【 18 / 42 】 論理と集合 「必要条件と十分条件の判定問題」を解いてみる。
読了時間: 約1分47秒
問題
次の( )内にあてはまるものを、下の(ア)~(エ)のうちから一つ選べ。
整数\( \ m \ \) , \( \ n \ \) について,\( \ 4m+n \ \)が\( \ 3 \ \)の倍数であることは\( \ m+n \ \)が\( \ 3 \ \)の倍数であるための( )。
(ア) 必要十分条件である
(イ) 必要条件であるが十分条件ではない
(ウ) 十分条件であるが必要条件ではない
(エ) 必要条件でも十分条件でもない
NS判定問題における恩師 沖田一希先生
この「必要条件と十分条件の判定問題」シリーズは、東進衛星予備校の沖田一希先生との出会いがなかったら実現しませんでした。
以下の記事には、沖田一希先生の御紹介と問題の考え方を示しています。
解法
主語(N:必要)を考える
主語(N:必要)は、「 \( \ 4m+n \ \)が\( \ 3 \ \)の倍数 」です。
\( \ 4m+n=3k \ \) ( ただし \( \ k \ \) は整数 )
\( \ 3m+m+n=3k \ \)
\( \ m+n=3 \left( k-m\right)\ \)
すなわち \( \ m+n \ \) は \( \ 3 \ \) の倍数
\( \ 4m+n=3k \ \) ( ただし \( \ k \ \) は整数 )
\( \ 3m+m+n=3k \ \)
\( \ m+n=3 \left( k-m\right)\ \)
すなわち \( \ m+n \ \) は \( \ 3 \ \) の倍数
述語(S:十分)を考える
国語的には、厳密な述語は「○○条件である」の部分ですが、
この述語を修飾(詳しく説明)する「 \( \ m+n \ \)が\( \ 3 \ \)の倍数である(ための) 」を
述語(S:十分)としておきます。
この述語を修飾(詳しく説明)する「 \( \ m+n \ \)が\( \ 3 \ \)の倍数である(ための) 」を
述語(S:十分)としておきます。
包含関係より判定する
ここで、主語(N:必要)と述語(S:十分)の包含関係を考えてみます。たとえるなら、パーとグーしか出せないじゃんけんをしているようなものです。
パー(紙)は、グー(石)を包み込んでしまいますね。
また、一方が他方を完全にもれなく包み込んでしまう場合のみ、必要条件や十分条件が成り立ちます。
逆にいうと、ひとつでも例外(もれ)があれば、必要条件も十分条件も成り立ちません。
いま、主語(N:必要)の要素は、「 \( \ m+n \ \)が\( \ 3 \ \)の倍数」であり、
一方、述語(S:十分)の要素は、 「\( \ m+n \ \)が\( \ 3 \ \)の倍数」です。
これは数学的には、
主語(N:必要)\( \ =\ \) 述語(S:十分)と表せます。
よって、答えは、「 (ア) 必要十分条件である 」 となります。
一方、述語(S:十分)の要素は、 「\( \ m+n \ \)が\( \ 3 \ \)の倍数」です。
これは数学的には、
主語(N:必要)\( \ =\ \) 述語(S:十分)と表せます。
よって、答えは、「 (ア) 必要十分条件である 」 となります。
こたえ
(ア) 必要十分条件である
2021年現在、必要条件と十分条件の判定問題に関する記事は、
2021年7月23日から2021年9月2日の間で、42記事公開する予定です。
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