ParaDo(パラドゥ)攻めてる!爪に萬葉集(その1)

2022年12月10日古典文法,古文

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萬葉集×ネイル

セブンイレブンで販売されているコスメ、パラドゥをご存知の方は多いと思います。
お手頃な価格で、さまざまな色が楽しめる、素敵なコスメですよね。
最近、ネイルポリッシュを買い足したくて、パラドゥのサイトにアクセスしてみたら、
思いがけず超和風・超古風なのに、
超攻めてるネイルがラインナップされていました。

パラドゥ ミニネイル 2022年秋 恋歌シリーズ

パラドゥ ミニネイル 2022年秋 恋歌残念ながら、ほしい色はなかったので、
ほかでネイルを探すことにしたのですが、
紹介ページにあった歌が気になりました。

またまた見つけた!変体仮名!と思ったら。

ネイルと和歌って異色の組み合わせだな〜。と思うとともに、
どうしてこの歌が選ばれているのか知りたくなりました。

まずは、読めるところまで読んで、ネット検索をしてみました。

Lukia_74

Lukia

初見では、
「秋づけば 尾花が○に ○くつゆの 消ぬべくも○は ○ほゆるかも」
と読めたので、(○は読めなかった文字)
「秋づけば 尾花が」までを入力して検索してみました。

すると、萬葉集に収録されている
日置長枝娘子(へきのながえのをとめ)の歌とわかりました。

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Lukia

へぇ〜、「尾花が○に」の「○」は、「上」だったんだな〜。

さらに「上 変体仮名」で検索したら、

「上」(U+4E0A) 日本古典籍くずし字データセットをみつけました。
お時間がある方は、ご覧になってほしいのですが、
昔の人は、かなり自由な「上」を書いているんですね。

今は、短い横の画を左から右に書くのですが、
右斜め上から、左下に向かってはらうように書いているものとか、
書き順どうなってんの?どうくずしたらそうなるの?という「上」のオンパレードなんです。

ひとまず、歌と作者名、収録されている歌集もわかったので、
くずし字について調べることはここまでで打ち切っておりました。

正確には草書でした

そして、図書館で萬葉集と萬葉代匠記(まんようだいしょうき)まで調べきり、
記事を書こうとしてあらためてパラドゥのサイトを見たところで、ようやく気がつきました。
日置長枝娘子の歌

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Lukia

あれ?ひらがなは普通に読めるぞ?じゃ、変体仮名じゃない?

振り返ってみると私が読めなかったのは漢字であって、
かなではありませんでした。

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Lukia

じゃ、この文字、何書で書かれているのよ?!

大学時代の暗黒の書写授業を思い起こしてみます。
草書か行書ではないかとあたりをつけてネット検索してみました。

そして、 漢字の一覧というサイトにて、草書だとわかりました。
どうやったら、「上」がこんな(草書の)「上」になるのか。。。
成り立ちについて想像もつきません。

こうなってくると、「上」という字そのものが気になってきて、あれこれネット検索をしてしまいました。
龍渓(りゅうけい)さんとおっしゃる書に堪能な方のサイト、「漢字を書こう ~Let’s write Japanese~」には、ペンで書かれた草書の「上」があります。


おそらくカタカナの「ソ」のように書いておいて、
下に横一文字を書くのだろうと思うのですが、
どうやったらこんな文字になるのか、すっごい不思議です。

また、庄内拓明さんの「今日の一撃」というブログでは、
楷書の「上」の書き順が「意外」であることについて触れられています。


「上」の書き順は、私も長らく「横→縦→横」と書いてきたのですが、
塾で小学4年生の国語の指導をするとき、
実は「縦→上の横→下の横」と書くのが正しい書き順であるとされていることを知り、直した記憶があります。

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Lukia

当時の中学入試では、書き順が問われることもあったようですからね。
教える側が正しい書き順を知っておかないと。

国語を教える者の端くれとしては、
小学校までで習うような常用漢字の書き順は
できるだけ正しく書けるようにしておいてほしいと思います。

書き順には、その人が受けてきた基礎教育の質や、
本人の受ける態度などが反映されているように思うからです。

クイズ番組で、めちゃくちゃな書き順で答えを書いている芸能人を見かけると、
この人の小学校の先生は、国語にあんまり力を入れていなかったのかな。
書き順や文字を書くことに重きを置いてなかったのかな。
と思ってしまいます。
また、本人も書き順なんてどうでもいい、正しく書けていればそれでいい。という考えのもと、先生の注意を聞き入れなかったのかな。と思ったりもします。

自分の基本的な所作や振る舞いが相手に違和感をもたせることは、本人にとって得にはなりません。

いい年の大人になれば、
書き順が間違っていても、もう指摘はされないでしょうが、
内心、(あ、書き順違う)なんて思われている可能性もあるのです。

書き順は、 (右利きの人の)バランスのいい美しい文字の運筆がもとになっています。
逆に言えば、書き順に注意すれば、美しいバランスの文字が書けるといえます。

しかし、えんぴつやボールペンなどでは、筆のようなとめ、はらいなどができにくいので、
書き順の理屈がぴんとこない人が多いのではないかと思います。

書き順がいまいち覚えられない場合は、
行書あたりをお手本にして、
筆ペンや筆などを持って、字を書いてみるといいかもしれません。

思いがけず、文字のことで脱線してしまいましたが、
次回からは、日置長枝娘子の歌について書いていこうと思います。


 

プロフィール

Author Profile
Lukia_74

元・再受験生、元塾講師、元高校非常勤講師。広島育ち。
中・高国語の教員免許を取得するも、塾講師時代は英語や数学ばかり教えていた。
思うところあって大学再受験を決意。理転し、数学Ⅲ、化学、生物を独習する。国立大学へ合格するも、2018年3月に再受験生生活にピリオドを打つ。
モットーは「自分の予定はキャンセルできても、生徒の予定はキャンセルできない」と「主婦(夫)こそ理系たれ」。
広島のお好み焼きとグレープフルーツが大好き。どっちかというと左党。楽しみはひとりカラオケ。
高校で教鞭を取った経験から、現在は「現代文」と「小論文」の指導力アップを目指し、自己研鑽中。最近は趣味として高校数学を解く。

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Posted by Lukia_74