高校数学の「絶対値が絡んだ積分」に関する問題を解いてみる。(Yahoo!知恵袋より)
\(f\left( x\right)=\int_{1}^{2} \vert t^2-xt \vert dt\)を最小にする\(x\)の値を求めよ。
出典:文系の数学 重要事項完全習得編 (河合塾シリーズ)
|
絶対値をはずそう。
そして、絶対値の記号もあるぞ!
\(g\left( t\right)=\vert t^2-xt \vert\) として、絶対値をはずしてもらえますか。
ていうか、\(x\)をどう扱ったらいいんだ?
\(x\)は、定数扱いなんですよ。1とか\(a\)みたいなね。
それなら、簡単だ。
$$\begin{align}g\left( t\right)=&\vert t^2-xt \vert \\\\ 1 \lt x&より、 \\\\ g\left( t\right)=&t^2-xt\quad \left(t \leq 0 \ , \ x \leq t\right)
\\\\ g\left( t\right)=&-\left( t^2-xt\right)\quad \left( 0 \lt t \lt x\right) \end{align}$$
「オレは、\(x\)と\(0\)との大小関係、ちゃ~んとわかってるぜ。」っていうアピールになりますね。
ちなみに、だいたいでいいので、グラフも描けますか?
2とxの大小関係に注意して、式を立てる。
\(1 \lt x\)という条件より、
\(1\)は、グラフの上に凸の区間に含まれていることは間違いないですね。
\(2\)と\(x\)の大小関係はわかんねぇな。
\(x \lt 2\)だったら、グラフだと下に凸の曲線の右側に含まれるよな。
今回も問題では、\(1\)の位置より、\(2\)の位置が重要なので、このぐらいアバウトでかまいません。
そして、\(2\)の位置は、①と②とありますが、それぞれわかりますか?
明らかに小さいときだな。
ぴったり重なっているときだな。
では、\(x \lt 2\)のときも考えてみましょう。
以下の図のようになりますね。
ⅰ)を解く。
$$\begin{align}ⅰ) \color{#f700ca}{t軸において、}\ & 2 \leq x \ のとき、 \\\\ f\left( x\right)=&-\int_{1}^{2} \left( t^2-xt\right) dt \\\\ =&-\left[\frac{1}{3}t^3-\frac{1}{2}xt^2\right]_{1}^{2}\\\\ =&-\lbrace \frac{1}{3}\left( 8-1\right)-\frac{1}{2}x\left( 4-1\right)\rbrace\\\\ =&-\frac{3}{2}x-\frac{7}{3}\quad \left( 2 \leq x\right) \end{align}$$
ゆえに不適となります。
ⅱ)を解く。
$$\begin{align}ⅱ)\quad \color{#f700ca}{t軸において} \\\\ &1 \lt x \lt 2 \ のとき \\\\ f\left( x\right)=&-\int_{1}^{x} \left( t^2-xt\right) dt+\int_{x}^{2} \left( t^2-xt\right) dt \end{align}$$
$$\begin{align}ここで、 \\\\ g\left( t\right)&の原関数を \\\\ \mathrm{G}\left( t\right) \ とする。 \\\\ \mathrm{G}\left( t\right)=&\frac{1}{3}t^3-\frac{1}{2}xt^2 \end{align}$$
$$\begin{align}f\left( x\right)=&-\mathrm{G}\left( x\right)+\mathrm{G}\left( 1\right)+\mathrm{G}\left( 2\right)-\mathrm{G}\left( x\right) \\\\ =&\mathrm{G}\left( 2\right)+\mathrm{G}\left( 1\right)-2\mathrm{G}\left( x\right) \\\\ =&\frac{1}{3}x^3-\frac{5}{2}x+3\quad \left( 1 \lt x \lt 2\right) \end{align}$$
$$\begin{align}f’\left( x\right)=&x^2-\frac{5}{2} \\\\ f’\left( x\right)=&0 \ となるのは \\\\ x=& \pm \frac{\sqrt{10}}{2} \end{align}$$
$$\frac{3}{2} \lt \frac{\sqrt{10}}{2} \lt 2$$
増減表は以下の通り。
$$x$$ | ・・・ | $$-\frac{\sqrt{10}}{2}$$ | ・・・ | $$1$$ | $$\frac{\sqrt{10}}{2}$$ | $$2$$ | ・・・ |
$$f’\left( x\right)$$ | $$+$$ | $$0$$ | $$-$$ | $$0$$ | $$+$$ | ||
$$f\left( x\right)$$ | ↗ | (極大値) | ↘ | (極小値) 最小値 |
↗ |
$$\begin{align}ゆえに、x=&\frac{\sqrt{10}}{2} \ のとき、最小値をとる。 \end{align}$$
こたえ
$$x=\frac{\sqrt{10}}{2}$$
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません