高校数学の「二次関数の最大値・最小値」に関する問題を解いてみる。(Yahoo!知恵袋より)

2019年1月28日二次関数実用数学技能検定(数学検定 数検),数検準2級

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[mathjax]

問題
関数\( \ f\left( x\right)=x^2-2x+3 \ \)がある。 \( \ a \leq x \leq a+2 \ \) における関数\( \ f\left( x\right) \ \)の最大値を\( \ \mathrm{M}\left( a\right) \ \),最小値を\( \ m\left( a\right) \ \)とする。ただし,\( \ a \ \)は定数とする。
(1) \( \ m\left( a\right) \ \)を\( \ a \ \)で表せ。
(2) \( \ \mathrm{M}\left( a\right) \ \)を\( \ a \ \)で表せ。
(3) 関数\( \ b=m\left( a\right) \ \)および\( \ b=\mathrm{M}\left( a\right) \ \)のグラフを\( \ ab \ \)平面にそれぞれ図示せよ。

軸と定義域の位置関係から「最小値」を判断する。

Lukia_74

Lukia

\( \ y=f\left( x\right) \ \)は下に凸の放物線ですので、
定義域がなかったら、間違いなく\( \ f(1) \ \)が最小値となります。
しかし、今回の問題では、定義域が設定されているので、そう簡単にはコトは運びません。
というわけで、軸と定義域の位置関係から、最小値を導きだしてみます。
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Lukia

今回は、下の図のような3パターンに分けて考えてみます。



$$\begin{align}\left( ⅰ\right)\quad \quad a+2 \lt 1& \ すなわち\quad a \lt -1\quad のとき \\\\ m\left( a\right)=&f\left( a+2\right)\\\\ =&a^2+2a+3 \end{align}$$

$$\begin{align}\left( ⅱ\right)\quad \quad a \lt 1 \lt a+2& \ すなわち\quad -1 \lt a \lt 1\quad のとき \\\\ m\left( a\right)=&f\left( 1\right) \\\\ =&2 \end{align}$$

$$\begin{align}\left( ⅲ\right)\quad \quad 1 \lt a& \ のとき \\\\ m\left( a\right)=&f\left( a\right) \\\\ =&a^2-2a+3 \end{align}$$

「最大値」は、軸と定義域の中央との位置関係で判断しよう。

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Lukia

下に凸の放物線において、定義域が設定されている場合、
最大値は、「定義域の中央」すなわち今回は、\( \ x=a+1 \ \)と軸との位置関係で判断できるんでしたね。
軸から遠い端点が最大値を取ります。
Lukia_74

Lukia

言葉で説明しようとしてもなかなか難しいので、
定義域を三兄弟にたとえてみようと思います。
ちなみに、以下の三兄弟、なんと数式でできています。
数学のグラフ描画ソフト「GRAPES」で描きました。

「定義域」家の三兄弟(下に凸バージョン)

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Lukia

ここに、定義域家の三兄弟を想定します。
定義域家では、兄弟の並ぶ順番はいつも固定されており、左から一郎・次郎・三郎が並ぶことになっています。
三人の間は等間隔となっています。
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Lukia

また、タイトルでもことわっているように、
下に凸の放物線の場合で示します。
わかりやすいように、三兄弟の口が下に凸となっていますね。

一郎・次郎 軸 三郎

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Lukia

軸は、三兄弟の間を自由に行き来できるようになっています。
まず、軸によって、一郎・次郎の2人と、三郎のひとりに分けられたとします。
次郎が常に軸に近いところにいるのは、いうまでもないと思いますが、
軸と一郎、または軸と三郎で比べると、一郎のほうが次郎がいるぶん、軸との距離がありますよね。
というわけで、最大値を取るのは「一郎」ということになります。
♪

