Yahoo!知恵袋(ヤフーちえぶくろ)「数学」カテゴリに質問投稿するあなたへ。

2018年5月30日ひよこに捧げる数学,受験女子,日々雑感※ 意見には個人差があります。,ざんねんな受験女子,実用数学技能検定(数学検定 数検)

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インターネットの普及で、どこにいても、何時でも勉強できる時代になりました。
顔が見えない いろんな人の知恵を借りて、問題を解決できるようになったことは、問題を抱えている人にとってこの上ない利益です。
でも、問題を解決してくれる匿名の人たちの善意を無駄遣いしていいのでしょうか。
あなた自身も含め、あなたの次に問題を抱える人が、今後もその善意を享受するための「お作法」を考えてみませんか。

ちょっと前まで「Yahoo!知恵袋廃人」でした。

初めは、「質問者」でした。

私は、独学独習で受験勉強をしていたので、手持ちの本でもわからないことがある場合、インターネットで検索していました。

ある日偶然知った「Yahoo!知恵袋(ヤフーちえぶくろ)」に、勉強に関する質問に答えてくれるカテゴリを見つけました。
つまり、初めのうちは「質問者」でした。

アラフォーの私が現役の高校生だったころ、こんな便利なものはありませんでした。
試験週間になれば、学校の職員室は、簡単に入れなくなるので、そもそも先生に質問しにくい状態となります。
また、当然ですが、夜中は、学校も塾も閉まっています。
そういう時間帯に限って、わからない問題が見つかるものですが、結局誰にも聞けず、解決できませんでした。
教えてくれる人や時間、場所が限定されている、ある意味不自由な時代でした。

そんな時代を経験していましたから、Yahoo!知恵袋の存在はとてもありがたいものでした。

後半は、「回答者」へ。

再受験生生活も後半になってくると、わかることが増えてきたので、勉強がてら回答してみることにしました。

問題が解けたこともうれしかったのですが、
回答して、質問者さんに「ありがとうございます!」とか、「わかりやすかったです!」などのメッセージが寄せられるのが何よりも励みになりました。
回答を重ねるうち、ベストアンサーもたくさんもらうようになり、一時はカテゴリマスターになったこともありました。

とうとう「廃人」に。

初めのうちは、自分の受験勉強の「気分転換」でした。
「高校数学」カテゴリに出没しては、さほど疲れない問題を選んで回答していたのです。

ところがそのうち、やり始めたら止まらなくなりました。
自分の勉強もやっていましたが、もはや「気分転換」とはいえないレベルで、紙もペンも、時間も使っていました。

(答えられる問題が載ってないかな~。)と、スマホ版「知恵袋」アプリを何度も見るようになったので、さすがにまずい!と、アンインストールした時期もありました。

その後、自分も質問したい時にもアプリがある方が便利なので、再インストールしたのですが、
自分の質問が解決したら、アプリを非表示設定にして、目につかないようにしておかねばならないような状態でした。

どうです、なかなか病的な状態でしょ?

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Lukia

「ネトゲー廃人」ということばがあるように、
当時の私はまさに「Yahoo!知恵袋廃人」でした。

家事や用事もすべてそっちのけで、数学ばっかりガリガリやっていましたから、
本当に「廃人」ということばがぴったりだったと思います。

しかし、そんな私にも変化があらわれました。

それは、「お行儀」が悪いんじゃない?

