【 45 】論理と集合 「必要条件と十分条件の判定問題」を解いてみる。
読了時間: 約1分57秒
[mathjax]
問題
次の( )内にあてはまるものを、下の(ア)~(エ)のうちから一つ選べ。
\( \ x \ \) , \( \ y \ \) は 実数とする。
\( \ x \lt y \ \)は\( \ x^2 \leq y^2 \ \)となるための( )。
(ア) 必要十分条件である
(イ) 必要条件であるが十分条件ではない
(ウ) 十分条件であるが必要条件ではない
(エ) 必要条件でも十分条件でもない
NS判定問題における恩師 沖田一希先生
この「必要条件と十分条件の判定問題」シリーズは、
東進衛星予備校の沖田一希先生との出会いがなかったら実現しませんでした。
以下の記事には、沖田一希先生の御紹介と問題の考え方を示しています。
解法
主語(N:必要)を考える
主語(N:必要)は、「\( \ x \lt y \ \) 」です。
これは、図の赤い斜線部分に相当します。
ただし、境界は含みません。
これは、図の赤い斜線部分に相当します。
ただし、境界は含みません。
述語(S:十分)を考える
国語的には、厳密な述語は「○○条件である」の部分ですが、
この述語を修飾(詳しく説明)する「 \( \ x^2 \leq y^2 \ \)(ための) 」を
述語(S:十分)としておきます。
\( \ x^2= \pm x \ \) , \( \ y^2= \pm y \ \) であるから
\( \ \pm x \leq \pm y \ \)とし、
以下の図のように、4つの場合分けをします。
そして、それぞれの領域を求めていけば、砂時計のような領域ができあがります。
図では、青い斜線部で示しています。
またこのとき、境界は含みます。
この述語を修飾(詳しく説明)する「 \( \ x^2 \leq y^2 \ \)(ための) 」を
述語(S:十分)としておきます。
\( \ x^2= \pm x \ \) , \( \ y^2= \pm y \ \) であるから
\( \ \pm x \leq \pm y \ \)とし、
以下の図のように、4つの場合分けをします。
そして、それぞれの領域を求めていけば、砂時計のような領域ができあがります。
図では、青い斜線部で示しています。
またこのとき、境界は含みます。
包含関係より判定する
ここで、主語(N:必要)と述語(S:十分)の包含関係を考えてみます。たとえるなら、パーとグーしか出せないじゃんけんをしているようなものです。
パー(紙)は、グー(石)を包み込んでしまいますね。
また、一方が他方を完全にもれなく包み込んでしまう場合のみ、必要条件や十分条件が成り立ちます。
逆にいうと、ひとつでも例外(もれ)があれば、必要条件も十分条件も成り立ちません。
いま、主語(N:必要)の領域を赤い斜線部で示し、
一方、述語(S:十分)の領域を青い斜線部で示しています。
砂時計の上は、赤と青の斜線が交わっているものの、砂時計の下の部分は青のみ、砂時計の外側左は赤のみの状態ですね。
必要条件や十分条件は、完全な包含関係が成り立つ場合しかいえないので、
完全な包含関係が成り立っていない今回の場合は、どちらの条件もいえない。ということになります。
よって、答えは、「 (エ) 必要条件でも十分条件でもない 」 となります。
一方、述語(S:十分)の領域を青い斜線部で示しています。
砂時計の上は、赤と青の斜線が交わっているものの、砂時計の下の部分は青のみ、砂時計の外側左は赤のみの状態ですね。
必要条件や十分条件は、完全な包含関係が成り立つ場合しかいえないので、
完全な包含関係が成り立っていない今回の場合は、どちらの条件もいえない。ということになります。
よって、答えは、「 (エ) 必要条件でも十分条件でもない 」 となります。
こたえ
(エ) 必要条件でも十分条件でもない
2021年現在、必要条件と十分条件の判定問題に関する記事は、2021年7月23日から2021年9月2日の間で、42記事公開しています。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません