数学Ⅲ(数学検定準1級)の範囲の勉強方法を振り返ってみる。

2018年8月22日数学3,数学検定準1級実用数学技能検定(数学検定 数検),数検準1級

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高校数学において「数学Ⅲ」というと、国公立理系・難関私大理系がやるようなイメージなので、
難しそう・・・と思われそうですね。
実際、私も再受験時に数学Ⅲを独学するにあたり、そういうイメージがありました。

しかし、実は、数学ⅠAやⅡBがどれだけしっかりできているかにかかっていて、
特にⅡBがしっかりできていれば、案外Ⅲは取り組みやすいのではないかと思います。

また、意外にも、「計算」力がものをいうので、
何をやっていいかわからない人は、ひとまず『カルキュール』などの、計算問題をやることをオススメします。
とはいえ、計算問題といえども、基礎がわかっていなければ、手の動かしようがありません。

今回は、私がどうやって数学Ⅲの勉強をしたかということを振り返ってみようとおもいます。

私が「数学Ⅲは難しい」という先入観を抱いた理由。

現役時代は文系でしたので、数学Ⅲの範囲はまったくやったことがありませんでした。
そのため、しばらくは、「数学Ⅲは難しそう。」という先入観をぬぐいされないでいました。

ちなみに、この先入観は、現役時代の同級生たちのようすから生まれたものでした。

私は、いわゆる「団塊ジュニア世代」ですので、現役時代の受験はなかなかしんどいものでした。
単純に「受験」人口が多いころだったので、そもそも入試倍率が高いのです。
すると、先輩たちの中に浪人生が生まれますから、現役生は多くの同級生だけでなく、浪人生とも競争しなければなりませんでした。

高校の先生にしてみれば、教え子が浪人生にならないほうがよいわけなので、教育にも熱が入ります。

とある数学の先生は、2年生や3年生でも数学があまり必要でない文系の生徒には、ゆるキャラかと思うぐらいほんわかした雰囲気なのに、
国立理系向けの授業では豹変し、ビッシバッシとスパルタ授業を行っていらっしゃったようです。

国立理系の同級生たちは、その先生が近くを通りかかられると、「ヤバイッ!!」と、机の陰に隠れるほどでした。
どんだけ恐ろしかったんだか。(笑)
それか、「先生を怖がるゲーム」でもしていたんでしょうか。(ヤツらならやりかねん・・・)

この同級生たちは、数学専門塾や、大手の塾に通い、勉強では一目置かれるような人たちだったので、
当時文系の私には、「こんな人たちでも、四苦八苦するんだから、理系の数学は難しいんだ」と思ってしまいました。

しかし、今思えば、これは短絡的に事実と事実を結び付けて生まれた先入観でした。

その数学の先生がどういう意図で厳しく授業をしていたのかもわかりませんし、
同級生たちが本当に先生を怖がっていたのか、あれだけ贅沢な環境にいて、先生に叱られそうな程度の実力しか伴わなかったのか、
今となっては確かめるすべはありません。

現在は、「数学Ⅲは難しい」というのは、先入観だったと思います。
四苦八苦しながら数学をやってきましたが、それでも、「高校数学レベルにセンスや才能は必要ない」と思うようになりました。
もちろん、センスや才能があれば楽でしょうが、しっかり基礎を培い、少していねいに勉強すれば、結構できるようになる程度のものなのです。

だから私は、高校数学レベルで特別感を醸すのは、あんまりかっこよくないと思っています。

とはいえ、決して簡単でもないけれど。

高校数学に、特別なセンスや才能が必要ないとはいえ、
数学Ⅲ範囲を独習するのは簡単なことではありませんでした。

勉強を始めたころは、上記のような先入観もありましたし、
難しそうな記号(∞とか、limとか。虚数iとか、eとか)を見るだけでビビッていました。

また、参考書との相性というか、触れるべきタイミングにも問題がありました。

いきなりチャート式のような網羅タイプの参考書に取り掛かってしまったため、
理解が進まなかったのです。

網羅タイプの参考書で独習するのは無理があるかも。

数学を「言語」とみなすと、その言葉はとってもシンプルです。
たとえば、絶対値などは、あっさり記号を用いて表記されますが、これを日本語で説明しようとしたら相当なことばを尽くさねばなりません。

本当は、いろいろと言いたいこともいきさつも、感情もあったのだけれど、
「別に・・・」と言い放って誤解されてしまった沢尻エリカさんと似ているような気がします。

数学は、誤解されやすい「言語」なのかもしれません。

数学において記号は、それぞれ広く深い背景をもたされているので、本来ならば、それらを日常の言語に直すくふうが必要となります。
しかし、チャート式のような網羅タイプの参考書は、紙面の制約もあって、
解法のポイントが目立つようには書いてありますが、そのポイントを裏付けるための言葉は尽くされていません。

おそらく、効率の良い数学の勉強方法は、
まずは、学校や塾で、先生に「日本語」で「数学」を翻訳・説明してもらい、
その後はチャート式などの網羅タイプの参考書を用いて、自分のペースでバリエーションを知ることでしょう。

「数学」の翻訳・説明には時間がかかるので、時間内にバリエーションまで網羅するのは無理があります。
また、翻訳・説明してもらったことは、かなり基礎的な部分なので、それだけでバリエーションに対応することは不可能です。