自分が答えられる問題が増えてきたことがうれしくて、どんどん回答数を増やしてきたのですが、そのうちにモヤモヤすることも増えてきました。

それは次のような質問者さんたちを見かけるようになったからでした。

こんな質問者にモヤモヤ。

  1. 「高校数学」の質問なのに、「ID非公開」。
  2. 結構大変な問題でも、知恵コインがない。
  3. 自分都合で「〇時までに!」とか、「至急!」などの時間指定をして回答を急がせる。
  4. 互いにレベルがわからないのに、「詳しく」とか「わかりやすく」など注文をつける。
  5. 自虐のつもりでしょうが、「数弱(数学が弱い・苦手)」などと卑下して、かえって慇懃無礼な印象を与える。
  6. ギリギリまで放置していた学校の課題を、連番で連投する。
  7. 結構なクセ字で作成した解答の写真を撮り、「どこが間違っていますか?」「これ、合っていますか?」と問う。
  8. 文字をポチポチ入力したはいいが、わかりにくい。
  9. 問題をカメラで撮影してアップロードしたはいいが、±90度、180度回転した状態である。
  10. お礼のメッセージがない。(私は、あまりないけれど)

挙げてみたら、10個も特徴がありました。(自分でもびっくり)

最も理解できない「ID非公開」について、私が思うこと。

10個も特徴を挙げましたが、複数併せ持つ質問者さんが多いことにもモヤモヤします。

特に理解できないのが、「ID非公開」ですね。
回答者は、「自分の回答に責任を持つため」ということで、ID公開一択です。
後から非公開にしたりできるそうですが、「高校数学」カテゴリで、非公開にする理由も思いつかないので、私は回答後もそのままにしています。

また、2018年3月29日からは、IDの表示方法が変更されました。
質問者・回答者ともに、IDの冒頭3字までが表示され、4字以降は伏字になったのです。

恋愛や、心身の悩み、人間関係の問題などのプライバシーを保つべき問題ならば、匿名にするのはわかります。
これは、「ID非公開」にするべきだと思います。

でも、「高校(中学)数学」はプライバシーを保つべき問題でしょうか。
日本全国の中・高校生が学ぶ教科ですから、別にIDを公開していても問題がないと思うのです。

仮にID公開にしていて、たまたま知人がその人の質問を見つけたとします。
「オマエ、知恵袋で、二次関数の質問してただろ。ハズ~♪」と言うことがあるのなら、それはどっちが恥ずかしいのか。

ここまで書いていて、ふと思いつきました。

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Lukia

はっ!もしかして、学校の先生に見つかる心配から???


ま、なくはないけれど、むこうはプロです。
その子のふだんの姿と比較すれば、解答が自力か他力かは見抜くでしょう。
第一、学校の先生は、知恵袋をパトロールするほど暇じゃないでしょうし。

となると、やっぱり「ID非公開」にする理由が見当たりません。
「高校数学」カテゴリに質問するときは、
「ID非公開」にするのが文化。みたいなものができあがっているように思います。

回答者はID公開一択である理由。

「ID非公開」の質問者さんを見るにつけ、回答者にも「ID非公開」の権利はないのか?と思って調べてみたら、「責任を持って正しい回答をしてもらうため。」という理由で公開一択となっているようでした。

それはそれで納得したのですが、最近になって、自分なりの理由が思い浮かびました。

Yahoo!知恵袋

回答者は、AIじゃなく、心を持った人間ですよ。
あなたのために時間を割いてくれる回答者に敬意を表し、感謝しましょうね。

と暗に、質問者に伝えようとしているのか?

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Lukia

(そりゃ~なんともまわりくどい。)

だとすると、もう少し質問者にもマナーを呼びかけるとか、制限をかけるなどの対策を講じる必要があると思いますけどね。

実は、モヤモヤがたちこめていた。

実は、このようなモヤモヤは、私一人が抱えているわけではなく、ほかの回答者さんたちの間にも広がっているようでした。
不定期ですが、いつもは回答者さんが質問者となって、互いの「モヤモヤ」を共有することがあります。

なかには、「別にそんなの問題にする必要もない。頼まれているわけでもないんだから。」という回答者さんもいます。

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Lukia

(ああ、あなたはまだ「廃人」の段階を経験していないのね。。。そのうち、わかるわ。)

