中学数学の2種類の濃度の食塩水を混ぜる問題(その8)
読了時間: 約7分24秒
[mathjax]
いよいよ2種類の濃度の食塩水を混ぜる問題も、ラスト2つとなりました。
今回と、次回は、少し難しい部類に入ると思います。
「表を描いて、ていねいに数字をあてはめていく」という作業がどのぐらい役に立つのか。というのを確かめてみるだけでも、十分意味がありますからね。
今回と、次回は、少し難しい部類に入ると思います。
「表を描いて、ていねいに数字をあてはめていく」という作業がどのぐらい役に立つのか。というのを確かめてみるだけでも、十分意味がありますからね。
それでは、さっそく下に問題を示します。
少しの間、スクロールの手を止めて解いてみてください。
少しの間、スクロールの手を止めて解いてみてください。
問題
容器Aには6%の食塩水が、容器Bにはある濃度の食塩水が、それぞれ400gずつ入っている。
容器Aから何gか取り出して容器Bに入れ、よくかき混ぜると14%の食塩水になった。
次に、容器Aから取り出したのと同じ重さだけ容器Bから取り出して容器Aに戻したところ、
容器Aの食塩水の濃度は9%になった。
はじめに容器Aから取り出した食塩水の重さは何gか。
容器Aから何gか取り出して容器Bに入れ、よくかき混ぜると14%の食塩水になった。
次に、容器Aから取り出したのと同じ重さだけ容器Bから取り出して容器Aに戻したところ、
容器Aの食塩水の濃度は9%になった。
はじめに容器Aから取り出した食塩水の重さは何gか。
細かく分ける。
う~わっ、数学なのに、問題文が長いですねぇ。
そうですねぇ。食塩水の問題を解き始めたころだったら、「見なかったことにしよう・・・」と思ってしまいそうですが、よくよく見てみると、これまでに扱った問題と似ているところがありますよね。
ひとまず、問題文を小分けにしてみようかな。
読んでいくと、混ぜ合わせるという操作を2回やっていますよね。
ということは、前半は「次に」の前までで、
「次に」以降は後半。としてよさそうですね。
読んでいくと、混ぜ合わせるという操作を2回やっていますよね。
ということは、前半は「次に」の前までで、
「次に」以降は後半。としてよさそうですね。
いいですねぇ。
人間って、いっぺんにいろんなことをするという「マルチタスク」に向いてないので、
タスクを細かく分けることは大切なんですよね。
人間って、いっぺんにいろんなことをするという「マルチタスク」に向いてないので、
タスクを細かく分けることは大切なんですよね。
前半(「次に」の前まで)
問題
容器Aには6%の食塩水が、容器Bにはある濃度の食塩水が、それぞれ400gずつ入っている。
容器Aから何gか取り出して容器Bに入れ、よくかき混ぜると14%の食塩水になった。
容器Aから何gか取り出して容器Bに入れ、よくかき混ぜると14%の食塩水になった。
表に書き込む。
じゃ、まずは、いつものように、横長の線を3本と、それを4等分するように縦の線を3本引きます。
以下のような表になりますね。
はい。
そして、①から⑥の中で、数字が書き込めそうなところを探して書き込みます。
今回は、縦の列で、左から2番目が容器Aの食塩水、
左から3番目が、容器Bの食塩水とします。
すると、①が6、
③は「ある濃度」とあるから、飛ばしておこう。
そして、①から⑥の中で、数字が書き込めそうなところを探して書き込みます。
今回は、縦の列で、左から2番目が容器Aの食塩水、
左から3番目が、容器Bの食塩水とします。
すると、①が6、
③は「ある濃度」とあるから、飛ばしておこう。
途中を読み飛ばして、最後に14%の食塩水になった。とあるから、
⑤が14となりますよね。
⑤が14となりますよね。
②と④と⑥を埋めたいけれど、少し難しいな・・・
AとBは、400gずつ入っているとあるから、
②と④に400を入れられそうだけど・・・
AとBは、400gずつ入っているとあるから、
②と④に400を入れられそうだけど・・・
400gを混ぜ合わせるわけじゃないんだ!
はい。
問題文の4行目からを読んでほしいのですが、
「容器Aから何gか取り出す。」とありますね。
はたして、②に400を入れてもよいでしょうか。
問題文の4行目からを読んでほしいのですが、
「容器Aから何gか取り出す。」とありますね。
はたして、②に400を入れてもよいでしょうか。
あ、ホントだ!
容器Aに400gの食塩水が入っているのは、間違いないけど、
400g全部使うわけじゃないんですね。
容器Aに400gの食塩水が入っているのは、間違いないけど、
400g全部使うわけじゃないんですね。
そうです。そして、後半の最後の2行を読むと、
求めるのは、「はじめに容器Aから取り出した食塩水の重さ」とありますね。
ではあらためて聞きます。
②には、なんと書き込めばよいでしょうか。
求めるのは、「はじめに容器Aから取り出した食塩水の重さ」とありますね。
ではあらためて聞きます。
②には、なんと書き込めばよいでしょうか。
\(\Large x\) です!
問題文を読むと、容器Aから \(\Large x\) g取り出して、容器Bに入れたとわかるので、
④は、400のままでよさそうですね。
「横はたし算」ルールを適用して、⑥は \(\Large \left( x+400\right)\) とすることができます。
④は、400のままでよさそうですね。
「横はたし算」ルールを適用して、⑥は \(\Large \left( x+400\right)\) とすることができます。
そして、容器Bの食塩水の濃度を表す数字が見当たらないので、
③は、\(\Large y\) としておきましょう。
③は、\(\Large y\) としておきましょう。
%を百分率に直しておく。
せっかく、前半後半に分けたので、表と式を完成させてしまいましょう。
「似たような作業は一気にやってしまいましょう。」と言いたいところですが、後半に少し難しいところがあるので、
前半を一つの問題。とみなして、一連の作業をこなしてみます。
「似たような作業は一気にやってしまいましょう。」と言いたいところですが、後半に少し難しいところがあるので、
前半を一つの問題。とみなして、一連の作業をこなしてみます。
たまには、Lukia先生の誘導に乗ってみるか♪
百分率に直すのは、簡単。
左から、\(\Large \frac{6}{100}\) ・ \(\Large \frac{y}{100}\) ・ \(\Large \frac{14}{100}\) です。
百分率に直すのは、簡単。
左から、\(\Large \frac{6}{100}\) ・ \(\Large \frac{y}{100}\) ・ \(\Large \frac{14}{100}\) です。
縦はかけ算・横はたし算
では、縦はかけ算・横はたし算をして、一気に式を立ててみてください。
は~い。
まず、「縦はかけ算」をしていきます。
左から2番目の列は、\(\Large \frac{6}{100}\times x\) 、
左から3番目の列は、\(\Large \frac{y}{100}\times 400\) 、
右端の列は、\(\Large \frac{14}{100}\times \left( x+400\right)\) となります。
まず、「縦はかけ算」をしていきます。
左から2番目の列は、\(\Large \frac{6}{100}\times x\) 、
左から3番目の列は、\(\Large \frac{y}{100}\times 400\) 、
右端の列は、\(\Large \frac{14}{100}\times \left( x+400\right)\) となります。
さらに、この表の一番下の段の「横はたし算」をすれば、
式は、
\(\Large \frac{6}{100}\times x + \frac{y}{100}\times 400 = \frac{14}{100}\times \left( x+400\right)\)
式は、
\(\Large \frac{6}{100}\times x + \frac{y}{100}\times 400 = \frac{14}{100}\times \left( x+400\right)\)
となります。
あれっ、でも、ひとつの式に2つも文字がある!
計算したくても、計算できない!
計算したくても、計算できない!
はい。
式自体は完成しましたから、ひとまずおいといて、
後半に移りましょう。
式自体は完成しましたから、ひとまずおいといて、
後半に移りましょう。
後半(「次に」以降)
問題
次に、容器Aから取り出したのと同じ重さだけ容器Bから取り出して容器Aに戻したところ、
容器Aの食塩水の濃度は9%になった。
はじめに容器Aから取り出した食塩水の重さは何gか。
容器Aの食塩水の濃度は9%になった。
はじめに容器Aから取り出した食塩水の重さは何gか。
表に書き込む。
まずは、「後半」用の表を描いて、数字を埋めていこう。
①は6、
③は \(\Large y\) 、
⑤は・・・9か。
③は \(\Large y\) 、
⑤は・・・9か。
ももちゃん、ひっかかったな・・・
( ̄ー ̄)ニヤリッ。
( ̄ー ̄)ニヤリッ。
な、なんですか、その不敵な笑みは。(汗)
容器Bは、はたして \(\Large y\) %のままでしょうか。
えっ?
今までのことを思い出してみてください。
濃度が異なる2種類の食塩水を混ぜたら、新たな濃度を示す食塩水になっていたんですよ?
濃度が異なる2種類の食塩水を混ぜたら、新たな濃度を示す食塩水になっていたんですよ?
はい・・・。
前半では、容器Bに、容器Aからいくらか食塩水を移したんですから、
容器Bは、\(\Large y\) %のままですか?
容器Bは、\(\Large y\) %のままですか?
