典拠は「文選」では?【元号「令和」の典拠について】

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典拠が違う?

Lukia_74

Lukia

「令和」の典拠は万葉集か〜。
これまでは漢籍が典拠だったから、新しいな。

と思っていたところ、

ネットで、不穏な記述も目にしました。

簡単にいうと、
「万葉集の序文にあった『令和』は、もとは『文選〈もんぜん〉』にあったもの。
やっぱり漢籍が典拠じゃん」というものです。

記述の詳細や、
私が、その記述の根拠を示す本にどうやってたどり着いたのかは忘れてしまいましたが、

契沖〈けいちゅう〉が著した『万葉代匠記』が、
その記述の根拠となっていたように思います。

来る新時代の元号を決める有識者たちが、
ミスをしたり、捏造するなんてことがあるのか?

はたまた、『文選』が典拠だなんて言えるほどのことが、
『万葉代匠記』に書いてあるのか?

などと、
久々に国文学徒の血が騒いだので、
母校の大学図書館で調べてみることにしました。

ひっそりたたずんでました。

国文学科を擁していた母校なら、
「万葉代匠記」があるだろうと思っていましたが、
まさにそのとおり。相変わらず所蔵されていました。

「万葉集フィーバーが起こって、いろんな人が開いてるんじゃないか?」と思いながら
書架にたどり着くと、

ここ数日どころか、長年手に取られたような形跡はなく、
ちょっとしょぼくれたように見えました。

万葉代匠記の発行年自体が相当古いのもありますが、
学部学科の再編を経るうち、
何十年もさわれられなくなり、ひっそりと過ごすうち、
息づくことすら忘れてしまっているように思えました。

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Lukia

なんてかわいそうな「万葉代匠記」。

その後は、機会があれば、本を開いて、
令和の空気に当たらせていました。

参考文献

【元号「令和」の典拠について】シリーズの記事執筆に際し、以下の書籍を参考にいたしました。

プレミアムカラー 国語便覧
数研出版株式会社 2018年 (ISBN978-4-410-33912-7)

倫理用語集
山川出版社 2007年 (ISBN978-4-634-05213-0)
レモンのライン
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プロフィール

Author Profile
Lukia_74

元・再受験生、元塾講師、元高校非常勤講師。広島育ち。
中・高国語の教員免許を取得するも、塾講師時代は英語や数学ばかり教えていた。
思うところあって大学再受験を決意。理転し、数学Ⅲ、化学、生物を独習する。国立大学へ合格するも、2018年3月に再受験生生活にピリオドを打つ。
モットーは「自分の予定はキャンセルできても、生徒の予定はキャンセルできない」と「主婦(夫)こそ理系たれ」。
広島のお好み焼きとグレープフルーツが大好き。どっちかというと左党。楽しみはひとりカラオケ。
高校で教鞭を取った経験から、現在は「現代文」と「小論文」の指導力アップを目指し、自己研鑽中。最近は趣味として高校数学を解く。

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Posted by Lukia_74