私は、回答者の精神状態にも変遷があると思うのです。

私も自分の力を試すことが楽しくてしかたない段階は、ある意味、質問者を無視していたのかもしれません。
ただの「問題提供者」としか見ていなかったと思います。
知恵袋にいけば、問題がいっぱい解ける!
そういう感覚でした。

また、わりと、なにごとも「情けは人の為ならず」精神で取り組むので、かなり長い間「お行儀」の悪さを気にしないでやってきたのだと思います。

ある日、檸檬(れもん)は爆発した。

しかし、ある日突然、モヤモヤは爆発します。
こんなことして、何になる?」と。

女がはたと気がつき、醒めてからの冷却速度はハンパないものです。(世の男性は御注意アレ。)
一瞬にして、絶対零度(-273℃)に到達します。

時間かけて、紙もペンも使って、自分が解ける問題解いて何になる?と。

IDが公開されていれば、その名前から人物を想像できます。この人の役に立てたな。とか、試験でこの問題が出るといいね。とか思えるわけです。小さな親近感をもつことは、回答者に与えられた数少ない楽しみでしょう。

しかし、ID非公開は、「想像しないで!問題さえ解いてくれたらいいんだから。」と言われているようです。

ある回答者さんが、「ただの解答(回答)マシーンだと思っているのでは?」と書いていたのを読んで、ふと思い出しました。

私たちは「解答(回答)マシーン」ではない。

 

 

「カント入門」(石川文康著:1995年)で、たしか定言命法についての説明だったと思います。

お金を払うのは乗客なのに、バスの運転手に「ありがとうございました。」といってバスを降りるのは、
乗客(自分)が、運転手を人間とみなしているからだ。
お金をつかう行為としては同じだが、
ジュースの自動販売機にお礼を言うか?というような内容でした。

身近な例による説明があまりに印象的で、いまだに覚えていますが、
先の回答者さんや私のモヤモヤは、質問者との間に人間としてのかかわりが得られないところからきているのかもしれません。

誰の役に立ったかもわからないし、
何につかえるわけでもないが、知恵コインもついてない。
(回答することでYahoo!からはコインがもらえるようですが)
「おっせ~よ、課題提出に間に合わないじゃん。」とばかり、ベストアンサーではあるが、お礼のメッセージはない。

そのうち私は、次のようなことばを 心の中でくりかえすようになりました。

それは「善意」の搾取です!(逃げ恥風)

海野つなみの漫画が原作のドラマ、『逃げるは恥だが役に立つ』(2016年)で、ヒロインみくりが、プロポーズをしてきた平匡(ひらまさ)に対して言い放ったことばが、

「それは、『好き』の搾取です!」

でした。

ネタバレは嫌なので、詳しくは書きませんが、
ハッピーなはずの瞬間に、二人の家事労働に関するとらえ方に大きな違いがあることが明らかとなりました。

回答者は、あなただけが消費していいリソース(資源)ではない。

目の前の問題にあたふたしていれば、回答者のバックグラウンドに思いをはせるような余裕はないかもしれません。

しかし、回答者もまた、回答できるようになるまでには、(成長や教育のための)コストも時間もかかっているのです。

お金も時間もかけてつちかった能力は、知恵袋にとって重要な「リソース(資源)」です。
その「リソース(資源)」に対して、敬意を表することもなく、
「別に頼んだわけじゃない。好きでやってるんでしょ。」といいながら、消費していいのでしょうか。

最近日本中で起こる陰惨な事件のほとんどは、
人が、他者の人生にかかった時間やコストに思いをはせる「想像力」が欠如してきているからではないかと思います。
もし、他者にもお金や時間をかけてつちかった人生がある。と想像できるなら、その人を簡単に傷つけることができないはずだからです。

石油や森林の問題からもわかるように、
「リソース(資源)」は有限のもので、いつか枯渇します。
現在の質問者のふるまいによっては、未来の質問者が享受できるはずの利益を失ってしまうかもしれないのです。