容器Bは、\(\Large y\) %のまま・・・?
(目は前半部分を泳いでいる)
(目は前半部分を泳いでいる)
じゃない!
14%になってる!!
14%になってる!!
そうですね。
実は、前半で立てた式は、容器Bの新しい姿、「ニュー容器B」のことを表しているんですね。
実は、前半で立てた式は、容器Bの新しい姿、「ニュー容器B」のことを表しているんですね。
なんですか、そのだっさいネーミングはッ。
気を取り直して、書き直してみます。
①は6、
③は14、
⑤は9となりますね。
①は6、
③は14、
⑤は9となりますね。
はい。
前半で書いておいた \(\Large y\) は使われそうにないですね。
前半で書いておいた \(\Large y\) は使われそうにないですね。
あ、ホントだ。
じゃ、次は、全体の重さの段ですね。
なんだか、操作がややこしいな。
じゃ、次は、全体の重さの段ですね。
なんだか、操作がややこしいな。
いま、容器Aの重さは、どうなっていますか?
たしか、もともと400gあったんだけど、
そこから \(\Large x\) g取り出したから・・・
\(\Large \left( 400-x\right)\) かな?
そこから \(\Large x\) g取り出したから・・・
\(\Large \left( 400-x\right)\) かな?
そのとおりです。
だから、②には、 \(\Large \left( 400-x\right)\) が入りますね。
だから、②には、 \(\Large \left( 400-x\right)\) が入りますね。
あ、ホントだ。
じゃぁ、容器Bは・・・
じゃぁ、容器Bは・・・
ニュー容器Bですよ?
いやですよ~、そのダサい名前は言いたくない~。
あっ、「容器Aから取り出したのと同じ重さだけ取り出した」とあるから、
④は、 \(\Large x\) ですね。
あっ、「容器Aから取り出したのと同じ重さだけ取り出した」とあるから、
④は、 \(\Large x\) ですね。
チッ、「ニュー容器B」なのに・・・
ということは、「横はたし算」をすれば、
⑥は、\(\Large \left( 400-x\right)+x=400\) で、
400gとなりますね。
⑥は、\(\Large \left( 400-x\right)+x=400\) で、
400gとなりますね。
ふんっ、次に進んでくださいッ!
%を百分率に直しておく。
じゃ、①、③、⑤の%を百分率に直します。
左から、\(\Large \frac{6}{100}\) ・ \(\Large \frac{14}{100}\) ・ \(\Large \frac{9}{100}\) となりますね。
左から、\(\Large \frac{6}{100}\) ・ \(\Large \frac{14}{100}\) ・ \(\Large \frac{9}{100}\) となりますね。
縦はかけ算・横はたし算
ということは、もう「縦はかけ算・横はたし算」で一番下の段のマスをうめていくんだな。
ですよねぇ~、Lukia先生?
ですよねぇ~、Lukia先生?
ダサイって言われた・・・(涙)
なんでいじけてんですか。(笑)
ま、いいや。
ま、いいや。
まず、それぞれの縦の列のかけ算をしていきます。
左から、
\(\Large \frac{6}{100}\times \left( 400-x\right)\) 、
\(\Large \frac{14}{100}\times x\) 、
\(\Large \frac{9}{100}\times 400\) となります。
左から、
\(\Large \frac{6}{100}\times \left( 400-x\right)\) 、
\(\Large \frac{14}{100}\times x\) 、
\(\Large \frac{9}{100}\times 400\) となります。
一番下の段の「たし算」をする。
Lukia先生、容器Aと、に、にゅー容器Bの計算を済ませましたよ。
(ハッ!)
も、ももちゃん、今「ニュー容器B」って言ってくれました?
も、ももちゃん、今「ニュー容器B」って言ってくれました?
は、はい。言いましたよ。
ねっ、ねっ、やっぱり「ニュー容器B」ですよねっ?
そ、そうですね。
(なんで、いい大人のごきげんとりやってんだか・・・)
では、いよいよ一番下の段の「横はたし算」をして、
式を立てていきますね。
(なんで、いい大人のごきげんとりやってんだか・・・)
では、いよいよ一番下の段の「横はたし算」をして、
式を立てていきますね。
式は、
両辺に分母の100があるから、はらってよさそうだな。
ということは、
答えは 150gです。
ということは、
答えは 150gです。
こたえ
いかがでしたか。今回と次回は、「2種類の濃度の食塩水を混ぜ合わせる」問題の仕上げとなります。
問題文が長い場合、このように小分けにして、できるところから考えていくという姿勢が大切になってきます。
問題文が長い場合、このように小分けにして、できるところから考えていくという姿勢が大切になってきます。
150g
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