高校数学の「放物線と直線で作られる三角形の面積」に関する問題を解いてみる。(Yahoo!知恵袋より)
[mathjax]
ここで放物線上に点\( \ \mathrm{C} \ \left( c \ , \ \frac{1}{2}c^2\right) \ \)\( \ \left( -4 \lt c \lt 0\right) \ \)をとる.
\( \ \triangle \mathrm{ABO} \ \)と\( \ \triangle \mathrm{ABC} \ \)の面積が等しくなるときの\( \ c \ \)の値を求めよ.
タイトルに「高校数学の」とつけていますが、\( \ \triangle \mathrm{ABO} \ \)の面積を求めるのは、高校入試でもよく出題されていますので、
高校生以上は、知っている、確実に解けるという状態であってほしい問題です。
2点A,Bの座標を求めておく。
放物線と直線の交点 A , Bは
$$\begin{align}\frac{1}{2}x^2=&-x+4 \\\\ x^2+2x-8=&0 \\\\ \left( x+4\right)\left( x-2\right)=&0\\\\ x=-4 \ &, \ x=2 \end{align}$$
図より
$$\begin{align}点\mathrm{A}& \ \left( -4 \ , \ 8\right) \\\\ 点\mathrm{B}& \ \left( 2 \ , \ 2\right) \end{align}$$
いよいよ三角形の面積を求めていきます。
まずは、\( \ \triangle \mathrm{ABO} \ \)の面積がいったいいくらなのかをわかっておかなければ\( \ c \ \)に関する方程式が解けそうにありませんね。
この三角形の面積は、小学校の算数で習った公式をあてはめれば楽に求められます。
久しぶりですね。
(ももちゃんは、中学生のペルソナです)
それでは、お手伝いしてもらいましょうかね。
高校数学における作図のデフォルトは「フリーハンド」です。
しかし、この薄紫色の三角形の面積を求めるうえで、仮に「底辺は辺\( \ \mathrm{AB} \ \)だ!」と思ってしまった場合、高さはどうやって求めたらいいでしょう。
分度器の\( \ 90^{\circ} \ \)を示す直線が点\( \ \mathrm{O} \ \)を通るようにして、印をつけておいてから、
辺\( \ \mathrm{AB} \ \)の長さと、点\( \ \mathrm{O} \ \)から辺\( \ \mathrm{AB} \ \)におろした垂線の長さをはかりますかねぇ。
図がかなり正確に描かれていること。
放物線と直線は、解答者が描くような問題であっても、解答用紙にかなり正確なグラフ用紙が載っていること。
はたまた、辺\( \ \mathrm{AB} \ \)や点\( \ \mathrm{O} \ \)から引いた垂線が、かなりキリのいい長さであること。
このように、解答者に優しい至れり尽くせりの問題であればいいですが、入試問題や、高校数学レベルではそうはいきません。
たとえば、先日行われた大学入試センター試験などは、試験中に結構な図を描かせますが、定規やコンパスの持ち込みは不可です。
持ち込めば不正行為とみなされます。
ですから、高校数学では、グラフは「フリーハンド」で描き、なるべく精度を上げる練習をしておくとよいですね。
まっすぐな線が引けるとか、一定の目盛りが打てるとか。
円が描けるようにしておくのもポイントが高いと思います。精度を高めたとはいえ、「フリーハンド」で描くのですから、正確な値は計算によって求めるのが大前提となります。
つまり、図は、計算式を導きだすまでの補助的なもので、正確さは問わない、問えないと思っていたほうがいいですね。
そうです、その通りです。
この\( \ xy \ \)平面上で、確実に垂直に交わっている線があるのですが、わかりますか?
\( \ x \ \)軸と\( \ y \ \)軸かな?