しかし、翻訳や説明がなされていれば、シンプルな表現しかされていない参考書でも、読んで理解することができます。
試験では、基礎的な表現をベースに、どれだけこねくり回したかが問われます。
考え方をこねくり回したり、表現のバリエーションを増やすのは個人の作業なので、
その助けとなる問題が網羅されていればいるほどよいことになります。

こどもは、乳幼児期に周囲から言葉のシャワーを浴び、
言い間違いをしながら言語を習得します。またその経験を重ねるうちに、独自の表現方法を生み出していきます。

数学も「言語」とみなせば、同様の方法で習得できるのではないかと思います。

ということは、やっぱり、私は参考書を使うタイミングを間違えていたといえますね。

私は、細野先生に教わりました。

独習者の私の場合、「数学」を翻訳・説明してくれる先生がいなかったので、
以下の3冊を使って勉強しました。

数学の本なのに、クマのイラストが描かれているゆるさと、
語り口調の説明が私には合っていました。

Lukia_74

Lukia

2019年4月27日現在、電子書籍となっているようです。
分厚い本なので、これはいいかも!

 

 

 

 

 

 

厚みのあるザラザラした紙に、語り口調での説明が施されているため、若干引いてしまう厚みの本ですが、
つまずきやすいポイントを指摘してくれたり、理解しにくいところをかみくだいてくれるなどして、
本当に講義を受けているような感覚で勉強できる本でした。

こういう講義や授業を文字起こししたような本は、お値段も高めなのですが、
実際の授業を受けるよりは安いので、独学者・独習者にはコスパの高い本ではないかと思います。

思えばこの本で英語ができるようになったんだった。

「語り口調」で思い出したのですが、現役時代「実況中継」のおかげで、英語ができるようになりました。
おそらくこの本が、現役時代読んでいた本の後継本なのだろうと思います。

 

 

この本で、5文型をかなりガッツリやったので、それが辞書の使い方に派生し、(複数の品詞にまたいで意味がある単語を調べやすくなった)
文の構造を理解しながら読むようになりました。

今でこそ授業・講義をそのまま文字起こししたような「実況中継」本は珍しくありませんが、
私の現役時代では、かなり画期的な本でした。

時間をかけすぎたので、「5文型」しか読めなかったのですが、
今の私の英語の基礎はこの本の「5文型」でできていると思います。

英語が苦手な方は、本屋さんで相性を確かめてみてください。

10日どころじゃない。

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細野先生の本で、ある程度理解してからは、この問題集で勉強しました。

別の記事でも書いたと思いますが、「10日あればいい」というサブタイトルに騙されてはいけません。
薄い本なのですが、しっかりこなそうと思えば、なかなかしんどい問題集です。

まぁでも、厚みのないビジュアルだったのが、私の心理的負担を軽減してくれました。
(私は分厚い問題集が苦手のようです)

チャート式のように、例題と解き方が簡潔ながら載っていて、その後、練習問題として難しめの入試問題が続いていきます。
本体の巻末には、簡単な解答(数値だけとか)が載っているのですが、別冊解答・解説もついています。

この実教出版の本は、ほかにもいろいろ買いました。
私には相性がよく、好きな出版社です。

この問題集を何周かするうちに、少しずつ数学Ⅲの力がついてきたように思います。

しかし、その後、単純に計算する・手を動かすことで数学Ⅲを理解する・メモリを増やしたくなりました。

そこで、カルキュール。

数学Ⅲは、数学ⅠA・ⅡBの応用といっていいと思いますが、
まぁ、「応用」だけに、式を立てても、式変形、いわゆる計算には、少しテクニックが必要です。

上記の問題集では、そのひたすら計算する。というようなことができなかったので、
見たことない記号や式にビビらないとか、数学Ⅲモードを即起動できるようにするため、
『カルキュール』に取り組むことにしました。

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実際、「数学する気分じゃな~い。」というときでも、
計算問題ならば、取り組みやすいですし、いざやり始めたら、おもしろくてついついやり続けてしまう。なんてこともあります。
また、手を動かすことで、図やグラフがイメージできたり、以前不明だった点が、突然腑に落ちる。というような経験もありました。

数学Ⅲが、数学ⅠA・ⅡBの応用のような分野でもあるので、ⅠA・ⅡBに戻った時、
解くスピードが上がっていたり、「この問題、数学Ⅲならこういう聞かれ方につながるんだよねぇ・・・」と、
高校数学を俯瞰で見られるようになったりします。

手を動かせば動かすほど、よいことが起こるので、志望大学の過去問や、ちょっと難しい演習問題に手が出せない人は、
『カルキュール』などを使って、計算力を上げるとよいと思います。

Left Caption

Lukia

早朝から記事を書いて、もう限界です。
本当は、『カルキュール』や計算について書きたかったのですが、
これは、また記事をあらためることにいたします。


 

プロフィール

Author Profile
Lukia_74

元・再受験生、元塾講師、元高校非常勤講師。広島育ち。
中・高国語の教員免許を取得するも、塾講師時代は英語や数学ばかり教えていた。
思うところあって大学再受験を決意。理転し、数学Ⅲ、化学、生物を独習する。国立大学へ合格するも、2018年3月に再受験生生活にピリオドを打つ。
モットーは「自分の予定はキャンセルできても、生徒の予定はキャンセルできない」と「主婦(夫)こそ理系たれ」。
広島のお好み焼きとグレープフルーツが大好き。どっちかというと左党。楽しみはひとりカラオケ。
高校で教鞭を取った経験から、現在は「現代文」と「小論文」の指導力アップを目指し、自己研鑽中。最近は趣味として高校数学を解く。

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