特定外来生物の平均増加率を求めてみた。【ビジネス数学検定2級 合格への道】
第75回 ビジネス数学検定受検まで あと28日
受検勉強を再開した2022年4月18日より44日経過しています。
「世界まる見え!テレビ特捜部」を何気なく見ていたのですが、
そのとき、日本でも増え続けている特定外来生物が話題になっていました。
台湾由来のキョンという鹿のような生物が、めちゃくちゃ増えているというのです。
うろ覚えなのですが、ある年の調査では9000頭だったのが、あまりときをおかず(10年弱だったと思います)に5万頭まで増えたというのです。
そして、駆除数を考えずに、単純に計算したら、2022年現在何頭になっているんだろう。
計算してみることにしました。
幾何平均(相乗平均)を用いる
千葉県では2007年当時3400頭だったのが、
2014年には47000頭まで増えてしまったそうです。
あちこちのネット記事を読んだので、出典を示すことができず申し訳ないのですが、
キョンはすごく繁殖能力が強く、生後半年から妊娠できるそうです。
一度に生む数は5頭ほど。一年で2回出産できるそうです。
しかも、出産の翌日から妊娠できるという。
農作物を食い荒らすわ、すばしっこいわ、鳴き声がうるさいわ(気持ち悪いとも)などで、
本当に困った存在なのだそうです。
駆除するといっても、ハンターの高齢化などもあり、その地域では年間2000頭ほどだそうで、
これでは爆発的な増加を抑えることは無理そうですね。
閑話休題
それでは、キョンの平均増加率を求めてみようと思います。
$$\begin{align}\sqrt[ 7 ]{ \frac{47000}{3400} } \fallingdotseq &\sqrt[ 7 ]{ 13.82 } \\ \fallingdotseq &1.455 \\ \fallingdotseq &1.46 \end{align}$$
ってことは、平均増加率は46%
1.46%じゃないよね?
強烈な数字が出てきたので、心配になって検算してみました。
$$3400\times 1.46^7=48078$$
47000に近い数字なので、平均増加率46%は間違いないようです。
2022年の推定生息数
こうなってくると、怖いものみたさです。
駆除してはいるけれど、この繁殖力を抑えるほどの効果はないようなので、
駆除数を考えずに、2022年現在、キョンはどこまで増えたのかを計算してみました。
$$\begin{align}47000\times \sqrt[ 7 ]{ \frac{47000}{3400} }^{\left( 2022-2014\right)}=&945501 \\\\ \fallingdotseq &950000 \end{align}$$
計算した自分がうらめしくなりました。
番組では、 南米あたりでは、増えすぎた特定外来生物(魚)を獰猛で貪食な在来生物(魚)に食べさせることで数を減らしたという例が紹介されていましたが、
これは、かなりのレアケースだろうと思います。
たいていは、外来生物のほうが、環境適応能力も繁殖力も高いですからね。
日本において、キョンを駆除できる在来生物(肉食獣)で想定できるのはクマぐらいですが、
キョンはすばしっこいらしいので、クマでは手に負えないのではないかと思います。
ただただ増えるキョンをこのまま見過ごすしかないのでしょうか。ちょっと怖くなる数字でした。
最近読んだビジネス書で、大きな出費をするときは、自分なりの基準と10年ぐらいの長い時間軸を持った上で決断しなさい。と書いてありましたが、この外来生物の持ち込みもそういう感覚が必要だったのでしょうね。
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この記事のタイトルは『特定外来生物の平均増加率を求めてみた。』です。
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