高校数学の「等差数列+等比数列」に関する問題を解いてみる。(Yahoo!知恵袋より)
[mathjax]
(1) 等差数列\( \ \lbrace a_n\rbrace \ \)の交差と等比数列\( \ \lbrace b_n\rbrace \ \)の公比を求めよ。
(2) \( \ c_n=a_n+b_n\quad \left( n=1 \ , \ 2 \ \ , \ 3 \ , \ \cdots\cdots\right) \ \)とする。このとき、\( \ c_1+c_2+c_3+\cdots\cdots+c_n \ \)を\( \ n \ \)を用いて表わせ。
(3) \( \ c_n=a_n+b_n\quad \left( n=1 \ , \ \ 2 \ , \ 3 \ , \ \cdots\cdots\right) \ \)とする。このとき、\( \ \sum_{k=1}^{n}{\left( c_{2k-1}-c_{2k}\right)} \ \)を\( \ n \ \)を用いて表わせ。
等差数列と等比数列の一般項を覚えていますか?
$$\begin{align}等差数列\lbrace a_n\rbraceの&公差を \ d \ とする。 \\\\ a_n=&dn-2-d\quad であり \\\\ a_3=&3d+2-d=-6\\\\ d=&-4\\\\ ゆえに \ a_n=&-4n+6 \end{align}$$
$$\begin{align}等比数列\lbrace b_n\rbraceの&公比を \ r \ とする。\left( ただし、r \neq 0 \ , \ r \neq 1\right)\\\\ すると \ b_n=&2\cdot r^{n-1} \\\\ a_2+b_2=&-2+2r=4 \\\\ r=&3 \\\\ ゆえに \ b_n=&2\cdot 3^{n-1} \end{align}$$
$$\begin{align}以上より\quad &公差は\quad -4 \\\\ &公比は\quad 3 \end{align}$$
ここで特記すべきは、「等差数列の一般項の表し方について」です。
\( \ a_n=a_1+d\left( n-1\right) \ \)
だと思います。(以下「教科書型」とさせていただきます)
しかし、解答は、この形ではなく、\( \ a_n=dn+a_1-d \ \)で答えるのが一般的です。(こちらは以下「解答型」とさせていただきます)
私も、再受験生時代の初期は、「教科書型」を覚えて、そこから「解答型」に変形していたのですが、この変形の時間や作業がもったいない。
そこで、「教科書型」を変形しただけの「解答型」を覚え直すことにしました。
本当にちょっとしたことなんですが、この効果は私の中では大きかったです。
実際、求められる一般項は、「解答型」なのですから、最初から「解答型」にあてはめれば、いろいろ手間は省けます。
等差数列の和と等比数列の和を覚えていますか?
$$\begin{align}S_n=&c_1+c_2+c_3+\cdots\cdots+c_n\quad とする. \\\\ S_n=&\sum_{k=1}^{n}{c_k} \\\\ =&\sum_{k=1}^{n}{\left( a_k+b_k\right)}\\\\ =&\sum_{k=1}^{n}{a_k}+\sum_{k=1}^{n}{b_k} \\\\ =&\frac{n}{2}\left( 2-4n+6\right)+\frac{2\left( 1-3^n\right)}{\left( 1-3\right)}\\\\ =&-2n^2+4n+3^n-1 \end{align}$$
「n」の意味の違いを理解できれば、楽勝!
$$\begin{align}c_{2n-1}=&a_{\color{#f700ca}{2n-1}}+b_{\color{#0004fc}{2n-1}} \\\\ =&-4\left( \color{#f700ca}{2n-1}\right)+6+2\cdot 3^{\color{#0004fc}{\left( 2n-1\right)}-1} \\\\ =&-8n+4+6+2\cdot 9^{n-1}\\\\ =&-8n+10+2\cdot 9^{n-1} \end{align}$$
$$\begin{align}c_{2n}=&a_{2n}+b_{2n} \\\\ =&-4\cdot 2n+6+2\cdot 3^{2n-1} \\\\ =&-8n+6+\frac{2}{3}\cdot 9^n \end{align}$$
$$\begin{align}ここで,\quad d_n=&\left( c_{2n-1}-c_{2n}\right)\quad とする. \\\\ d_n=&4-\frac{4}{9}\cdot 9^n=4-4\cdot 9^{n-1} \end{align}$$
$$\begin{align}\sum_{k=1}^{n}{d_k}=&4n-\lbrace \frac{4\left( 1-9^n\right)}{\left( 1-9\right)}\rbrace \\\\ =&4n-\frac{1}{2}\left( 9^n-1\right) \end{align}$$
もとの\( \ n \ \)に\( \ 2n-1 \ \)または、\( \ 2n \ \)を入れて大丈夫です。
混乱しそうな人は、\( \ n=2m-1 \ \)または\( \ n=2m\quad \left( mは自然数\right) \ \)とすればいい。
上の解答例で、ピンクまたは青で書いている\( \ 2n-1 \ \)を確実に書き込めれば、あとは式変形して和を求めるだけなので、実はこの山さえ越えればあとは楽勝な問題だといえます。
これは要するに、「自然数だったら、何入れてもいいよ。いちいち書くのめんどくさいから、\( \ n \ \)にしとくね〜。」ということでしょう。
今回、あえて書き換えなかったのですが、数列\( \ \lbrace c_n\rbrace \ \)の\( \ n \ \)と、\( \ 2n-1 \ \)または\( \ 2n \ \)の\( \ n \ \)は、意味合いが少し違います。
前者の\( \ n \ \)は、「自然数なら何いれてもいいよ〜。」の\( \ n \ \)なので、私たちは、一般項の\( \ n \ \)に確実に\( \ 2n-1 \ \)または\( \ 2n \ \)を代入する必要があるんですね。
ネギとタコがあるので、記事の公開後、タコのみ焼きでも作ろうと思います♪
こたえ
$$\begin{align}\left( 1\right)\quad \quad &公差: \ -4\quad ,\quad 公比: \ 3 \\\\ \left( 2\right)\quad \quad &-2n^2+4n+3^n-1 \\\\ \left( 3\right)\quad \quad &4n-\frac{1}{2}\left( 9^n-1\right) \end{align}$$
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