その日の危険率は、最高気温・最低気温にかかっている?!【重回帰分析で冷え痛みを予防する】
読了時間: 約4分25秒
危険率の回帰方程式を求めた
1日の平均気温・最高気温・最低気温・寒暖差の4項目を説明変数とし、4項目をもとにした評価(危険率)を目的変数とした1年分のデータについて重回帰分析を行いました。
1年分のデータは気象庁からもらってきて、Googleスプレッドシートでまとめ、
重回帰分析は、『XLMiner Analysis ToolPak』というアドオンを使っています。
重回帰分析は、『XLMiner Analysis ToolPak』というアドオンを使っています。
このままだと、回帰方程式が信用できるものかどうかを判断できないので、
4項目それぞれと危険率との相関係数を取ってみました。
すると、寒暖差 と 危険率に強い相関性があるとはいえないことがわかりました。
あらためて、平均気温・最低気温・最低気温の3項目と危険率で重回帰分析を行うと、
今度は高い寄与率が出ました。
寄与率が高いからでしょうが、
回帰方程式で求めた目的変数も、元の目的変数とほぼ誤差レベルの値でした。
危険率を\( \ \mathrm{D} \ \)とし、
1日の最高気温を\( \ x_1 \ \),
1日の最低気温を\( \ x_2 \ \),
1日の平均気温を\( \ x_3 \ \) とする。
求める回帰方程式は、
\( \ \mathrm{D}=88.0481+1.4867x_1-3.2864x_2-1.0522x_3 \ \)
1日の最高気温を\( \ x_1 \ \),
1日の最低気温を\( \ x_2 \ \),
1日の平均気温を\( \ x_3 \ \) とする。
求める回帰方程式は、
\( \ \mathrm{D}=88.0481+1.4867x_1-3.2864x_2-1.0522x_3 \ \)
一日の平均気温を求めたい!
重回帰分析をして、危険率の回帰方程式を求めたことで、その日の平均気温・最高気温・最低気温の予想値があれば、
その日の危険率を計算できるところまできたのですが、
新たな問題が。
天気予報のサービスを行うサイトやアプリは、
その日の最高気温や最低気温については予想してくれるのですが、
さすがに、1日の平均気温まで予想するとか、情報を取得しやすくしているところはないのです。
正確な危険率を求めたいなら、毎週、気象庁ホームページに予想データを取りに行くなど、
何かしらの手間をかける必要があります。
でも、それ、週一回でもめんどくさい。
一日の平均気温の回帰方程式を求めた
試しに、その日の最高気温と最低気温の平均を求めてみましたが、そんな単純な値でもないようです。
合う日もあるし、合わない日もありました。
決まった時間に計測した数回の気温の平均のようなので、
日中の温度変化が激しかったら、最高気温と最低気温の平均にはおさまらないことになりますよね。
そこで、平年の最高気温、最低気温を説明変数、
平均気温を目的変数として重回帰分析を行い、回帰方程式を求めました。
1日の平均気温を\( \ x_3 \ \) とし、
1日の最高気温を\( \ x_1 \ \),
1日の最低気温を\( \ x_2 \ \) とする。
求める回帰方程式は、
\( \ x_3=-1.274+0.5959x_1+0.4112x_2 \ \)
1日の最高気温を\( \ x_1 \ \),
1日の最低気温を\( \ x_2 \ \) とする。
求める回帰方程式は、
\( \ x_3=-1.274+0.5959x_1+0.4112x_2 \ \)
これにより、平均気温の回帰方程式が求まったので、
予想最高気温と予想最低気温さえわかれば、平均気温も求められるようになりました。
さらにこの平均気温・最高気温・最低気温を元の回帰法程式に代入すれば、
その日私がお腹を冷やす危険率が求まるようになりました。
私のお腹冷え対策は、その日の予想最高気温と予想最低気温がカギとなったわけです。
著書のおしらせ
2023年7月11日に 『重回帰分析を知った30日後、競馬予想デビューしてみた。』 をKDP出版いたしました。この本は、「重回帰分析」を学んだ段階で、
実生活にいろいろと活かせた私自身の体験や感動から生まれた本です。
多くの専門家は、さまざまな「多変量解析」の手法を紹介・解説して一冊の本にまとめあげていますが、
私の本で扱うのは、多変量解析の初歩にあたる「重回帰分析」に限定しています。
ですから、将来専門家を目指すような方には、不足が多いと思います。
しかし、「重回帰分析」を学んだだけでも、
学んだ人のニーズに合わせて、さまざまな「予測」が可能になります。
この体験が、さらに「多変量解析」そのものへの興味・関心を深め、
データ分析を通じて、論理的に最適解を求める姿勢が育めると考えています。
著作としては拙い部分もあるのですが、
「多変量解析の入門書」の入門書のような位置づけとしてお読みいただければ幸いです。
『重回帰分析を知った30日後、競馬予想デビューしてみた。』
あなたには、以下のような体験はありませんか。以下の記事一覧に他のボリュームのブログカードを載せています。
「長年の経験やカンからまちがいはないものの、根拠としては弱いような気がして、強く主張できなかった」
「法則性や傾向があることはわかっているけれど、要因が複数あるため、どれが決め手になるのかつかみ切れず、もやもやした」
「自分や他者が決断を下すとき、現実味のある数値を用いて、その先に起こることが示されていれば、積極的にスピーディーに決断できるのにとじれったい思いをした」
これらのお悩み、「多変量解析」で解決できるかもしれません。
本書では、「多変量解析」の中でも「予測」のデータ分析手法である「単回帰分析」と「重回帰分析」を御紹介します。
しかも、Googleスプレッドシートとアドオン「XLMiner Analysis ToolPak」を用いますので、
未経験の方、専門外の方でも簡単に重回帰分析が行えます。
本書は、「多変量解析の入門書」の入門書のような位置づけをめざしていますので、
以下のようなことに力を入れています。
重回帰分析を行うにあたり、どんな種類のデータを用いるべきかをていねいに示す。
単回帰分析について数学的な解説(紹介レベル)
架空の4人家族の話を通じて、回帰分析の理解やアドオンのすごさをお伝えする。
著者 新が 重回帰分析を競馬予想に用いた体験や反省点を示す。
私自身は、重回帰分析を独習するのに30日かかりましたが、
この本は、私が独習するにあたり、
(こんな本があったらもう少し早く重回帰分析デビューできたのに)と思って書きました。
ですから、本書には、読後数時間で重回帰分析デビューできるように、知っておくべき事柄を盛り込んでいます。
全ての事象には 原因や要因、きっかけとよばれることがらがあり、
また導かれた結果には複数の要因がからんでいることがあります。
重回帰分析を行うことによって、ある条件を満たした数値によって表された「要因と思われるもの」と、「結果となるもの」の間の関係性の有無やその程度が明らかにできます。
原因と結果は、どんな人の人生にも生活にも必ず存在するものです。
「データ分析なんて、自分の人生に関わりがないだろう」と思っていらっしゃるあなたにこそ読んでほしいと思います。
途中のボリュームからお読みになった方はこちらからどうぞ。