高校数学の絶対値の問題は、グラフでイメージしよう。(その7)
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[mathjax]
自宅のパソコンでブログ記事を書いていたはずが、
突然不思議な世界に迷い込み、
高校生?恐竜、ディノさんと出会ってしまった私。
ディノさんは、絶対値の問題の解き方を教えてくれたら、ひらけた場所までの案内をしてくれると言いますが・・・
さて、今日の問題の「解法」で、ディノさんは私を「解放」してくれるのでしょうか。
ディノー!朝だよ~!
ほらっ、先生も朝だよッ!
ほらっ、先生も朝だよッ!
(ん?先生?誰のことだ?)
目を開けると・・・
そこには、大きな恐竜の顔が!
うわぁああああ~!
・・・
あっ、そうだ、ここディノさんちだ。
あっ、お母さん、おはようございます。
・・・
あっ、そうだ、ここディノさんちだ。
あっ、お母さん、おはようございます。
おはよ。
昨夜は悪かったねぇ。
息子の勉強につき合わせちゃったうえ、私にもつきあってもらっちゃって~。
「女子会」っていうの~?
た~のしかったぁ~。
昨夜は悪かったねぇ。
息子の勉強につき合わせちゃったうえ、私にもつきあってもらっちゃって~。
「女子会」っていうの~?
た~のしかったぁ~。
あっ、そうでしたね。
朝ごはん、できてるからねっ。
いっぱい食べて、今日もがんばっておくれよッ。
いっぱい食べて、今日もがんばっておくれよッ。
突如現れた「ディナさん」は、ディノさんのお母さんです。
有無を言わせない強烈なキャラクターの持ち主で、さすがのディノさんもこのお母さんのペースは崩せないようです。
先生、十分食べたかい?
はい。もうお腹いっぱいです。
ディノはどうだい?
おう、かーちゃん、オレもいっぱい食べたぞ!
そうかい。
じゃ、さっさとお勉強始めるんだよ。
先生が、朝からついててくれてるなんて、これはチャンスだよ!
じゃ、さっさとお勉強始めるんだよ。
先生が、朝からついててくれてるなんて、これはチャンスだよ!
ディノさんは、私のほうを向いて、こっそりと言いました。
わりぃな、かーちゃんは思い立ったら聞かねぇんだよ。
そうですか。
ま、まだ問題もあるようですし、もう一問、お付き合いします。
ま、まだ問題もあるようですし、もう一問、お付き合いします。
ありがとよ。
問題
$$\Large \color{blue}{2\vert x \vert}+\color{red}{\vert 2x+3 \vert}=7$$
簡単な図を描こう。
さ、今回も上の図を使って解いていきましょう。
この問題、難しそうだな。
そうですか?
だって、青い式のほう、絶対値の記号の外に数字がついてるぞ?
そうですねぇ。
ま、でも、やることは今までとそんなに変わりませんよ。
大丈夫です。
ま、でも、やることは今までとそんなに変わりませんよ。
大丈夫です。
範囲を設定しよう。
それでは、範囲を決めていきましょう。
\(\color{blue}{2\vert x \vert=0}\)となるときを探しますが、
両辺を2で割ったらどうなりますか?
\(\color{blue}{2\vert x \vert=0}\)となるときを探しますが、
両辺を2で割ったらどうなりますか?
左辺からは2が消えて・・・
右辺は0だから・・・
0のままだな!
右辺は0だから・・・
0のままだな!
そうです。
ですから、\(\color{blue}{2\vert x \vert=0}\)となるのは、
\(x=\color{blue}{0}\)のときといってよいですね。
ですから、\(\color{blue}{2\vert x \vert=0}\)となるのは、
\(x=\color{blue}{0}\)のときといってよいですね。
なるほどな。
今まで通り、まずは絶対値記号に囲まれた部分から考えていけばいいんだな。
今まで通り、まずは絶対値記号に囲まれた部分から考えていけばいいんだな。
そうです。
ちなみに、赤いほうは問題ないですよね?
ちなみに、赤いほうは問題ないですよね?
