中学数学の2種類の濃度の食塩水を混ぜる問題(その9)

2018年6月29日食塩水の濃度実用数学技能検定(数学検定 数検),数検3級

読了時間: 約552

[mathjax]

Left Caption

Lukia

2種類の濃度の食塩水を混ぜ合わせる問題も、一応今回が最後となります。
次回からはまた別のパターンの問題を解いていきます。
仕上げがてら、問題を解いてみてくださいね。
それでは、さっそく問題を載せてみます。
いったんスクロールの手を止めて、解いてみてください。

問題



Right Caption

もも

問題文を読んでみると、6行目に「また、」とありますから、ふたつに分けられそうですね。
ということは、まず、前半となる5行目までの表を描いてみようかな。

問題文前半(5行目まで)

表に書き込む。

Right Caption

もも

横長の線を3本と、その線を4等分するように縦の線を3本引いていきます。
Left Caption

Lukia

ももちゃんは、以下のような表を描いています。

Right Caption

もも

では、前半を見ながら、表に数字を書き込んでいこう。

Right Caption

もも

今回、食塩水にはA、Bと名前がついているんですね。
では、表だと左から2番目の列を食塩水Aとして、
左から3番目の列を食塩水Bとします。
Right Caption

もも

あれっ、今回は、①と③は埋まらないんですね。
Left Caption

Lukia

そうですね。問題文後半の最後の2行を読んでもらえばわかりますが、
食塩水Aと食塩水Bのそれぞれの濃度を求める問題なので、
①と③には具体的な数があてられてないんですね。
Right Caption

もも

ふ~ん。そうかぁ。
じゃ、Aを \(\Large x\) 、Bを \(\Large y\) としてもいいですか?
Left Caption

Lukia

いいですよ。
Right Caption

もも

では、①が \(\Large x\) 、
②が \(\Large y\) となります。
あとは、わりと簡単かな。
まず、⑤は6、
②は 200、
④は 300です。
「全体の重さ」の段の「横はたし算」はここでやってしまってもかまわないので、
②+④=⑥ より、
⑥は 500 ということになります。

%を百分率に直しておく。

Right Caption

もも

百分率に直すのは簡単。
左から、 \(\Large \frac{x}{100}\) ・ \(\Large \frac{y}{100}\) ・\(\Large \frac{6}{100}\) となります。

縦はかけ算・横はたし算

Right Caption

もも

次は、縦の列だな。
「縦はかけ算」をして、表の一番下の段のマスをうめていきます。
食塩水Aの列は、\(\Large \frac{x}{100}\times 200\) 、
食塩水Bの列は、\(\Large \frac{y}{100}\times 300\) 、
さらに6%の食塩水は、\(\Large \frac{6}{100}\times 500\) となります。

一番下の段の「たし算」をする。

Right Caption

もも

表の一番下の段のマスがすべてうまったので、
あとは、「横はたし算」をして、式を立てていきます。
式は、
\(\Large \frac{x}{100}\times 200+\frac{y}{100}\times 300=\frac{6}{100}\times 500\) となります。
Right Caption

もも

前半はわりと簡単だったな~。
Right Caption

もも

あれっ、Lukia先生?
なんで、いじけてるんですか?
Left Caption

Lukia

かなり前半で、ももちゃんにおいていかれまして・・・(涙)
Right Caption

もも

んもぉ~、次行きますよっ♪

問題文後半(6行目から)

Left Caption

Lukia

ブログの特性上、問題文を見るには、かなり上のほうまで戻らなければならないので、
問題文の後半部分だけを表示してみましょうね。

表に書き込む。

Left Caption

Lukia

では、再度、以下のような表を描いて、数字を書き込んでいきましょう。

Right Caption

もも

前半で、
①は 、
③は と決めましたから、それぞれ書き込んで・・・。
⑤は 7 です。
そして、②が 300 、
④が 200 ですね。
ということは、⑥は 500 ですね。
Left Caption

Lukia

表を描くことで、前半と後半の共通点やちがいなどがよくわかりますね。
それでは、次に進みましょう。

%を百分率に直しておく。

Right Caption

もも

①、③、⑤を百分率に直します。
左から、 \(\Large \frac{x}{100}\) ・ \(\Large \frac{y}{100}\) ・ \(\Large \frac{7}{100}\) となりますね。

縦はかけ算・横はたし算

Right Caption

もも

前半の表と同じく、「縦はかけ算」をして、
表の一番下の段のマスを埋めていきます。
Left Caption

Lukia

左から、\(\Large \frac{x}{100}\times 300 ・ \frac{y}{100}\times 200 ・ \frac{7}{100}\times 500\) となりますっ♪
Right Caption

もも

大人げないなぁ、もぉ・・・。

一番下の段の「たし算」をする。

Left Caption

Lukia

あとは、「横はたし算」をすることで、式を立てられますね。
Right Caption

もも

言っていいんですか?
Left Caption

Lukia

はい。さっきので、満足しましたから。
Right Caption

もも

そうなんだ・・・。
では、後半部分の式は、
\(\Large \frac{x}{100}\times 300+\frac{y}{100}\times 200=\frac{7}{100}\times 500\) となります。

連立方程式を解く。

Left Caption

Lukia

この問題では、食塩水Aと食塩水Bの濃度がわからないため、
それぞれ、\(\Large x\) ・ \(\Large y\) とおきました。
おいた文字の数だけ、式を立てる必要がありますから、前半と後半にわけて表を描き、ふたつの式を立てたわけですね。
Right Caption

もも

そうでした。
Left Caption

Lukia

前半の式を①、
後半の式を②とすると、
以下のようになりますね。

Left Caption

Lukia

どちらの式にも、両辺に分母の100があり、
分子にも100があることになりますから、
式はもっと簡単な形になりますね。

Left Caption

Lukia

ふたつの式そのものは、たし算をすると考えてください。
つまり、式①+式②という操作をおこないます。
Right Caption

もも

はい。
Left Caption

Lukia

小学校で筆算をやったと思いますが、
ぱっと見、筆算してみるとどうですか?
Right Caption

もも

\(\Large 5x+5y=13\times 5\) になります。
Left Caption

Lukia

高校数学ならば、この式も解けるようになるのですが、
中学数学レベルでは解けません。
というわけで、それぞれを求めるために、まずは\(\Large x\) か \(\Large y\) のどちらかを消したいのですが、
ももちゃん、どっちがいいですか?
Right Caption

もも

まぁ、\(\Large y\) ですかねぇ。
Left Caption

Lukia

わかりました。
では、式①と式②の を見てもらうと、
それぞれ、\(\Large 3y\) と \(\Large 2y\) となっていますね。
最小公倍数はいくつですか?
Right Caption

もも

\(\Large 6y\) です。
Left Caption

Lukia

はい。それでは、その最小公倍数になるためには、
式①と、式②には、それぞれいくつをかけたらいいですか?
Right Caption

もも

ええっと・・・
式①は、\(\Large 3y\) だったから、
\(\Large 6y\) になるためには、\(\Large 2\) をかけなくてはいけませんね。
Left Caption

Lukia

そうですね。では、式②のほうは?
Right Caption

もも

ええっと・・・
\(\Large 2y\) でしたから、
\(\Large 6y\) になるためには、\(\Large 3\) をかけます。
Left Caption

Lukia

そうですね。
そして、それぞれの式をもう一度見てほしいのですが、
\(\Large y\) の項は、どちらも+(プラス)でつながれているんですよね。
Right Caption

もも

ふむふむ。
Left Caption

Lukia

ふたつの式そのものはたし算をするのですが、
今回、\(\Large y\) は「プラス」でつながれているので、
「消える」すなわち、「0(ゼロ)」になりませんでした。
Right Caption

もも

でも、\(\Large y\) を消したいんだから、
片方が「マイナス」だったらいいのになぁ・・・。
Left Caption

Lukia

おろっ!ももちゃん、いいこといいますね!
そうです、片方を「マイナス〇(〇は数字)」にしてかければいいんです。
Right Caption

もも

そうなんですね!
じゃ、②の式に \(\Large 3\) をかけるんだったけど、
\(\Large -3\) にしてかけてみようかな。
Left Caption

Lukia

ということは、
①×2+②×(-3)となりますね。

Left Caption

Lukia

それぞれ展開して、筆算の形にしてみましょう。

Left Caption

Lukia

\(\Large x=9\) を式①または式②に代入して \(\Large y\) を求めます。
今回は、式①に代入しましょうか。

Left Caption

Lukia

以上より、\(\Large x=9\) 、\(\Large y=4\) とわかりましたので、
食塩水Aの濃度は、9%
食塩水Bの濃度は、4%とわかりました。

 

おわりに

連立方程式の解き方を少していねいにやったので、文字数も3500字近くになってしまいました。
読むのが大変だったかもしれませんね。

さて、一応今回で、「2種類の濃度の食塩水を混ぜ合わせる」問題は終了となります。
また、おもしろそうな問題があれば、その10があるかもしれません。

それでは、再度、問題と答えを載せておわりにしましょう。



 

プロフィール

Author Profile
Lukia_74

元・再受験生、元塾講師、元高校非常勤講師。広島育ち。
中・高国語の教員免許を取得するも、塾講師時代は英語や数学ばかり教えていた。
思うところあって大学再受験を決意。理転し、数学Ⅲ、化学、生物を独習する。国立大学へ合格するも、2018年3月に再受験生生活にピリオドを打つ。
モットーは「自分の予定はキャンセルできても、生徒の予定はキャンセルできない」と「主婦(夫)こそ理系たれ」。
広島のお好み焼きとグレープフルーツが大好き。どっちかというと左党。楽しみはひとりカラオケ。
高校で教鞭を取った経験から、現在は「現代文」と「小論文」の指導力アップを目指し、自己研鑽中。最近は趣味として高校数学を解く。

カテゴリー

2018年6月29日食塩水の濃度実用数学技能検定(数学検定 数検),数検3級

Posted by Lukia_74