \lt\) もありますね。
ほかにも、\(\Large \gt\) とか、\(\Large \lt\) もありますね。
そうですね。
今回は、15%以上とありますから、きっかり15%も含まれています。
ゆえに、\(\Large \geq\) か、\(\Large \leq\) を使いましょう。
ちなみに、広がっている方が、左辺と右辺のどっちに向けばいいですか。
今回は、15%以上とありますから、きっかり15%も含まれています。
ゆえに、\(\Large \geq\) か、\(\Large \leq\) を使いましょう。
ちなみに、広がっている方が、左辺と右辺のどっちに向けばいいですか。
10%食塩水と食塩を混ぜたほうに重くなってほしいんだから・・・
左辺ですね。
左辺ですね。
そうです。ですから、あらためて式を立てると、
\(\Large \frac{10}{100}\times 340+\frac{100}{100}\times x\geq\frac{15}{100}\times \left( 340+x\right)\) となりますね。
計算自体は、方程式のときと同じようにできますよ。
\(\Large \frac{10}{100}\times 340+\frac{100}{100}\times x\geq\frac{15}{100}\times \left( 340+x\right)\) となりますね。
計算自体は、方程式のときと同じようにできますよ。
ということは、
まず分母の100をはらって、
\(\Large 10\times 340+100\times x\geq 15\times \left( 340+x\right)\) になり、
まず分母の100をはらって、
\(\Large 10\times 340+100\times x\geq 15\times \left( 340+x\right)\) になり、
左辺を \(\Large x\) 、
右辺を340でまとめて、
\(\Large \left( 100-15\right)x\geq \left( 15-10\right)\times 340\) にします。
右辺を340でまとめて、
\(\Large \left( 100-15\right)x\geq \left( 15-10\right)\times 340\) にします。
両辺を5でわって、
\(\Large 17x\geq 340\) とします。
計算して、
\(\Large x\geq 20\) が導かれますね。
\(\Large 17x\geq 340\) とします。
計算して、
\(\Large x\geq 20\) が導かれますね。
または、両辺を2倍してから計算する方法もあります。
\(\Large 2\left( 100-15\right)x\geq 2\left( 15-10\right)\times 340\) とし、
\(\Large 170x \geq 10\times 340\) の両辺を170で割ります。
そして、
\(\Large x \geq 20\) を導きます。
このへんの計算のくふうは、その人の好みですね。
\(\Large 2\left( 100-15\right)x\geq 2\left( 15-10\right)\times 340\) とし、
\(\Large 170x \geq 10\times 340\) の両辺を170で割ります。
そして、
\(\Large x \geq 20\) を導きます。
このへんの計算のくふうは、その人の好みですね。
さて、答えが \(\Large x \geq 20\) となりましたから、
加える食塩は、20g以上ということになりますね。
加える食塩は、20g以上ということになりますね。
20%以下
こちらも操作は同じなので、式は、ふきだしなしで書いていきますね。
$$\Large \frac{10}{100}\times 340+\frac{100}{100}\times x \leq \frac{20}{100}\times \left( 340+x\right)$$
両辺の分母の100をはらって、
$$\Large 10\times 340+100\times x \leq 20\times \left( 340+x\right)$$
左辺を \(\Large x\) 、右辺を340でまとめて、
$$\Large \left( 100-20\right)x \leq \left( 20-10\right)\times 340$$
$$\Large 80x \leq 3400$$
$$\Large x \leq 42.5$$
ゆえに求める食塩の量の範囲は、
$$\Large 20 \leq x \leq 42.5$$
つまり、
20g以上、42.5g以下 となります。
20g以上、42.5g以下 となります。
こたえ
いかがでしたか。不等式を考えるのが少し難しかったですね。
これからも、不等式がからんだ問題がいくつか出てくると思いますので、
その都度慣れていくようにしましょうね。
これからも、不等式がからんだ問題がいくつか出てくると思いますので、
その都度慣れていくようにしましょうね。
20g以上、42.5g以下
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