ネガティブな感情を抱かないようにするために。

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Lukia

(このまま「廃人」生活が続いたらどうしよう。)

なんて自分で自分を心配した時期もありましたが、情熱(?)が瞬間冷却された私は、すぐに次のことを考えはじめていました。

知恵袋は、マイルールを設定する。

知恵袋で回答したい間はすればいいけれど、回答したくなる質問者さんかどうかをみきわめることにしました。
「質問者のふるまい」を気にしない回答者さんだっているわけですから、私が無理に回答しなくてもいいわけです。

オンライン家庭教師に登録してみる。

Yahoo!知恵袋では、回答者は「知恵コイン」をもらえます。
しかし、コインに実用性はありません。
私もいっぱい回答したためか、ちょっとしたコイン持ちになっているのですが、質問するときにお礼コインとして使う程度なので、たまる一方です。

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Lukia

情報はタダ(無償)じゃない。

実際、数学を教えることでお金を得ている人たちもいます。
時間もコストもかかるなら、報酬が得られるほうがいいな。と思い、オンライン家庭教師に登録しました。

ブログに注力する。

もともと、再受験生の経験をもとに、ブログで情報発信をしていこうと考えていました。インターネット黎明期のころのように、自分でタグをゴリゴリ書いたりする必要はないですが、便利になったらなったぶんだけ、ほかのことで忙しいです。毎日のように不足箇所が出てくるので、その対応に明け暮れています。

自分の数学検定準1級をがんばる。

人の問題解くより、自分の問題解こう。ということで、数学検定の対策にも励んでいます。ただ、最近ブログのことで忙しくしてしばらく数学を休んでいたので、時間がかかる問題があり、

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Lukia

ひえぇ、質問者のお行儀がどうの。なんて言ってる場合じゃない!

となりました。(笑)

このように、幸いにも忙しくなり、ネガティブな感情を持たずにすんでいます。

 

回答率を上げたいなら、回答者の満足度を高めればいい。

回答者にもよるでしょうが、
「お行儀」のよい若者が嫌いな年長者はいません。

逆に、自分が回答者側だとして、どんな人の質問に答えようと思いますか?

早く回答を得たいなら、回答者が助けたくなるような質問者になればよいのです。
「文は人なり」とか、「名は体を表す」とはよくいったもんで、たとえ短い文章でも、切実さや、その人の誠実さは伝わります。

回答者は、質問のようすから、
この人の問題に答えたら、あとで「役に立ててよかった!」って思えそうだな。と、将来の自分の快感情を予想します。

モノを買うときと同じです。買ってハッピーになっている自分が想像できなければ、人はモノを買いません。

何度もくりかえしますが、回答者にもいろいろな考えの人がいます。
ですから、あなたが不作法だろうと気にせず、ただ暇つぶしに問題が解ければいい。という人もいるでしょう。
でも、顔が見えない相手にも誠実に対応しようとする。という心がけは決してムダにはなりません。

あなたがしてもらいたいように、相手にもしてあげれば、
あなたの誠実さにこたえようとする人の方が多いはずです。

急がば回れ。

困っているときほど、落ち着いて、誠実に。


 

プロフィール

Author Profile
Lukia_74

元・再受験生、元塾講師、元高校非常勤講師。広島育ち。
中・高国語の教員免許を取得するも、塾講師時代は英語や数学ばかり教えていた。
思うところあって大学再受験を決意。理転し、数学Ⅲ、化学、生物を独習する。国立大学へ合格するも、2018年3月に再受験生生活にピリオドを打つ。
モットーは「自分の予定はキャンセルできても、生徒の予定はキャンセルできない」と「主婦(夫)こそ理系たれ」。
広島のお好み焼きとグレープフルーツが大好き。どっちかというと左党。楽しみはひとりカラオケ。
高校で教鞭を取った経験から、現在は「現代文」と「小論文」の指導力アップを目指し、自己研鑽中。最近は趣味として高校数学を解く。

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