高校数学の「放物線の平行移動・対称移動」に関する問題を解いてみる。(Yahoo!知恵袋より)
2021年9月5日二次関数実用数学技能検定(数学検定 数検),数検2級,数検準2級

読了時間: 約2分9秒
[mathjax]
問題
放物線 \( \ y=x^2+ax+b \ \) を原点に関して対称移動し、さらに\( \ x \ \)軸方向に \( \ 3 \ \) , \( \ y \ \)軸に \( \ 6 \ \) だけ平行移動すると、放物線 \( \ y=-x^2+4x-7 \ \) が得られるという。このとき、定数 \( \ a \ \), \( \ b \ \) の値を求めよ。

Lukia
センター試験でよく出題された問題ですね。この平行移動の問題は、2通りの解き方ができるようになっておくと、単純なルティンワークにまで落とし込めます。
解法1 (問題文を頭から読んで操作する)
\( \ y=x^2+ax+b \ \) を原点に関して対称移動すると
\( \ -y=\left( -x\right)^2+a\left( -x\right)+b \ \)
すなわち、 \( \ y=-x^2+ax-b \ \)
これを\( \ x \ \)軸方向に \( \ 3 \ \) , \( \ y \ \)軸に \( \ 6 \ \) だけ平行移動すると、
\( \ y=-\left( x-3\right)^2+a\left( x-3\right)-b+6 \ \)
整理すると
\( \ y=-x^2+\left( 6+a\right)x-3a-b-3 \ \)
これが \( \ y=-x^2+4x-7 \ \) と等しいから
\( \ 6+a=4 \ \)
\( \ a=-2 \ \)
\( \ -3a-b-3=-7 \ \)
\( \ b=10 \ \)
以上より、\( \ a=-2 \ \) , \( \ b=10 \ \)
\( \ -y=\left( -x\right)^2+a\left( -x\right)+b \ \)
すなわち、 \( \ y=-x^2+ax-b \ \)
これを\( \ x \ \)軸方向に \( \ 3 \ \) , \( \ y \ \)軸に \( \ 6 \ \) だけ平行移動すると、
\( \ y=-\left( x-3\right)^2+a\left( x-3\right)-b+6 \ \)
整理すると
\( \ y=-x^2+\left( 6+a\right)x-3a-b-3 \ \)
これが \( \ y=-x^2+4x-7 \ \) と等しいから
\( \ 6+a=4 \ \)
\( \ a=-2 \ \)
\( \ -3a-b-3=-7 \ \)
\( \ b=10 \ \)
以上より、\( \ a=-2 \ \) , \( \ b=10 \ \)
解法2 (問題文を完成形から逆算する)

今回の問題は、移動が完成した式のほうが実定数が用いられているので、「逆算」したほうがよいパターンです。
センター試験では、この「逆算」パターンが多かったような気がします。
それでは、以下のように問題を書き換えて、解いてみます。
センター試験では、この「逆算」パターンが多かったような気がします。
それでは、以下のように問題を書き換えて、解いてみます。
放物線 \( \ y=-x^2+4x-7 \ \)を\( \ x \ \)軸方向に \( \ -3 \ \) , \( \ y \ \)軸に \( \ -6 \ \) だけ平行移動し、さらに原点に関して対称移動すると、放物線 \( \ y=x^2+ax+b \ \) が得られるという。このとき、定数 \( \ a \ \), \( \ b \ \) の値を求めよ。
放物線 \( \ y=-x^2+4x-7 \ \)を\( \ x \ \)軸方向に \( \ -3 \ \) , \( \ y \ \)軸に \( \ -6 \ \) だけ平行移動すると、
\( \ y=-\left( x+3\right)^2+4\left( x+3\right)-7-6 \ \)
整理して
\( \ y=-x^2-2x-10 \ \)
これを原点に関して対称移動すると
\( \ -y=-\left( -x\right)^2-2\left( -x\right)-10 \ \)
整理して
\( \ y=x^2-2x+10 \ \)
以上より、\( \ a=-2 \ \) , \( \ b=10 \ \)
\( \ y=-\left( x+3\right)^2+4\left( x+3\right)-7-6 \ \)
整理して
\( \ y=-x^2-2x-10 \ \)
これを原点に関して対称移動すると
\( \ -y=-\left( -x\right)^2-2\left( -x\right)-10 \ \)
整理して
\( \ y=x^2-2x+10 \ \)
以上より、\( \ a=-2 \ \) , \( \ b=10 \ \)
こたえ
\( \ a=-2 \ \) , \( \ b=10 \ \)
関連
プロフィール
Author Profile

カテゴリー
2021年9月5日二次関数実用数学技能検定(数学検定 数検),数検2級,数検準2級
Posted by Lukia_74
関連記事

高校数学の「三角関数の合成」に関する問題を解いてみる。(Yahoo!知恵袋より)
Yahoo!知恵袋の高校数学カテゴリに投稿されていた「三角関数の合成」に関する問 ...

高校数学の「桁が増えていく数列」に関する問題を解いてみる。(Yahoo!知恵袋より)
Yahoo!知恵袋の高校数学カテゴリに投稿されていた「桁が増えていく数列」に関す ...

【 30 / 42 】 論理と集合 「必要条件と十分条件の判定問題」を解いてみる。
問題 次の( )内にあてはまるものを、下の(ア)~(エ)のうちから一つ選べ ...

【 09 / 12 】高校数学の「平面ベクトルの点Pの存在範囲」に関する問題を解いてみる。
問題 \( \ \triangle \mathrm{OAB} \ \)について点 ...

数学検定準1級(2018年7月22日実施)をふりかえる。
2018年7月22日実施の 第322回「実用数学技能検定(以下数検)」の受検を振 ...
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません