中学数学の食塩水に「水」を混ぜる問題(その3)

2018年7月6日食塩水の濃度実用数学技能検定(数学検定 数検),数検3級

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Lukia

さぁ、早くも「食塩水に『水』を混ぜ合わせる問題」も最終回となってしまいました。
さっそく以下の問題を解いてみましょう。
解けたら、スクロールして、答え合わせをしてみてくださいね。
[mathjax]
問題
質量パーセント濃度が20%の食塩水に80gの水を加えたら、濃度が12%になった。
はじめの食塩水に溶けていた食塩の重さは何gか。

表に書き込む。

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もも

表を描くのはいつもどおりですね。
横長の線を3本と、それを4等分できるように、
縦の線を3本引きます。
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Lukia

ももちゃんは、以下のような表を描いています。

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もも

次に表の中に、数字や文字を書き込んでいきます。
まず、①は20、
②が80・・・
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もも

いや、「80gの水を加えた」とあるから、
④が80 になるんだ!
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Lukia

おっ、よく読めましたね。
ということは、③は、何ですか?
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もも

③は、水が「0%食塩水」であることから、
0 が入ります。
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もも

ということは、②をひとまず \(\Large x\) としておいてもいいですか?
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Lukia

そうですね。
ということは、全体の重さの段は、「横はたし算」をしますから、
②+④=⑥となり、
⑥は、\(\Large x+80\) となりますね。
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もも

では、できあがりの食塩水の濃度が12%ということなので、
⑤が12となります。

%を百分率に直しておく。

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Lukia

①から⑥がうまったので、まずは%を百分率に直してください。
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もも

はい。
左から、
\(\Large \frac{20}{100}\) ・ \(\Large \frac{0}{100}\) ・ \(\Large \frac{12}{100}\) です。

縦はかけ算・横はたし算

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Lukia

では、それぞれの縦の列について、「縦はかけ算」をして、
表の一番下の段のマスをうめていきましょう。
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もも

20%の食塩水の列は、
\(\Large \frac{20}{100}\times x\) となります。
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Lukia

ちなみに、今回求めるのは、何ですか?
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もも

ええっと・・・
あっ、「はじめ20%の食塩水に溶けていた食塩の重さ」です。
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Lukia

ということは、全体の重さ \(\Large x\) を求めるだけではダメ。ということですね。
求める食塩の重さを \(\Large y\) とおくと、
20%の食塩水の列は、別の表現ができますね。
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もも

別の表現・・・
20%の食塩水の列の一番下のマスは、
\(\Large \frac{20}{100}\times x\) でもあり、
\(\Large y\) でもあるから・・・
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もも

あっ!
\(\Large y=\frac{20}{100}\times x\) だ!
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Lukia

御明察です♪
これが後で効いてきますよ~。
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もも

へ~。じゃ、次に進んで、
水、つまり、「0%食塩水」の列は、
\(\Large \frac{0}{100}\times 80\) となるので、
一番下の段のマスには、\(\Large 0\) を書き込みます。
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もも

12%の食塩水の列は、
\(\Large \frac{12}{100}\times \left( x+80\right)\) となります。

一番下の段の「たし算」をする。

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Lukia

今回も順調ですね。
それでは、一番下の段の「横はたし算」をして、式を立ててください。
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もも

はい。
式は、 \(\Large \frac{20}{100}\times x+0=\frac{12}{100}\times \left( x+80\right)\)
すなわち、
\(\Large \frac{20}{100}\times x=\frac{12}{100}\times \left( x+80\right)\) となります。
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Lukia

そうですね。それでは、計算については、ふきだしからはずして行うことにしましょう。

$$\Large \frac{20}{100}\times x=\frac{12}{100}\times \left( x+80\right) ・・・①$$
$$\Large y=\frac{20}{100}\times x ・・・②$$
式①の両辺の分母の100をはらって、
$$\Large 20x=12\left( x+80\right)$$
$$\Large \left( 20-12\right)x=12\times 80$$
両辺を8でわって、
$$\Large x=12\times 10$$
この値を式②に代入して、
$$\Large y=\frac{20}{100}\times 120$$
$$\Large y=24$$

こんなやり方もあります。

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Lukia

せっかく、②の式も立てたのですから、先にこれを変形して、
①に代入することもできますね。
その計算方法も示してみます。

$$\Large \frac{20}{100}\times x=\frac{12}{100}\times \left( x+80\right) ・・・①$$
$$\Large y=\frac{20}{100}\times x ・・・②$$

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Lukia

式②の両辺に逆数、すなわち、
\(\Large \frac{100}{20}\) をかけます。

$$\Large \frac{100}{20}\times y=\frac{100}{20}\times \frac{20}{100}x$$
$$\Large x=5y$$
これを式①に代入します。
$$\Large \frac{20}{100}\times 5y=\frac{12}{100}\times \left( 5y+80\right) $$
両辺の分母の100をはらって、
$$\Large 20\times 5y=12\left( 5y+80\right)$$
$$\Large \left( 20-12\right)\times 5y=12\times 80$$
両辺を40でわって、
$$\Large y=24$$

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もも

なるほど、①の式を計算しておいてから、②の式に代入してもいいし、
②の式を先に変形してから、①の式に代入してもいいんですね。
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Lukia

そうです。
というわけで、こたえは、24gとなります。

こたえ

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Lukia

今回は、ももちゃんが「縦はかけ算」をしているときに、文字 \(\Large y\) を登場させて、
最後の答えが間違わないように誘導しました。
これが自力でできたら、なかなかの実力者といえますね。

24g


 

プロフィール

Author Profile
Lukia_74

元・再受験生、元塾講師、元高校非常勤講師。広島育ち。
中・高国語の教員免許を取得するも、塾講師時代は英語や数学ばかり教えていた。
思うところあって大学再受験を決意。理転し、数学Ⅲ、化学、生物を独習する。国立大学へ合格するも、2018年3月に再受験生生活にピリオドを打つ。
モットーは「自分の予定はキャンセルできても、生徒の予定はキャンセルできない」と「主婦(夫)こそ理系たれ」。
広島のお好み焼きとグレープフルーツが大好き。どっちかというと左党。楽しみはひとりカラオケ。
高校で教鞭を取った経験から、現在は「現代文」と「小論文」の指導力アップを目指し、自己研鑽中。最近は趣味として高校数学を解く。

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Posted by Lukia_74