三角関数の値の大小関係(その2)【大学入学共通テスト2023年数学ⅡB】
連立方程式を解いて、\( \ \alpha \ , \ \beta \ \) を明らかにする。
\( \ \begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} \alpha + \beta = 4x \\ \alpha – \beta = 3x \end{array} \right. \end{eqnarray} \ \)
\( \ \begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} \alpha = \displaystyle\frac{7}{2}x \\ \beta = \displaystyle\frac{1}{2}x \end{array} \right. \end{eqnarray} \ \)
これより、③は
\( \ \sin 4x-\sin 3x=2\cos \displaystyle\frac{7}{2}x\sin \displaystyle\frac{1}{2}x \ \) と表せる。
よって、
$$\begin{align}\sin 4x-\sin 3x=2\cos \frac{7}{2}x\sin \frac{1}{2}x \gt &0 \\\\ \\\\ \cos {\color{#0004fc}{\frac{7}{2}x}} \gt 0&{\rm{かつ}} \ \sin {\color{#0004fc}{\frac{1}{2}}} {\color{#0004fc}{x}}\gt 0 \ \cdots \ {\rm{④}} \\\\ または\quad \quad \quad \quad &\\\\ \cos {\color{#0004fc}{\frac{7}{2}x}} \lt 0&{\rm{かつ}} \ \sin {\color{#0004fc}{\frac{1}{2}x}} \lt 0 \ \cdots \ \rm{⑤}\end{align}$$ $$\begin{align}0 \leqq &x \leqq \pi \\\\ 0 \leqq &\frac{1}{2}x \leqq \frac{ \pi }{ 2} \\\\ 0 \leqq &\sin \frac{1}{2}x \leqq 1 \end{align}$$
$$\begin{align}0 \leqq &x \leqq \pi \\\\ 0 \leqq &\frac{7}{2}x \leqq \frac{7}{2}\pi \\\\ -1 \leqq &\cos \frac{7}{2}x \leqq 1 \end{align}$$
ここで④を満たすのは、
\( \ 0 \leqq \displaystyle\frac{1}{2}x \leqq \displaystyle\frac{ \pi }{ 2 } \ \) すなわち、 \( \ 0 \leqq x \leqq \pi \ \)
かつ
\( \ 0 \leqq \displaystyle\frac{7}{2}x \leqq \displaystyle\frac{ \pi }{ 2 } \ \) すなわち、 \( \ 0 \leqq x \leqq \displaystyle\frac{ \pi }{ 7 } \ \)
または、
\( \ \displaystyle\frac{3}{2}\pi \leqq \displaystyle\frac{7}{2}x \leqq \displaystyle\frac{5}{2}\pi \ \) すなわち、 \( \ \displaystyle\frac{3}{7}\pi \leqq x \leqq \displaystyle\frac{5}{7}\pi \ \) のとき。
整理して、
\( \ 0 \lt x \lt \displaystyle\frac{ \pi }{7} \ , \ \displaystyle\frac{3}{7}\pi \lt x \lt \displaystyle\frac{5}{7}\pi \ \)
⑤については、\( \ 0 \leqq x \leqq \pi \ \) のとき、\( \ \sin \displaystyle\frac{1}{2}x \lt 0 \ \) は満たさないので、不適。
以上より、
\( \ 0 \lt x \lt \displaystyle\frac{ \pi }{ {\color{#0004fc}{7}} } \ , \ \displaystyle{\color{#0004fc}{\frac{3}{7}}}\pi \lt x \lt \displaystyle{\color{#0004fc}{\frac{5}{7}}}\pi \ \)
\( \ \alpha \ \)と\( \ \beta \ \)の連立方程式を解けば、以降なんとか解けるようにしてありますね。
大学入試センター試験にしてもそうですが、
大学入学共通テストは、これまで学んできた、算数・数学の知識をフル活用させるつくりになっていますので、困ったら、簡単な表現にできないかを考えてみてください。
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