高校数学の「tanθがらみの三角方程式」に関する問題を解いてみる。(Yahoo!知恵袋より)
読了時間: 約4分26秒
[mathjax]
問題
\(0 \leq \theta \leq \pi\)のとき
\(2\sin \theta=\sqrt{3}\tan \theta\)をみたす\(\theta\)の値を全て求めよ。
\(2\sin \theta=\sqrt{3}\tan \theta\)をみたす\(\theta\)の値を全て求めよ。
tanθを変形する。
$$\begin{align}2\sin \theta=&\sqrt{3}\tan \theta \\\\ =&\sqrt{3}\frac{\sin \theta}{\cos \theta} \\\\ここで&\quad \cos \theta \neq 0\quad ,すなわち\theta \neq \frac{ \pi }{ 2 } \ と仮定する.\end{align}$$
分数や、両辺に同じ文字をみつけると、ついついかけたり、わったりして「はらって(消去して)」しまいたくなりますが、0でないことを確かめずにやってしまってはいけません。
今回の場合、「範囲に\(\frac{ \pi }{ 2 }\)は含まれていますが、それははずして考えてみますよ。」と
ことわっておきます。
もしも答えに\(\frac{ \pi }{ 2 }\)が含まれていなければ、特に何もすることはありませんが、
もしも含まれていた場合は、仮定に反することになるので、答えから外す必要があることになりますね。
今回の場合、「範囲に\(\frac{ \pi }{ 2 }\)は含まれていますが、それははずして考えてみますよ。」と
ことわっておきます。
もしも答えに\(\frac{ \pi }{ 2 }\)が含まれていなければ、特に何もすることはありませんが、
もしも含まれていた場合は、仮定に反することになるので、答えから外す必要があることになりますね。
三角方程式を解く。
$$\begin{align}2\sin \theta\cos \theta=&\sqrt{3}\sin \theta \\\\ \sin \theta\left( 2\cos \theta-\sqrt{3}\right)=&0 \\\\ \sin \theta=0 \ , \ または&\cos \theta=\frac{\sqrt{3}}{2} \ \\\\ ゆえに, \ \theta=&0 \ , \pi \ , \ \frac{ \pi }{ 6 } \end{align}$$
(ちょっと脱線)tan π/2はいくら?
\(\tan \theta=\frac{\sin \theta}{\cos \theta}\)と変形できるところから、\(\tan \frac{ \pi }{ 2 }\)のことを考えてみましょう。
たしかに。\(\frac{ \pi }{ 2 }\)や\({\frac{ 3 }{ 2 }}\pi\)のとき、具体的な値がありませんね。
\(\sin \theta\)の\(\theta\)が\(0\)からだんだん大きくなって、\(\frac{ \pi }{ 2 }\)となるとき、値はどうなりますか?
\(0\)から\(1\)まで増加していきます。
じゃ、\(\frac{ \pi }{ 2 }\)すなわち、\(90^{\circ}\)にかぎりなく近い、
たとえば、\(89.999999^{\circ}\)だったら、値はどのぐらいでしょう。
たとえば、\(89.999999^{\circ}\)だったら、値はどのぐらいでしょう。
う~ん、正確な値はだせないけど、ほぼ\(1\)に近いんじゃないですかね。
よくわかんないけど、\(0.99999999999\cdots\)みたいな。
よくわかんないけど、\(0.99999999999\cdots\)みたいな。
でしょうねぇ~。
「でしょうねぇ~。」ってそんだけ?
まったく、適当だなぁ。
まったく、適当だなぁ。
ふふふ。すみません。
では、今度は\(\cos \theta\)について考えてみます。
今度はちょっと表現を変えて質問してみますね。
\(\theta\)が、\(0\)からだんだん大きくなって、\(\frac{ \pi }{ 2 }\)にかぎりなく近づくとき、\(\cos \theta\)の値はどうなりますか?
では、今度は\(\cos \theta\)について考えてみます。
今度はちょっと表現を変えて質問してみますね。
\(\theta\)が、\(0\)からだんだん大きくなって、\(\frac{ \pi }{ 2 }\)にかぎりなく近づくとき、\(\cos \theta\)の値はどうなりますか?