おう。
\(\color{red}{\vert 2x+3 \vert=0}\)となるのは、
\(x=\color{red}{-\frac{3}{2}}\)のときだな。
\(\color{red}{\vert 2x+3 \vert=0}\)となるのは、
\(x=\color{red}{-\frac{3}{2}}\)のときだな。
というわけで、範囲は、以下の図のように決定できますね。
範囲ごとに式を書き込んでいく。
さて、範囲ごとに式を書き込んでいくわけですが、
青い式のほうは、少していねいな式変形を示します。
それをヒントに、式を書き込んでみてください。
\(\color{blue}{y=2\vert x \vert}\)
\(\color{blue}{y=2\left( \pm x\right)}\)
\(\color{blue}{y= \pm 2x}\)
青い式のほうは、少していねいな式変形を示します。
それをヒントに、式を書き込んでみてください。
\(\color{blue}{y=2\vert x \vert}\)
\(\color{blue}{y=2\left( \pm x\right)}\)
\(\color{blue}{y= \pm 2x}\)
なるほどなぁ。
絶対値をていねいにはずして考えればいいわけだな。
ということは、
\(\color{blue}{y=2\vert x \vert}\)は、
\(y=\color{blue}{-2x}\) \(\left( \color{blue}{x \leq 0} のとき\right)\)
\(y=\color{blue}{2x}\) \(\left( \color{blue}{0 \leq x} のとき\right)\)
だな。
絶対値をていねいにはずして考えればいいわけだな。
ということは、
\(\color{blue}{y=2\vert x \vert}\)は、
\(y=\color{blue}{-2x}\) \(\left( \color{blue}{x \leq 0} のとき\right)\)
\(y=\color{blue}{2x}\) \(\left( \color{blue}{0 \leq x} のとき\right)\)
だな。
中学校の数学で、(かっこ)が、あったら、まずはかっこの中から計算して、
徐々にはずすように。と教わったと思いますが、
絶対値も同じように考えてよいと思います。
では、ディノさん、
赤いほうもお願いしますね。
徐々にはずすように。と教わったと思いますが、
絶対値も同じように考えてよいと思います。
では、ディノさん、
赤いほうもお願いしますね。
おう。こっちは簡単だ。
\(\color{red}{y=\vert 2x+3 \vert}\)は、
\(y=\color{red}{-2x-3}\) \(\left( \color{red}{x \leq -\frac{3}{2}} のとき\right)\)
\(y=\color{red}{2x+3}\) \(\left( \color{red}{-\frac{3}{2} \leq x} のとき\right)\)
となる。
\(\color{red}{y=\vert 2x+3 \vert}\)は、
\(y=\color{red}{-2x-3}\) \(\left( \color{red}{x \leq -\frac{3}{2}} のとき\right)\)
\(y=\color{red}{2x+3}\) \(\left( \color{red}{-\frac{3}{2} \leq x} のとき\right)\)
となる。
そうです。ゆえに、図には以下のように書き込めましたね。
筆算する。
ここまでくれば、もうひとりでもできるぞ。
今回も、二つの絶対値は+(プラス)でつながっているから、
たし算の筆算をすればいいよな。
というわけで、
左が、\(-4x-3\)
真ん中が、\(-3\)
右が \(4x+3\)になるぞ。
今回も、二つの絶対値は+(プラス)でつながっているから、
たし算の筆算をすればいいよな。
というわけで、
左が、\(-4x-3\)
真ん中が、\(-3\)
右が \(4x+3\)になるぞ。
そうです。図では、このようになりますね。
グラフを描くとこうなる。
筆算によってできた式をグラフにすると、以下のようになります。
