PREP法で論じよう【「弊害」を400字で論じる】

2023年8月25日小論文

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小論文で「『○○の弊害』について400字で」という指示が出たとき、
「○○」というキーワードに注目したり、
400字の小論文を書かねばならない。と考えたりはしますが、
「弊害」という言葉にはあんまり留意しないように思います。

「○○」にあたるキーワード集や、小論文の書き方に関する本はたくさん出版されていますが、
「弊害」のような、小論文でよく使われそうなサブキーワードに注目することで、
戦略的に小論文が書けるようになるのではないかと思います。

この記事を読んで、あなたがサブキーワードに着目し、
出題者の狙いやニーズに肉迫するような小論文が書けるようになってくだされば嬉しいです。

PREP法で論じよう

小論文の書き方として知っておくべき文章構成法のひとつに、
「PREP法(プレップ法)」というのがあります。
これは、最初と最後に「結論(または要点)」を置き、
その間に「理由」と「(理由を支える)例」をはさみます。
最初と最後に主張となる結論(または要点)があることで、
相手に主張を明確に印象づけたり、伝えたりすることができます。

たとえば、兄弟喧嘩はしないほうがいい。という主張があったとします。

結論:兄弟喧嘩はしないほうがいい。
理由:いろいろと損だから。
例示:お母さんに怒られたうえ、兄弟二人ともおやつ抜きになってしまった。
結論:兄弟喧嘩はしないほうがいい。

PREP法は口喧嘩に使える?

PREP法なんて仰々しい名前がついていますが、この論理構成法、
知らず知らず使っていることに気が付きませんか?

実は、口喧嘩なんです。

さっきは兄弟喧嘩としましたが、夫婦喧嘩で考えてみましょう。

結論:あなたってめんどくさいこと、すぐ見ないふりして私に押し付けるよね。
理由:押し付けられた私がめんどくさいと感じたから。
例示:いついつのあのとき、それまでだらだらしていたのに、急に用事を思いついてその場を離れてしまった。そして、私がその事態に対処しなければならなくなった。
結論:あなたってめんどくさいこと、すぐ見ないふりして私に押し付けるよね。

この場合、例示はひとつやふたつじゃないかもしれません。
あのときはああだった、このときはこうだったと、例示をいくつも挙げるうち、
だんだん怒りが込み上げてきて、締めくくりの結論でド〜ン!と主張をぶちかます。なんてのが
よくあるパターンだと思います。

Lukia_74

Lukia

象と女性のエピソード記憶の保存期間の長さ、あなどってはいけませんよ!!

小論文って・・・って身構えちゃう人が多いと思いますが、
論理立てて、相手を納得させるという行為は、
実は誰もが一回はやったこと、やられたことがあるわけなんです。

口喧嘩とか口論って言うのも、ある意味、論理立てて相手を納得させる行為の一つなので、
小論文は、もっと穏やかで理性的に読み手を説得・納得させる行為だと考えて取り組んでみてください。

Lukia_74

Lukia

決して、喧嘩腰とか好戦的な態度を取れ!と言っているのではありませんからね。

「口喧嘩の穏やか版」ととらえたら、小論文の取り組み方も楽になるかもしれませんね。
構成は、口喧嘩で考える。(問題意識って、怒りやイライラが伴うものですし)
喧嘩腰の文章では試験官の心証を悪くしてしまうので、理性的で穏やかな文体に変換する。

実際に文章にはしなくてもよいので、このPREP法を使って、
この問題に対する、自分の意見は?という練習をしてみてください。

自分はこう思う!というのは、いくつか練習をしないと定まってこないものです。

AとBならどちらか?
Cについて是か非か?

アイドルとか、食べ物などの軽いテーマから始め、
徐々に重いものとか、一概にどちらとも言えないものについて考えていくようにするとよいでしょう。
賛否両論あるものは、賛の場合と、否の場合のそれぞれについて主張できるようになっておくとよいでしょうね。

400字ならP-RE-P法でもよい

論理の構成法として、PREP法は知っておいてほしいのですが、
どんなときでも、4つの段階に分けるべきかというと、そういうわけでもありません。
というのも、指定文字数の400字というのは、それほど多くは書けないからです。

レモンのライン
現代人が一息に読んで内容が理解できる文字数の限界は、55字程度です。
ということは、400字の小論文は、6〜8文で書くことになります。

これも、練習するうちに感じ方が変わってくると思いますが、
6〜8文って、あんまり深い内容とか、具体的な内容って書けないんです。

すごく短いので、
ざっくりしているけれど、ポイントはつかんでいるという文章を書くのが正解といえるでしょう。

レモンのライン となると、場合によりますが、二つのP(結論・要点)に挟まれた、
R(理由)とE(例示)を一つにまとめて書けばよいことになります。


上に挙げた、兄弟喧嘩や夫婦喧嘩の例でも、
主張を支える理由や例示を分けて書くのは結構難しかったんですよね。

というのも、
「(例示)のときに、(主張)を感じたから(理由)」というように、
例示と理由がまとまっていることが多いからなのです。

杓子定規にRとEを分けなくちゃ!と思って書くと、
逆にまとまりがない文章になってしまうおそれもあるので注意してください。

もちろん、「PREP法を使って論じなさい」という指示文があれば、従わねばなりませんが、

論じるテーマと文字数の指示があるだけですので、
臨機応変にREを分けたり、くっつけたりしてください。
レモンのライン
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プロフィール

Author Profile
Lukia_74

元・再受験生、元塾講師、元高校非常勤講師。広島育ち。
中・高国語の教員免許を取得するも、塾講師時代は英語や数学ばかり教えていた。
思うところあって大学再受験を決意。理転し、数学Ⅲ、化学、生物を独習する。国立大学へ合格するも、2018年3月に再受験生生活にピリオドを打つ。
モットーは「自分の予定はキャンセルできても、生徒の予定はキャンセルできない」と「主婦(夫)こそ理系たれ」。
広島のお好み焼きとグレープフルーツが大好き。どっちかというと左党。楽しみはひとりカラオケ。
高校で教鞭を取った経験から、現在は「現代文」と「小論文」の指導力アップを目指し、自己研鑽中。最近は趣味として高校数学を解く。

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Posted by Lukia_74