図では省略していますが、それぞれの軸に平行になるように\( \ x=1, \ 2, \ 3, \ \cdots \ \)とか、\( \ y=1, \ 2, \ 3, \ \cdots \ \)のように細かく線を引くことができますね。
2つの三角形の和と考える。
ちなみに、点Qは直線の切片にあたりますから、辺\( \ \mathrm{OQ} \ \)の長さは・・・
さらに、\( \ \triangle \mathrm{ABO}=\triangle \mathrm{AOQ}+\triangle \mathrm{BOQ} \ \)とします。
\( \ \triangle \mathrm{AOQ} \ \)または、\( \ \triangle \mathrm{BOQ} \ \)の高さは、点A、点Bからそれぞれ\( \ y \ \)軸におろした垂線\( \ h_1 \ , \ h_2 \ \)にあたりますね。
点\( \ \mathrm{A’} \ \)は、\( \ \left( 0 \ , \ 8\right) \ \)です。
\( \ h_2=x_\mathrm{B}-x_{\mathrm{B’}}=2-0=2 \ \)以上、二つの三角形のそれぞれの高さが求められました。
$$\begin{align}\triangle \mathrm{ABO}=&\triangle \mathrm{AOQ}+\triangle \mathrm{BOQ} \\\\ =&\frac{1}{2}\mathrm{OQ}\cdot h_1+\frac{1}{2}\mathrm{OQ}\cdot h_2 \\\\ =&\frac{1}{2}\mathrm{OQ}\left( h_1+h_2\right) \\\\ =&\frac{1}{2}\cdot 4\left( 4+2\right)\\\\ =&12 \end{align}$$
底辺というと、両目と平行になるように引かれていることが多かったと思いますが、
視点を\( \ 90^{\circ} \ \)回転させ、さらに両側に「高さ」を広げた三角形を読み取らなければならないので、一度はやっておかないと気づけない問題かもしれませんね。
ふたつの三角形に共通しているのは?
図は、以下のようになり、ピンクで塗りつぶされた三角形の面積を求めることになりますね。
\( \ \triangle \mathrm{ABC} \ \)は、\( \ \triangle \mathrm{ACP} \ \)と\( \ \triangle \mathrm{BCP} \ \)に分割され、
それぞれの三角形の高さは、2点\( \ \mathrm{A} \ , \ \mathrm{B} \ \)から辺\( \ \mathrm{CP} \ \)に引いた垂線の長さとなりますね。
直線の式に代入して、\( \ y=-c+4 \ \)とわかるから、
\( \ \mathrm{P} \ \left( c \ , \ -c+4\right) \ \)です。
それでは、\( \ \triangle \mathrm{ABO} \ \)の面積の求め方を参考に式を立ててもらえますか?
$$\begin{align}\triangle \mathrm{ABC}=&\triangle \mathrm{ACP}+\triangle \mathrm{BCP} \\\\ =&\frac{1}{2}\mathrm{CP}\cdot h_1+\frac{1}{2}\mathrm{CP}\cdot h_2 \\\\ =&\frac{1}{2}\mathrm{CP}\left( h_1+h_2\right) \end{align}$$
辺\( \ \mathrm{CP} \ \)の長さは、\( \ y \ \)座標の差で求められるとして・・・
\( \ h_1 \ \)と\( \ h_2 \ \)は・・・
\( \ h_1 \ \)と\( \ h_2 \ \)の和は点\( \ \mathrm{A} \ \)と点\( \ \mathrm{B} \ \)の\( \ x \ \)座標の差に等しいんだから、高さは\( \ \triangle \mathrm{ABO} \ \)で求めた\(6\)のままということですね!
$$\begin{align}\triangle \mathrm{ABC}=&\triangle \mathrm{ACP}+\triangle \mathrm{BCP} \\\\ =&\frac{1}{2}\mathrm{CP}\left( h_1+h_2\right) \\\\ =&\frac{1}{2}\mathrm{CP}\left( x_\mathrm{B}-x_\mathrm{A}\right)\\\\ =&\frac{1}{2}\mathrm{CP}\cdot 6\\\\ =&3\mathrm{CP} \end{align}$$
$$\begin{align}\triangle \mathrm{ABO}=&\triangle \mathrm{ABC} \\\\ 12=&3\mathrm{CP} \\\\ 4=&y_\mathrm{P}-y_\mathrm{C} \\\\ 4=&-c+4-\frac{1}{2}c^2 \\\\ c^2+2c=&0\\\\ &c=-2 \ , \ 0\ \\\\ ただし,&-4 \lt c \lt 0\quad より\\\\ c=&-2 \end{align}$$
図から共通するものを見つけられればもっと楽に解ける。
$$\begin{align}\triangle \mathrm{ABO}=&\triangle \mathrm{ABC} \\\\ \triangle \mathrm{AOQ}+\triangle \mathrm{BOQ}=&\triangle \mathrm{ACP}+\triangle \mathrm{BCP} \\\\ \frac{1}{2}\mathrm{OQ}\left( x_\mathrm{B}-x_\mathrm{A}\right)=&\frac{1}{2}\mathrm{CP} \left( x_\mathrm{B}-x_\mathrm{A}\right)\\\\ \mathrm{OQ}=&\mathrm{CP}\\\\ y_\mathrm{Q}-y_\mathrm{O}=&y_\mathrm{P}-y_\mathrm{C}\\\\ 4=&-c+4-\frac{1}{2}c^2\\\\ \frac{1}{2}c\left( c+2\right)=&0\\\\ -4 \lt &c \lt 0\quad より\\\\ c=&-2 \end{align}$$
こたえ
$$c=-2$$
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