「かぎりなく近づく」かぁ。
「\(\frac{ \pi }{ 2 }\)になる」なら、\(1\)から\(0\)まで減少する。といえるけど、
さっきの\(89.999999\cdots^{\circ}\)みたいなのを考えると、もう、\(0\)ですッ!って言いきってしまいたいぐらいのちっちゃい値になるんじゃないですかねぇ。
「\(\frac{ \pi }{ 2 }\)になる」なら、\(1\)から\(0\)まで減少する。といえるけど、
さっきの\(89.999999\cdots^{\circ}\)みたいなのを考えると、もう、\(0\)ですッ!って言いきってしまいたいぐらいのちっちゃい値になるんじゃないですかねぇ。
たとえば?
\(0.0000000000001\)みたいな。
では、あらためて\(\tan 89.999999^{\circ}\)がどのぐらいか計算してみませんか?
ええっ、でも具体的な数値がわからないんですよ?
これまでに出したあの適当な数値でやってみましょう。
いい加減な値ですが、それでいてある意味正確ですから。
いい加減な値ですが、それでいてある意味正確ですから。
ということは・・・
\(\frac{0.99999999999}{0.0000000000001}\)を計算するんですか?
\(\frac{0.99999999999}{0.0000000000001}\)を計算するんですか?
ま、さすがに計算機に打ち込むだけでも大変なので、
\(0.99999999999 \sim 1\)として、
\(\frac{1}{0.0000000000001}\)を計算してみてください。
\(0.99999999999 \sim 1\)として、
\(\frac{1}{0.0000000000001}\)を計算してみてください。
\(10000000000000\)となりました。
ええっ、10兆?
いや、10兆じゃないのかもしれないけど、もはや数えたくない・・・。
ええっ、10兆?
いや、10兆じゃないのかもしれないけど、もはや数えたくない・・・。
\(\tan 60^{\circ}=\sqrt{3} \sim 1.7\)なんてかわいいもんですよね。
つまり、\(90^{\circ}\)に近づくにつれ、分母は限りなく\(1\)に近く、分母は、限りなく\(0\)に近づくため、タンジェント自体の具体的な数値が出せなくなるんですね。
つまり、\(90^{\circ}\)に近づくにつれ、分母は限りなく\(1\)に近く、分母は、限りなく\(0\)に近づくため、タンジェント自体の具体的な数値が出せなくなるんですね。
なるほど。
タンジェントのグラフが上下につきぬけた形になるのはそういうことなんですね。
タンジェントのグラフが上下につきぬけた形になるのはそういうことなんですね。
私もまだまだ勉強不足なので、ちゃんとした理屈は言えませんが、
「分母が\(0\)そのものになる」ことは想定されませんよね。
\(\frac{1}{3}\)が1つのホールケーキを3人で分ける。という意味とするなら、
\(\frac{1}{0}\)は、1つのホールケーキを0人で分ける。つまり、分けない。ってことですからねぇ。
「分母が\(0\)そのものになる」ことは想定されませんよね。
\(\frac{1}{3}\)が1つのホールケーキを3人で分ける。という意味とするなら、
\(\frac{1}{0}\)は、1つのホールケーキを0人で分ける。つまり、分けない。ってことですからねぇ。
分けないんなら、分数にする意味もないですね。
まぁ、さっきの適当な数値で計算してもわかるとおり、
急激に増加して、もはや正確な数字がわからないほどの莫大な値となってしまうので、グラフ自体はつきぬけていき、
分母がゼロになったとたん、分数自体が定義できない。ということになるわけですね。
ゆえに、\(\tan \frac{ \pi }{ 2 }\)は、定義なし。となります。
急激に増加して、もはや正確な数字がわからないほどの莫大な値となってしまうので、グラフ自体はつきぬけていき、
分母がゼロになったとたん、分数自体が定義できない。ということになるわけですね。
ゆえに、\(\tan \frac{ \pi }{ 2 }\)は、定義なし。となります。
こたえ
$$\theta=0 \ , \pi \ , \ \frac{ \pi }{ 6 }$$
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