メリット・デメリットを掘り下げよう【「弊害」を400字で論じる】
小論文で「『○○の弊害』について400字で」という指示が出たとき、
「○○」というキーワードに注目したり、
400字の小論文を書かねばならない。と考えたりはしますが、
「弊害」という言葉にはあんまり留意しないように思います。
「○○」にあたるキーワード集や、小論文の書き方に関する本はたくさん出版されていますが、
「弊害」のような、小論文でよく使われそうなサブキーワードに注目することで、
戦略的に小論文が書けるようになるのではないかと思います。
この記事を読んで、あなたがサブキーワードに着目し、
出題者の狙いやニーズに肉迫するような小論文が書けるようになってくだされば嬉しいです。
○○による打開以前を把握する
世の中の事象は、最初こそ自然発生的な部分があるかもしれませんが、
それ以降は、原因と結果をくりかえすものです。
○○は、それまでの事象に対して何か不都合や不利益があったから生じたものです。
もし、何も不都合や不利益が生じなかったら、現状維持されるでしょう。
しかし、事象によって、不都合や不利益な結果が導かれるので、
それを打開する方法として編み出されたのが○○なのです。
そして、○○によって、事象を打開・改善はなされるのですが、
新たな不都合や不利益を生じる可能性もあるという次の段階に進むことになるのです。
くどい表現になってしまいますが、
○○そのものは、良かれと思って実行されています。
決して、状況を悪くしてやろうとか、悪くなることは想定されていません。
ある意味、善意から生み出された○○であっても、
完全無欠な善であり続けることは難しいのです。
サブキーワード「弊害」を論じるには、この〇〇による打開前の状況を把握する必要があると思います。
打開前を把握しなければ、改善点やメリットなども把握したり、論じたりするのは難しいですからね。
というわけで、〇〇の実行前と実行後について、それぞれ整理するようにしましょう。
○○前のデメリット
〇〇前のデメリットを書き出すことは、「弊害」について論じる上で不可欠です。
○○を実行する以前、人々がどのような不都合・不利益を被っていたのかというのをしっかり把握しましょう。
デメリットを書き出すのは、思いつく限り書いてほしいのですが、
小論文に書く際には、このうち際立ったもの、
あるいは、(デメリットの順序としては2位、3位ぐらいだけど)自分としては際立たせたいものを
一つに絞り込んでください。
現状を打開するための〇〇なのですが、現状は悪いことばかりでもありません。
もし、ここはメリットだよなぁ。と思うことがあれば、それも書き出しておいてください。
これが、「弊害」を見つけ出すヒントになることもあります。
〇〇後のメリット
ここは、〇〇を実行することで、得られる利益や利点などを書き出してください。
いってみれば、〇〇を考案し、実現させた人は、社会に対してどんな利益をもたらせると思っていたのかを想像しながら書くとよいと思います。
人間は、長い歴史の中で、よりよい環境を目指して改善をくりかえしてきました。
このたゆみない改善がなければ、現代のような発展した社会は得られなかったでしょう。
しかし、完全無欠な打開策などなく、
現象は、新たな現象を生み出します。
打開策が、想定外の現象のトリガーとなってしまうのは不可避な事実なのです。
サブキーワード「弊害」には、
「論じる人自身が、この避けられない事実を目の前にしても、
なお挑み続ける姿勢があるかどうかを見極めたい」という試験官の思惑があるような気がします。
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