高校数学の「集合と論理(xの値の範囲)」に関する問題を解いてみる。(Yahoo!知恵袋より)
[mathjax]
\( \ \mathrm{A}=\lbrace x \ | \ -2 \leq x \leq 7\rbrace \ \)
\( \ \mathrm{B}=\lbrace x \ | \ \vert x \vert \lt 3\rbrace \ \)
\( \ \mathrm{C}=\lbrace x \ | \ k-5 \leq x \leq k+7\rbrace \ \left( k \ は定数\right)\) であるとする。
このとき,
\( \ \overline{A}\cup\mathrm{B}=\lbrace x \ | \ x \lt \color{#0004fc}{ア} \ , \ \color{#0004fc}{イ} \lt x\rbrace \ \),
\( \ \mathrm{A}\cap\overline{B}=\lbrace x \ | \ \color{#0004fc}{ウ} \leq x \leq \color{#0004fc}{エ}\rbrace \ \) であり,
\( \ \mathrm{B}\subset\mathrm{C} \ \) のためには,\( \ -\color{#0004fc}{オ} \leq k \leq \color{#0004fc}{カ} \ \) である。
まずは情報を視覚化しよう。(読み飛ばしOK)
なんていいますが、まさにその通り。
やる気スイッチは、脳の側坐核という場所にあるので、某塾のCMのように背中やおでこみたいな触りやすい位置にはないんですね。
他人は簡単に触れられませんが、自分の体なら、自分でなんとかできます。
手を動かすことで、なんとなくアイディアが浮かんだり、やる気が出てきたりしますので、まずはペンを持つことが大切です。
視覚化することは、解法の糸口をつかむのに有効な手段ですが、描くときには、「仮だよ。仮。」と思っていても、
描かれてしまうと、「仮」ということをすっかり忘れてしまい、そのイメージに支配されてしまうおそれもあります。
仮と思って、\( \ k \ \)を\( \ 3 \ \)とおき、数直線を描くと、もう修正が利かなくなります。
なんでもかんでも、視覚化すればいいのではなく、「確実にわかっていること」を視覚化するようにしましょう。
集合AとBを視覚化する。
$$\begin{align}集合 \ \mathrm{B} \ &\vert x \vert \lt 3 \ &-3 \lt x \lt 3 \end{align}$$
「または」より「かつ」の方が楽。
私は、「ベン図」の「ベン」は、漢字で書くと難しすぎるから、あえてカタカナ表記にしているのかな。と思っていたのですが、
どうやら数学者のベンさんが考えた図だから、「ベン図」なんだそうです。
人の名前だというのを知ったのは、再受験生になってからなので、何歳になっても知らないことはあるもんだなぁ。と感心した記憶があります。
「または」があったら、できるだけ「かつ」に直すことをオススメします。
ひと手間かかりますが、「かつ」に直すことで考える範囲が限定されるからです。
下の図でピンクに塗りつぶされた部分に含まれる要素を考えなければなりません。
全体集合 U を「日本人」とし、集合 A を「女性」、集合 B を「5人以上のアイドルグループ」とすると、
A または Bの要素に含まれるのは、ひとまず「日本人」であれば、「女性」でもいいし(だから、私Lukiaも含まれます。)
「5人以上のアイドルグループ」でもいいのですから、「嵐」でもいいし、「AKB48」でもいいし、過去にさかのぼって「6人だったころのももクロ」とかもいいことになってしまいます。
属性がひとつでもあてはまれば集合の要素となるので、「または」でつながれた集合の要素をもれなく数え上げるというのはとても難しいんですね。
下の図のように、塗りつぶす部分が小さくなります。
「女性 かつ 5人以上のアイドルグループ」となると、私は「女性」ですがアイドルグループには属していないので省かれます。
「松田聖子」は「女性」ですし、「アイドル」でしたが、「5人以上のアイドルグループ」には属していなかったので、省かれます。
「嵐」はたしかに「5人以上のアイドルグループ」ですが、「女性」ではないので省かれます。
よって、「AKB48」や「過去のももクロ」などに限定されますね。
集合と補集合、より狭いほうで考えよう。
全体集合 \( \ \mathrm{U} \ \) は、「男女共学クラス」とします。
そして集合 \( \ \mathrm{A} \ \) の属性は「女性」とします。
淡いピンクで塗りつぶされた部分を「補集合」といい、\( \ \overline{A} \ \)で表します。
クラスの「男子」は、この補集合に属することになりますね。
たとえば、集合が、「または」でつながっているため、属性や要素の数が多すぎて考えにくいとき、
逆の補集合を考えておいて、補集合をひっくり返せば、そもそもの集合を考えることになりますね。
集合 B だけでなく、AでもBでもない部分まで考えなければならないので、相当大変そうですよね。
真っ白いままの集合Aの部分だけ考えられればなぁ・・・と思いませんか?(思ってほしい!)
$$\begin{align}\overline{\overline{A}\cup\mathrm{B}}=&\overline{\overline{A}} \ \overline{\cup} \ \overline{B} \\\\ =&\mathrm{A}\cap\overline{B} \\\\ すなわち&-2 \leq x \leq 7 \ かつ \ x \leq -3 \ , \ 3 \leq x \\\\ すなわち\quad &3 \leq x \leq 7 \end{align}$$
$$\begin{align}\overline{A}\cup\mathrm{B}=&\overline{\mathrm{A}\cap\overline{B}} \\\\ すなわち \ &\overline{3 \leq x \leq 7} \\\\ すなわち \ &x \lt \color{#0004fc}{3} \ , \ \color{#0004fc}{7} \lt x \end{align}$$
$$\mathrm{A}\cap\overline{B} \ は \ \color{#0004fc}{3} \leq x \leq \color{#0004fc}{7}$$
包含関係を理解しておこう。
\( \ \mathrm{A}=\lbrace x \ | \ -2 \leq x \leq 7\rbrace \ \)
\( \ \mathrm{B}=\lbrace x \ | \ \vert x \vert \lt 3\rbrace \ \)
\( \ \mathrm{C}=\lbrace x \ | \ k-5 \leq x \leq k+7\rbrace \ \left( k \ は定数\right)\) であるとする。
このとき,
\( \ \mathrm{B}\subset\mathrm{C} \ \) のためには,\( \ -\color{#0004fc}{オ} \leq k \leq \color{#0004fc}{カ} \ \) である。
\( \ \mathrm{B}\subset\mathrm{C} \ \)をベン図で表すと以下のようになります。
包含関係は、後々、命題の真偽を判断したり、必要条件・十分条件などを考えるときにも活かされます。
命題が真であることや、必要条件・十分条件は、一方の集合が、ひとつのもれなく、例外なく、他方の集合に含まれるときに成り立ちます。
というわけで、今回は、しっかりと集合\( \ \mathrm{B} \ \)を集合\( \ \mathrm{C} \ \)に内包させてやりましょう。
集合\( \ \mathrm{C} \ \)が集合\( \ \mathrm{B} \ \)をすっぽり内包してしまうには、集合\( \ \mathrm{C} \ \)の両端が、集合\( \ \mathrm{B} \ \)の両端の外側にある必要がありますね。
上の図の斜線部分に集合\( \ \mathrm{C} \ \)の両端があるときを考えればよいことになります。
$$\begin{align}\mathrm{B}\subset\mathrm{C} \ が&成り立つためには, \\\\ &k-5 \leq -3\quad かつ\quad 3 \leq k+7\quad である必要がある. \\\\ 整理して,&-\color{#0004fc}{4} \leq k \leq \color{#0004fc}{2} \end{align}$$
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