高校数学の「データの範囲と標準偏差の関連性」に関する問題を解いてみる。(Yahoo!知恵袋より)
読了時間: 約2分46秒
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問題
次のデータⅠとⅡは、大相撲の幕内上位11人の力士と十両上位10人の力士の体重を小さい順に並べたものである。
Ⅰ: 135 , 155 , 155 , 158 , 168 , 168 , 172 , 175 , 181 , 186 , 197 (kg)
Ⅱ:111 , 115 , 130 , 138 , 138 , 156 , 160 , 164 , 199 (kg)
Ⅰ , Ⅱのデータの分散は、少数第1位を四捨五入すると、それぞれ 206 と609 である。
これらのデータについての以下の記述が正しくなるよう,ⅠとⅡから選択せよ。データの範囲は( Ⅰ ・ Ⅱ )の方が大きく, 標準偏差は( Ⅰ ・ Ⅱ )の方が大きい。
Ⅰ: 135 , 155 , 155 , 158 , 168 , 168 , 172 , 175 , 181 , 186 , 197 (kg)
Ⅱ:111 , 115 , 130 , 138 , 138 , 156 , 160 , 164 , 199 (kg)
Ⅰ , Ⅱのデータの分散は、少数第1位を四捨五入すると、それぞれ 206 と609 である。
これらのデータについての以下の記述が正しくなるよう,ⅠとⅡから選択せよ。データの範囲は( Ⅰ ・ Ⅱ )の方が大きく, 標準偏差は( Ⅰ ・ Ⅱ )の方が大きい。
「データの範囲」を比較する
データの範囲は、幕内と十両のグループで、それぞれ最大値から最小値を引けば求められます。
Ⅰ(幕内)は、
$$195-135=62$$
Ⅱ(十両)は、
$$199-111=88$$
ゆえに、データの範囲は、Ⅱの方が大きいといえます。
「標準偏差」を比較する
標準偏差は、分散の正の平方根ですから、
Ⅰ(幕内)の標準偏差は
$$\sqrt{266} \sim 16.3$$
計算機があれば、16.3などとかなり正確な平方根の値が求められますが、定期テストやその他試験ではそういうわけにいかないので、
\( \ 15^2=225 \ , \ 16^2=256 \ , \ 17^2=289 \ \)ということから、おおよそ16〜17ぐらいとの検討をつけます。
\( \ 15^2=225 \ , \ 16^2=256 \ , \ 17^2=289 \ \)ということから、おおよそ16〜17ぐらいとの検討をつけます。
Ⅱ(十両)の標準偏差は
$$\sqrt{609} \sim 24.7$$
実際にはこんな計算をしなくても、もとの数が大きいほうが平方根の値も大きくなるといえるので、266と609を見比べて、Ⅱの十両のほうが、標準偏差も大きいということがわかりますね。
ゆえに、標準偏差はⅡの方が大きい。
「標準偏差」が示すもの
ぱっと見、幕内のほうが、体重の平均値は高そうですね。しかし、62kgの範囲の中に11人が収まっているので、幕内は体重だけで勝負できない。ということがいえます。体重も落とさず、むしろ増やすように努め、技も磨くということが求められているわけですね。
一方、十両は体重の幅が88kgもあるので、ひとまず体重のある力士のほうが有利です。
幕内の最軽量が135kgなので、現在111kgの十両力士にとっての直近の課題は、体重を増やすことになります。
111kgという体重は、相撲以外の世界ではかなり重量級ですが、大相撲の世界では、まだまだ小兵力士なんでしょうね。とはいえ、ただ単に体重を増やせばいいわけでなく、自分よりも重い相手を動かすためには、筋肉を増やしていかねばなりません。人間にも、骨格に見合った体重の上限がありますので、この小兵力士が体重を増やすのに苦労する場合、技を磨いて補っていく必要が出てきますね。
幕内の最軽量が135kgなので、現在111kgの十両力士にとっての直近の課題は、体重を増やすことになります。
111kgという体重は、相撲以外の世界ではかなり重量級ですが、大相撲の世界では、まだまだ小兵力士なんでしょうね。とはいえ、ただ単に体重を増やせばいいわけでなく、自分よりも重い相手を動かすためには、筋肉を増やしていかねばなりません。人間にも、骨格に見合った体重の上限がありますので、この小兵力士が体重を増やすのに苦労する場合、技を磨いて補っていく必要が出てきますね。
改めて、データの範囲と標準偏差の関係を見てみると、
データの範囲が広い方が、標準偏差の値も大きくなっていました。
標準偏差は、データのばらつき(逆にまとまり)具合を示しているといえますね。
幕内(Ⅰ)と十両(Ⅱ)で比較すると、十両の方が、データにばらつきがあるといえますし、
幕内は、十両に比べるとデータのばらつきが少ないことがわかります。
幕内は、体重の標準偏差が小さい(ぎゅっとまとまっている)ので、単純に「重量級の力士が有利」とはいえません。それぞれのベストな体重を維持しながら、技を磨いたからこそ幕内にいられるわけです。
幕内は本当に大変なグループだということがわかります。
データの範囲が広い方が、標準偏差の値も大きくなっていました。
標準偏差は、データのばらつき(逆にまとまり)具合を示しているといえますね。
幕内(Ⅰ)と十両(Ⅱ)で比較すると、十両の方が、データにばらつきがあるといえますし、
幕内は、十両に比べるとデータのばらつきが少ないことがわかります。
幕内は、体重の標準偏差が小さい(ぎゅっとまとまっている)ので、単純に「重量級の力士が有利」とはいえません。それぞれのベストな体重を維持しながら、技を磨いたからこそ幕内にいられるわけです。
幕内は本当に大変なグループだということがわかります。
おそらく、お相撲さんは、感覚的にこういうことがわかっているから、数学の知識は必要ないかもしれませんが、
もし、お相撲さんにもデータの分析能力が備われば、戦略の立て方が変わってくることになりそうですね。
一方、相撲の経験がない私たちでも、データを分析したり、読み取ったりすることで、大相撲の見方が変わってくるともいえますね。
もし、お相撲さんにもデータの分析能力が備われば、戦略の立て方が変わってくることになりそうですね。
一方、相撲の経験がない私たちでも、データを分析したり、読み取ったりすることで、大相撲の見方が変わってくるともいえますね。
大相撲と数学の融合!
思わぬところで数学は役に立つんですね。
こたえ
データの範囲は( Ⅱ )の方が大きく, 標準偏差は( Ⅱ )の方が大きい。
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