方程式を解く。
ここまでは、左辺の式を変形してきました。
いよいよ、=7 をつけて、方程式を解いてみましょう。
いよいよ、=7 をつけて、方程式を解いてみましょう。
図の左の範囲は、\(-4x-3=7\)だから、
\(x=-\frac{5}{2}\)だ。
\(x=-\frac{5}{2}\)だ。
図の真ん中の範囲は、\(-3 \neq 7\)だから、不適だな。
図の右の範囲は、\(4x+3=7\)を解けばいいから、
\(x=1\) だな。
\(x=1\) だな。
【訂正】
真ん中の式は、3ではなくて、-3ですね。
正しくは、
\(-3=7\)
\(-3 \neq 7\)
となります。以下の図も同様です。
真ん中の式は、3ではなくて、-3ですね。
正しくは、
\(-3=7\)
\(-3 \neq 7\)
となります。以下の図も同様です。
範囲を比較して答えを出す。
方程式の解を、実際に\(x\)軸上に置いてみましょう。
左の範囲の解は、青い四角で囲み、\(x\)軸には、青い矢印で、だいたいの位置を示します。
真ん中の範囲の解ですが、今回はそもそも方程式が成り立たなかったので、解なし。であり、紫の矢印は示せません。
右の範囲の解は、赤い四角で囲み、\(x\)軸には、赤い矢印で、だいたいの位置を示します。
左の範囲の解は、青い四角で囲み、\(x\)軸には、青い矢印で、だいたいの位置を示します。
真ん中の範囲の解ですが、今回はそもそも方程式が成り立たなかったので、解なし。であり、紫の矢印は示せません。
右の範囲の解は、赤い四角で囲み、\(x\)軸には、赤い矢印で、だいたいの位置を示します。
さて、ディノさん、
青と赤の矢印はどうですか?
青と赤の矢印はどうですか?
おう。ちゃんと設定した範囲におさまっているな。
ということは、この二つが解ということでいいな。
ということは、この二つが解ということでいいな。
こたえ
$$\Large 2\vert x \vert+\vert 2x+3 \vert=7$$
$$\Large x=-\frac{5}{2} , x=1$$
上のグラフを見てもらうとやはり、青い線と赤い線は、緑の線 \(y=7\) と交わっていますが、
紫の線は、\(y=-3\)ですから、どうひっくりかえっても、\(y=7\)とは交われませんね。
紫の線は、\(y=-3\)ですから、どうひっくりかえっても、\(y=7\)とは交われませんね。
ホントだなぁ。
目に見える形になると、答えにも自信が持てるもんだな。
目に見える形になると、答えにも自信が持てるもんだな。
今回こそ「解放」なるか?
いや~、今回の問題も解けましたねぇ。
よかったよかった。
では、ディノさん、ホントにそろそろ「ひらけた場所」に案内してくださいよぉ。
よかったよかった。
では、ディノさん、ホントにそろそろ「ひらけた場所」に案内してくださいよぉ。
へっ?
あ、ああ、そうだなぁ。
いっぱい教えてもらったしな。
じゃ、案内し・・・
あ、ああ、そうだなぁ。
いっぱい教えてもらったしな。
じゃ、案内し・・・
ディノー、勉強は済んだのか~い?
おう、かーちゃん、終わったぞ!
そうかい。じゃ、ごはんにしよう!
えっ???ごはん???
先生もおなかすいたでしょ?
ほら、今日はバーベキューパーティーだから、いっぱい食べてッ!
ほら、今日はバーベキューパーティーだから、いっぱい食べてッ!
バーベキュー?パーティー?
そうよ。近所の子たちも呼んでるから。
楽しいわよぉ~~~!
楽しいわよぉ~~~!
あ、あの、そろそろ失礼を・・・。
あ~ら、先生、何ゆっちゃってんのぉ~。
バーベキュー食べきるまで、帰さないわよ~。
ご近所にも知らせちゃったんだから、いてくれなきゃ困るわよ~。
バーベキュー食べきるまで、帰さないわよ~。
ご近所にも知らせちゃったんだから、いてくれなきゃ困るわよ~。
でぃ、ディノさん?(すがる目)
(わりぃな、オレ、かーちゃんには逆らえないんだよ~。)
ほらっ、センセ♪
午後からも頭をはたらかせるには、まずはガッツリお肉食べなきゃね♪
午後からも頭をはたらかせるには、まずはガッツリお肉食べなきゃね♪
どこの世界も、お母さんが最強のようです。(^◇^;)
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