「西暦2345年の元日は何曜日?」問題を解いてみる。(その2)

2022年2月24日数列,整数の性質Excel&Spreadsheet

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Google Alertsに「西暦2345年の元日は何曜日?」という表示があったので、問題を解いてみました。

ただし、うるう年には厳格な規定があったので、この記事では、そこを修正した解法を載せています。

西暦2345年の元日は何曜日? 計算する方法を考えよう
ちなみに、「西暦2345年の元日は何曜日?」問題を解いてみる。(その1)という記事もあります。

問題を解くのにおさえておきたいこと

西暦Y年はうるう年?

西暦Y年がうるう年かどうかは以下の3つの基準で判定できます。
基準1:Yが( \ 400 \ )の倍数の年はうるう年である。
西暦400年、800年、1200年、1600年、2000年、2400年( \ \cdots\cdots \ )

基準2:Yが( \ 100 \ )の倍数であって、( \ 400 \ )の倍数でない年は平年である(うるう年でない)。
西暦100年、200年、( \ \cdots\cdots \ )1900年、2100年、2200年、2300年、2500年( \ \cdots\cdots \ )

基準3:Yが( \ 4 \ )の倍数であって、( \ 100 \ )の倍数でない年はうるう年である。
西暦4年、8年、( \ \cdots\cdots \ )96年、( \ \cdots\cdots \ )2004年、2008年、( \ \cdots\cdots \ )2020年、2024年、( \ \cdots\cdots \ )2344年、( \ \cdots\cdots \ )

曜日を数字で表しておく

ここで、曜日を数字で表すことにします。
表計算ソフトにならって、
以下のようにしました。

曜日 数字(mod7)
日曜日 1
月曜日 2
火曜日 3
水曜日 4
木曜日 5
金曜日 6
土曜日 0

うるう年の曜日を等差数列で求める

元日の曜日は、4年毎に5日進むことがわかっています。
あるうるう年は2020年の元日から何日進んでいるかを等差数列で表します。
初項は水曜日を表す\( \ 4 \ \),公差は\( \ 5 \ \)ですから、
\( \ a_n=5n-1 \ \) (ただし\( \ n \ \)は自然数)

等差数列に西暦を代入できるようにする

等差数列を用いることで、うるう年ごとに何日増えたかが計算できるようになりました。
しかし、数が大きくなるので、迷わず計算できるようもうひとくふう加えます。

\( \ n \ \)を西暦を用いて表せるようにします。
あるうるう年を\( \ \mathrm{U} \ \)とする。
(\( \ \mathrm{U} \ \)は、\( \ 2020 \leqq \mathrm{U} \ \)で、かつ\( \ {\mathrm{U}} \equiv {0} \pmod {4} \ \)を満たす4桁の整数)

\( \ n=\displaystyle\frac{\mathrm{U}-2020}{4}+1 \ \) と表せるので、
等差数列\( \ a_n \ \)あらため、\( \ a_\mathrm{U} \ \)は、

\( \ a_\mathrm{U}=5\left( \displaystyle\frac{\mathrm{U}-2020}{4}+1\right)-1 \ \) である。

うるう年の基準2を無視して計算する

まずは、4年毎にうるう年が来る。と仮定して、2345年に近いうるう年の元日までに何日増えるかを計算してみます。

2345年に最も近いうるう年は2344年なので、\( \ a_{2344} \ \)を求めます。
$$\begin{align}a_{2344}=&5\left( \displaystyle\frac{2344-2020}{4}+1\right)-1 \\\\ =&5\left( \displaystyle\frac{324}{4}+1\right)-1 \\\\ =&5\times 82-1\\\\ =&410-1\\\\ =&409 \end{align}$$ そして、2345年はうるう年の翌年なので、2日増えることになりますから、
\( \ 409+2=411 \ \)

2020年の元日から2345年の元日までに411日増えることになります。

235年間にうるう年でない年があった。

まずは、正確に計算するため、4年毎にうるう年が来ると仮定しました。
しかし、うるう年の判定基準2より、2100年、2200年、2300年はうるう年ではなく、平年の扱いとなっています。
ということは、上の計算では、3日多く加えていることになるのですね。
すなわち、仮定で求めた2345年の元日の曜日の3日前が、本来の2345年元日の曜日ということになります。

\( \ 411-3=408 \ \)
\( \ {408} \equiv {2} \pmod {7} \ \)

数字2は月曜日ですから、
2345年の元日は月曜日です。


 

プロフィール

Author Profile
Lukia_74

元・再受験生、元塾講師、元高校非常勤講師。広島育ち。
中・高国語の教員免許を取得するも、塾講師時代は英語や数学ばかり教えていた。
思うところあって大学再受験を決意。理転し、数学Ⅲ、化学、生物を独習する。国立大学へ合格するも、2018年3月に再受験生生活にピリオドを打つ。
モットーは「自分の予定はキャンセルできても、生徒の予定はキャンセルできない」と「主婦(夫)こそ理系たれ」。
広島のお好み焼きとグレープフルーツが大好き。どっちかというと左党。楽しみはひとりカラオケ。
高校で教鞭を取った経験から、現在は「現代文」と「小論文」の指導力アップを目指し、自己研鑽中。最近は趣味として高校数学を解く。

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