2019年大学入試センター試験 数学1A「第2問 データの分析(データの変換)」を解いてみる。

データの分析数学, 数学検定, 数検準2級

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(3) 一般に\( \ n \ \)個の数値\( \ x_1 \ , \ x_2 \ , \ \cdots \ , \ x_n \ \)からなるデータ\( \ X \ \)の平均値を\( \ \overline{x} \ \),分散を\( \ s^2 \ \),標準偏差を\( \ s \ \)とする。各\( \ x_i \ \)に対して

\( \ x_i’=\frac{x_i-\overline{x}}{s} \ \)
と変換した\( \ x_1′ \ , \ x_2′ \ , \ \cdots \ , \ x_n’ \ \)をデータ\( \ X’ \ \)とする。ただし,\( \ n \geqq 2 \ , \ s \gt 0 \ \)として以下の問いに答えよ。

$$\begin{align}・\quad X&の偏差x_1-\overline{x} \ , \ x_2-\overline{x} \ , \ \cdots \ , \ x_n-\overline{x} \ , \ の平均値は\\\\ & \ \color{#0004fc}{テ}\quad である。 \\\\・\quad X’&の平均値は \ \color{#0004fc}{ト}\quad である。 \\\\ ・\quad X’&の標準偏差は \ \color{#0004fc}{ナ}\quad である。 \end{align}$$

準備

$$\begin{align}平均\quad \quad \overline{x}=&\frac{1}{n}\sum_{i=1}^{n}{x_i} \\\\ 分散\quad \quad s^2=&\frac{1}{n}\sum_{i=1}^{n}{\left( x_i-\overline{x}\right)^2} \end{align}$$

Xの偏差の平均値を求める。(テ)

$$\begin{align}\frac{1}{n}\sum_{i=1}^{n}{\left( x_i-\overline{x}\right)}=&\frac{1}{n}\sum_{i=1}^{n}{x_i}-\frac{n\overline{x}}{n} \\ =&\overline{x}-\overline{x}=\color{#0004fc}{0} \end{align}$$

X’の平均値を求める。(ト)

$$\begin{align}\overline{X’}=&\frac{1}{n}\sum_{i=1}^{n}{x_i’} \\ =&\frac{1}{n}\sum_{i=1}^{n}{\sqrt{\frac{\left( x_i-\overline{x}\right)^2}{s^2}}} \\ =&\frac{1}{s}\cdot \frac{1}{n}\sum_{i=1}^{n}{\left( x_i-\overline{x}\right)}=\frac{1}{s}\cdot 0=\color{#0004fc}{0} \end{align}$$

X’の標準偏差を求める。(ナ)

$$\begin{align}X’の分散を&s’^2とし, \\ X’の標準偏差を&s’とする。 \end{align}$$
$$\begin{align}s’^2=&\frac{1}{n}\sum_{i=1}^{n}{\left( x_i’-\overline{X’}\right)^2} \\ ここで&\overline{X’}=0より \\ 与式=&\frac{1}{n}\sum_{i=1}^{n}{x_i’^2}\\ =&\frac{1}{n}\sum_{i=1}^{n}{\frac{\left( x_i-\overline{x}\right)^2}{s^2}}\\ ここで&\frac{1}{n}\sum_{i=1}^{n}{\left( x_i-\overline{x}\right)^2}=s^2\quad より\\ 与式=&\frac{s^2}{s^2}=1\\ s’ \gt 0\quad より\\ s’=&\color{#0004fc}{1} \end{align}$$

ここからは参考程度に。(ニ)

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最後の問題は、説明としては不正確かもしれません。
それでも参考程度にはなるから読んでみよう。という方のみ、読み進めてください。また、こたえ自体は正しいものを載せていますので、御安心を。

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図4で示されたモンシロチョウの初見日のデータ\( \ M \ \)とツバメの初見日のデータ\( \ T \ \)について上の変換を行ったデータを\( \ M’ \ , \ T’ \ \)とする。
次の「ニ」に当てはまる図を、図5の⓪~③のうちから一つ選べ。変換後のモンシロチョウの初見日のデータ\( \ M’ \ \)と変換後のツバメの初見日のデータ\( \ T’ \ \)の散布図は,\( \ M’ \ \)と\( \ T’ \ \)の標準偏差の値を考慮すると\( \ \color{#0004fc}{ニ} \ \)である。

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データ\( \ x_i \ \)を\( \ x_i’ \ \)に変換して、
「あれこれいじり」ましたが、標準偏差が\( \ 1 \ \)とかなり小さい値に落ち着いたので、散布図のばらつきにさほど変化はなさそうです。
というわけで、図4に近い散布図⓪か、散布図②にしぼられます。
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図3の箱ひげ図を見ると、第二四分位数がモンシロチョウもツバメも90日を超えています。

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この第二四分位数を図5の0とみなすと、モンシロチョウの軸では右方向にスライドし、同様にツバメの軸も上方向にスライドします。
つまり、散布図全体としては、右上に移動することになります。
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そして、最後に、標準偏差が小さかったので、原点を通り、傾き\( \ 1 \ \)の直線上に存在する点の数も変わらないと考えられます。実際に線を引いてみると、線の付近に「少なくとも」4点が存在していることがわかります。
ゆえに、以上の考えに合致する散布図は、となります。

過去問にあたって、傾向をつかんでおきましょう。

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当記事で取り扱ったような、データを変換して、それが元のデータと、どこが違って、どこが同じか。というのを考えさせるような問題は、大学入試センター試験が大好きな問題のひとつです。
問題のページ数は相当ありますが、大問2の一部に過ぎないので、そんなに時間をかける余裕はないと思います。ゆえに、できれば早くから過去問に触れて、どういう傾向かとか、データを変換することによって、変わるもの、変わらないものを覚えてしまうのもよいと思います。
センター試験の過去問以外には、模試の過去問集などにも実践的な問題がありますので、とにかく数多く当たって、時短のポイントを探っておきましょう。

2019年大学入試センター試験の数学の問題の一覧です。

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