高校数学の「図形と計量」に関する問題を解いてみる。（Yahoo!知恵袋より）

2019年2月20日2023年1月14日図形と計量実用数学技能検定（数学検定 数検),数検準2級

[mathjax]

「逆算力」を持とう。

Lukia

数学のグラフ描画ソフトGeoGebra（ジオジブラ）を使って描いたのが以下の図です。
こんな図を限られた時間で、なるべく正確にかくのは難しそうですね。

Lukia

最終的に辺$\mathrm{AD}$の長さを求めるには、
いろいろなアプローチがあると思いますが、こういう幾何の問題は、特に「逆算する力」が求められるように思います。
もっというと、辺$\mathrm{AD}$を求めるのに、どの三角形の情報がわかればよいのか。ということをあらかじめ見極めておく力ともいえると思います。

Lukia

わからないことだらけだから、まずは簡単にわかりそうなことを明らかにして、そのうちどうすればいいか、方針も定まってくるだろう。と思ってしまいますが、
目的地（情報を得たい三角形）が定まらぬまま、なんとなくやっていると、そのうちどんどんドツボにはまっていってしまいます。

Lukia

大学入試センター試験の数学ⅠAで出てくる幾何の問題は、「なんとなくやっている人ホイホイ」的な機能が備わっているように思いますので、日ごろから、逆算する力を身に着けるような解答練習をこなすようにすることをオススメします。

目的地が定まったら解いていくだけ。

Lukia

さて、その上でもう一度図を見ていきます。
辺$\mathrm{AD}$を求めるには、$\mathrm{△}\mathrm{ACD}$の情報が得られればよさそうですね。

Lukia

辺$\mathrm{AD}$を求めるには、余弦定理が用いればよさそうなので、特に辺$\mathrm{CD}$の長さと、$\cos \mathrm{\angle }\mathrm{ACD}$がわかればよさそうです。

$$\begin{array}{rl}\mathrm{△}\mathrm{ABC}\mathrm{に}\mathrm{つ}\mathrm{い}\mathrm{て}& \mathrm{余}\mathrm{弦}\mathrm{定}\mathrm{理}\mathrm{よ}\mathrm{り}\\ \\ \cos \mathrm{\angle }\mathrm{BAC}=& \frac{{\mathrm{AB}}^2+{\mathrm{AC}}^2-{\mathrm{BC}}^2}{2\mathrm{AB}\cdot \mathrm{AC}}=\frac{1}{4}\\ \\ \mathrm{ま}\mathrm{た},\mathrm{平}\mathrm{行}\mathrm{線}\mathrm{の}\mathrm{錯}\mathrm{角}\mathrm{よ}\mathrm{り}& \mathrm{\angle }\mathrm{BAC}=\mathrm{\angle }\mathrm{ACD}\mathrm{で}\mathrm{あ}\mathrm{る}\mathrm{か}\mathrm{ら},\\ \\ \cos \mathrm{\angle }\mathrm{ACD}=& \frac{1}{4}\cdots \cdots \mathrm{①}\end{array}$$
$$\begin{array}{rl}\mathrm{線}\mathrm{分}\mathrm{BE}\mathrm{は},& \mathrm{\angle }\mathrm{ABC}\mathrm{の}\mathrm{二}\mathrm{等}\mathrm{分}\mathrm{線}\mathrm{だ}\mathrm{か}\mathrm{ら},\\ \\ \mathrm{AB}:\mathrm{CB}=& \mathrm{AE}:\mathrm{EC}=3:4\\ \\ & (\mathrm{点}\mathrm{E}\mathrm{は}\mathrm{辺}\mathrm{AB}\mathrm{を}3:4\mathrm{に}\mathrm{内}\mathrm{分}\mathrm{す}\mathrm{る}\mathrm{と}\mathrm{い}\mathrm{え}\mathrm{る})\end{array}$$

Lukia

ここから三角形の相似にもちこんで、辺$\mathrm{CD}$の長さを求めていきます。

$$\begin{array}{rl}\mathrm{△}\mathrm{EAB}\mathrm{と}& \mathrm{△}\mathrm{ECD}\mathrm{に}\mathrm{お}\mathrm{い}\mathrm{て},\\ \\ \mathrm{\angle }\mathrm{AEB}=& \mathrm{\angle }\mathrm{CED}\left(\mathrm{対}\mathrm{頂}\mathrm{角}\right)\\ \\ \mathrm{\angle }\mathrm{ABE}=& \mathrm{\angle }\mathrm{CDE}\left(\mathrm{平}\mathrm{行}\mathrm{線}\mathrm{の}\mathrm{錯}\mathrm{角}\right)\mathrm{よ}\mathrm{り}\\ \\ \mathrm{△}\mathrm{EAB}\sim & \mathrm{△}\mathrm{ECD}\mathrm{で}\mathrm{あ}\mathrm{り},\\ \\ \mathrm{相}\mathrm{似}\mathrm{比}\mathrm{は},& 3：4\mathrm{で}\mathrm{あ}\mathrm{る}.\\ \\ \mathrm{ゆ}\mathrm{え}\mathrm{に},\mathrm{CD}=& 8\cdots \cdots \mathrm{②}\end{array}$$
$$\begin{array}{rl}\mathrm{△}\mathrm{ACD}\mathrm{に}\mathrm{お}\mathrm{い}\mathrm{て},& \mathrm{余}\mathrm{弦}\mathrm{定}\mathrm{理}\mathrm{よ}\mathrm{り},\\ \\ \cos \mathrm{\angle }\mathrm{ACD}=& \frac{{\mathrm{AC}}^2+{\mathrm{CD}}^2-{\mathrm{AD}}^2}{2\mathrm{AC}\cdot \mathrm{CD}}\\ \\ \frac{1}{4}=& \frac{49+64-{\mathrm{AD}}^2}{2\cdot 7\cdot 8}\\ \\ {\mathrm{AD}}^2=& 85\\ \\ \mathrm{AD}=& \sqrt{85}(\mathrm{AD}>0\mathrm{よ}\mathrm{り})\end{array}$$

こたえ

$$\mathrm{AD}=\sqrt{85}$$

プロフィール

Author Profile

元・再受験生、元塾講師、元高校非常勤講師。広島育ち。
中・高国語の教員免許を取得するも、塾講師時代は英語や数学ばかり教えていた。
思うところあって大学再受験を決意。理転し、数学Ⅲ、化学、生物を独習する。国立大学へ合格するも、2018年3月に再受験生生活にピリオドを打つ。
モットーは「自分の予定はキャンセルできても、生徒の予定はキャンセルできない」と「主婦（夫）こそ理系たれ」。
広島のお好み焼きとグレープフルーツが大好き。どっちかというと左党。楽しみはひとりカラオケ。
高校で教鞭を取った経験から、現在は「現代文」と「小論文」の指導力アップを目指し、自己研鑽中。最近は趣味として高校数学を解く。