れもん

ちなみに、最小値は、軸となりますね。
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Lukia

あっ、れもんさんが出てきてくれたので、
私は、最大値のことだけ言えばいいことになりますね。
それでは、次に進みます。

一郎 軸 次郎・三郎

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Lukia

今度は、軸が一郎と次郎の間にある場合を考えます。
すると、軸と一郎との距離に比べて、軸と三郎の距離のほうが遠くなっていますね。だって、三郎からすれば、軸の前に次郎がいますからね。
というわけで、最大値をとるのは、「三郎」ということになります。
♪

れもん

この場合の最小値も、軸でとることになります。
定義域家の三兄弟の間に軸が存在する間は、軸(すなわち頂点)が最小値をとりますね。

軸=次郎

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Lukia

これまでは、次郎が軸によって、ほかの兄弟と2対1に分けられるパターンを示してきましたが、軸は、定義域家の中を自由に移動できるならば、次郎が軸とぴったりかさなる場合だって想定できるはずです。
もともと、一郎と次郎、または三郎と次郎の間は等間隔なのですが、軸が次郎と重なったことで、軸と一郎、軸と三郎の距離も等間隔になってしまいました。
Lukia_74

Lukia

ゆえに最大値は、「一郎と三郎の両方」がとることができます。
♪

れもん

最小値は、軸でとりますが、もうひとつ付け加えると、「次郎」もとることができますね。
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Lukia

こうしてみると、軸によって、次郎が他のきょうだいと2対1にわけられるとき、次郎がいる方のきょうだいが、最大値をとるといえますね。

軸 三兄弟

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Lukia

軸は、定義域家の三兄弟の間を動くだけでなく、三兄弟をひとまとめにして、その左または右に存在することもできます。

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Lukia

これまでは、次郎が軸に最も近い状態でしたが、
今回は、一郎が最も軸に近いですね。
三兄弟は等間隔に並んでいるのですから、軸から最も遠い位置にいるのは、「三郎」ということになります。
ゆえに最大値をとるのは、「三郎」ということになります。
♪

れもん

軸が、定義域からはずれてしまいましたので、
最小値は、軸にもっとも近い「一郎」がとることになります。

三兄弟 軸

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Lukia

もうパターンがつかめたと思いますが、確認がてら、
三兄弟の右側に軸がある。というパターンもやっておきましょう。

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Lukia

今度は、軸に最も近いの三郎となり、軸から最も離れているのが一郎ということになりました。
というわけで、最大値をとるのは、「一郎」ということになります。
♪

れもん

ということは、最小値は、軸にもっとも近い「三郎」がとることになりますね。

問題に戻って。



$$\begin{align}a+1 \leq 1\quad & \ すなわち \ a \leq 0\quad のとき \\\\ \mathrm{M}\left( a\right)=&f\left( a\right)=a^2-2a+3 \end{align}$$



$$\begin{align}a+1 \geq 1\quad & \ すなわち \ a \geq 0 \ のとき \\\\ \mathrm{M}\left( a\right)=&f\left( a+2\right)\\\\ =&a^2+2a+3 \end{align}$$
(3)
$$m\left( a\right)\quad のグラフは以下のとおり。$$

$$\mathrm{M}\left( a\right)\quad のグラフは以下のとおり。$$



 

プロフィール

Author Profile
Lukia_74

元・再受験生、元塾講師、元高校非常勤講師。広島育ち。
中・高国語の教員免許を取得するも、塾講師時代は英語や数学ばかり教えていた。
思うところあって大学再受験を決意。理転し、数学Ⅲ、化学、生物を独習する。国立大学へ合格するも、2018年3月に再受験生生活にピリオドを打つ。
モットーは「自分の予定はキャンセルできても、生徒の予定はキャンセルできない」と「主婦(夫)こそ理系たれ」。
広島のお好み焼きとグレープフルーツが大好き。どっちかというと左党。楽しみはひとりカラオケ。
高校で教鞭を取った経験から、現在は「現代文」と「小論文」の指導力アップを目指し、自己研鑽中。最近は趣味として高校数学を解く。

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Posted by Lukia_74