高校数学の「データの分析(定義・キャタピラー表)」に関する問題を解いてみる。(Yahoo!知恵袋より)
2019年2月12日データの分析実用数学技能検定(数学検定 数検),数検準2級

[mathjax]
29 , 20 , 21 , 30 , 24 , 19 , 25 (kg)
(1) 各値の偏差の二乗の和を求めよ。
(2) このデータの分散,標準偏差を求めよ。

Lukia
しかし、やみくもに計算すると、ちょっとしたことでつまずいたり、パニくったりするおそれもあります。
そこで、「キャタピラー方式」を考えてみましたので、その方法を提案してみます。
また、会話形式のほうがわかりやすいと思うので、高校生のペルソナ、れもんさんに登場してもらいます。
仮平均を定めてキャタピラー表を作成する。

Lukia

Lukia
\( \ 25 \ \)との距離の最大は6ということになりますね。
そこで、絶対値を用いて、仮平均と個々のデータとの差を表にしていきます。
$$絶対値\quad \quad 0\quad \quad 1\quad \quad 2\quad \quad 3\quad \quad 4\quad \quad 5\quad \quad 6$$

れもん

Lukia

Lukia
まず、\( \ 29 \ \)ですね。これは、\( \ 29-25=+4 \ \)ですので、絶対値\( \ 4 \ \)の上に正の字の一として書き込みます。

れもん
絶対値\( \ 5 \ \)の下に正の字の一を書くわけですね?

Lukia
それでは、残りの五つのデータもお願いできますか?

れもん
\( \ 21 \ \)は絶対値\( \ 4 \ \)の下に一
\( \ 30 \ \)は絶対値\( \ 5 \ \)の上に一
\( \ 24 \ \)は絶対値\( \ 1 \ \)の下に一
\( \ 19 \ \)は絶対値\( \ 6 \ \)の下に一 です。

れもん

Lukia
まぁ、プラスもマイナスもないですよね。
キャタピラーの回る方向が時計回りなので、便宜上絶対値\( \ 0 \ \)の上に一としておいてください。

れもん
じゃ、以下のような表になりますね。

Lukia
上下に同じ数あるものは、当然相殺されて\( \ 0 \ \)になりますよね?

れもん

Lukia
つまり相殺できずに残った値の和を求め、それを7で割って、仮平均に加えれば、正しい平均がわかりますね。

れもん
\( \ \frac{0+\left( -1\right)+\left( -6\right)}{7}+25=-1+25=24 \ \)

れもん

Lukia
私も、これまで、縦長の数直線を書いたりしてきたのですが、数学の問題で、縦長のスペースを見つけるのは結構難しいんですよね。
そこで、横長にして、絶対値をはさんで上下にデータを振り分けたら、簡単に計算できるようになったので、
これはいい。と。
自分の受験が終わってから気が付くんですから、おとぼけさんもいいとこですよね。(自嘲)

れもん
キャタピラー表を時計回りに動かす。

Lukia
仮平均
正しい平均

Lukia
仮平均では\( \ -1 \ \)だった\( \ 24 \ \)が\( \ 1 \ \)つ繰り上がって、\( \ 0 \ \)になります。
動くのは、\( \ 24 \ \)だけでなく、他のデータもそれぞれ一つずつ繰り上がるわけですから、
絶対値の下の値は、左にひとつずれ、
絶対値の上の値は、右にひとつずれます。

れもん

Lukia
仮平均に比べて正しい平均の値が大きい場合は、反時計回りにずらせばいいですね。

Lukia
また例題があるときに詳しくやりたいと思いますが、
絶対値の大きい方は、横に伸びると思ってください。絶対、上の値を下におろしたり、下の値を上にあげたりしちゃいけませんよ。

れもん

Lukia
仮平均との差は\( \ 6 \ \)なので、絶対値\( \ 6 \ \)の上に一書いてあるはずですね。
しかし、正しい平均が24ですから、

れもん

Lukia
だから、新たに絶対値\( \ 7 \ \)を書き、その上に一を書くことになるんですね。

れもん
絶対値が大きいほうの扱いさえ気を付ければ、簡単ですね!
キャタピラー表を用いれば偏差の二乗の和も簡単。

Lukia
$$\sum_{i=1}^{7}{\left( x_i-\overline{x}\right)^2}$$
のことです。
特に\( \ x_i \ \)は、それぞれのデータのことを指し、
\( \ i \ \)は、7人に連番を割り振ったようなものです。
\( \ \overline{x} \ \)は、平均の値のことですね。

Lukia
真ん中の絶対値を2乗して、その絶対値に位置する人数をかけて、合計すればいいだけなんです。
$$\begin{align}\sum_{i=1}^{7}{\left( x_i-\overline{x}\right)^2}=&0^2\times 1+1^2\times 1+3^2\times 1+4^2\times 1+5^2\times 2+6^2\times 1 \ =&1+9+16+50+36 \ =&112 \end{align}$$

れもん
言葉の定義を覚えるしかない。

Lukia
$$\frac{1}{n}\sum_{i=1}^{n}{\left( x_i-\overline{x}\right)^2}$$
と表せます。
$$分散は\quad \frac{112}{7}=16$$

Lukia
です。
標準偏差は常に正の値をとることを忘れないでください。
$$標準偏差は\quad \sqrt{16}=4$$
一見難しそうですが。

Lukia
たくさんの問題にあたって、言葉の定義をしっかり覚えることと、一連の操作を「息をするぐらい」無意識に機械的にできるようになっておくことが攻略のポイントだと思います。
こたえ
$$\begin{align}平均\quad &24\left( kg\right) \ 偏差の二乗の和\quad &112 \ 分散\quad &16\ 標準偏差\quad &4 \end{align}$$
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Posted by Lukia_74
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