粗忽な大人、新中学3年生にアドバイスする【粗忽な大人、高校入試問題を解く〜それ、誤答です!〜】

2022年4月21日中学数学

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広島県公立高校入試の2022年、2021年、2020年の数学の問題を解いてみました。
深い読解能力と素早い処理能力が必要とされる問題になっているな。と感じました。
今回は、3ヶ年分の問題を解きながら感じたことと、今後の受験勉強の参考になるようなことが書けたらと思います。

なにしろ読解力よ。

何十年ぶりかに解いた公立高校入試でしたが、
ま〜、私が受けた頃の問題とは、様子が全く変わっていました。

驚いたのは、数学の問題なのに、読解力が必要なことです。

Lukia_74

Lukia

数学なのに、読む文字数がハンパない!(汗)

私の頃は、オーソドックスな問題だったので、結構時間が余ったように思いますが、
この3ヶ年分の問題は、実生活に根ざした内容だったり、会話文から解法を導き出す必要があるので、
うっかりすると時間が足りないぐらいの文字量でした。

大学入学共通テストもこういう感じの問題になっているので、
「オレ(私)、数学はできるほうだから、国語苦手でもいいや〜。」とか、
「オレ(私)、理系だから、国語ができなくてもいいや〜。」なんて言えない時代になっていくように思います。

教科ごとに分断された知識ではなく、連携された総合的な学力が求められるという意味では、
これからの受験生の勉強は、これまで通りの単なる問題演習だけでは足りないといえるでしょう。

ひとまず、「つまり、〜ということ。」と、理解した内容を自分の言葉で言い換える(まずは自分だけが理解できるレベルで十分です)訓練し、習慣づけましょう。

過去問主義になろう!

まず、中学2年から中学3年生になる春休みぐらいに、入試問題にあたってみましょう。

え〜、まだ3年生の内容を教わっていないから、全部解けないし、それで点数が悪くて落ち込んだら嫌じゃん。
と思う方もあるかと思いますが、

問題が、中2までの内容なのか、そうではないのかの判断をつけられますか?
また、中学2年生までに習った範囲であれば、確実に解けますか?

現段階でどの程度の力を持っているのかが把握できなければ、
この1年どんな勉強をするべきか、来年の今頃までにどのぐらいまで完成度を高めなければいけないかを判断できません。

この判断ができないと、明後日の方向の受験対策を行ってしまいます。
やみくもに本屋で(たいていお母さんと一緒にいる人を見かけます)問題集や参考書を買ってしまうのがいい例ですね。

受験生は本屋に行くな!

ちょっと脱線しますが、春や秋の本屋の受験対策コーナーでは、親子連れや友達同士などを見かけます。
元塾講師・元再受験生・元非常勤講師の私としては、大変残念な光景です。

なんで、お金を落としに来た?と思っちゃうんですね。

学校や塾で配付されているものは、プロが選んでいるものですから、受験生でもないあなたや、何十年前に受験生だった保護者が選んだものより、現在のあなたにしっくりくるもののはずです。
また、学校や塾は、そういうものを買わずとも勉強できるぐらいの量と質を持ったものを配付していますので、使う時間がないかもしれません。

断言します。
勉強が苦手な人は、新たな本を買っても、使いこなせる時間はほぼありません。
それよりは、プロが選んだものを使って、答えを覚えるのではなく、解法がすらすら出てくるまで繰り返してください。
どうしても買いたいなら、志望校の過去問を買うぐらいにとどめてください。(これを買うのは逆におすすめです)

過去問を解いて自分の現状を把握しよう

さて、過去問を解いたとして、以下のフローチャートで自分がどのタイプだったかを判断してください。
大まかにA〜Dの4つのタイプに分けてみました。

勉強のフローチャート

Aタイプの人

数学が得意と自認できている方だろうと思います。これまでの学習内容がしっかり身についているので、この調子でがんばってほしいと思います。数学の勉強には少し余裕が持てそうなので、読解力を深める練習をしてみるといいかもしれませんね。

Bタイプの人

これまでの学習内容は理解できているけれど、頭の中の解法の引き出しを開けるスピードや、どの引き出しかを判断する力がまだ備わっていないと考えられます。こういう「反応が鈍かった」問題を強化すれば、まだまだ力は伸びます。手持ちの教科書や問題集で類似問題を解いたり、読み込むようにしましょう。数学のセンスがないのではなくて、単に練習不足なだけですよ。

Cタイプの人

問題がすでに習った範囲かどうかの判断はつくものの、確実な解法かどうかは自信がない。という状態でしょう。これは、すごくもったいないです。教科書を読み込み、同じ練習問題でいいですから何度もやって、解法を体に覚え込ませましょう。教科書内容があやふやで問題に当たっても、いたずらに自信を失うだけです。まずはきっちり(ぎっちり)基礎事項を身につけてください。

Dタイプの人

「千里の道も一歩から」ということわざもあるように、基礎事項の練習をしましょう。
期間を決めて(1〜2ヶ月ぐらい)、教科書の例題だけを解く。とか、練習問題の奇数番号だけを解く。などして、周回します。なんなら解き切るのにかかった時間や日数も記録しておくと、学習効果がわかってモチベーションが上がるかもしれません。
また、10分向き合ってもわからない問題があれば、翌日数学の先生に教えてもらいましょう。
どれが解けて、どれがわからないのか。ということや、わからない問題を自分だけで解決できるかできないかという判断をつけることは、思ったよりも難しいことです。
単純なことですが、テストはわからないことを減らせば、それだけ得点が上がります。

「何がわからないか、わからない。」なんて言う人もいますが、受験に王道なし。
どこからわからなくなっているのかは、実際に問題を解いて、地道に・地味〜に調べるしかないのです。

どのタイプでもできたほうがいいこと

読解力と速読力を高めよう

広島県の公立高校入試の問題は、問題の難易度を考えずに、小問数で試験時間を割ると、
1小問あたり、3分弱で解く計算になります。
前半はこのペースが守れても、後半は訓練しなければ解法を思いつけず、焦ってしまうことになります。

そこで、教科書(あらゆる教科)を見開き2ページぐらい読み、覚えている言葉や気になった言葉を書き出してみましょう。
そして、簡潔にまとめてみましょう。「読解力」の正体は、「まとめる力」です。
これからの数学は、自分が理解した内容を自分の言葉でわかりやすく言い換える力が必要になります。

大問1と2は落とさない

広島県の公立高校入試問題の大問1と2は計算や数値を代入したり、基礎事項の確認をする問題が多いです。
ここで、差をつけられないよう、全問正解できるようにしましょう。
すでに全問正解できる力がある人は、解答スピードを上げましょう。
1小問あたり3分弱までなら時間がかけられますが、
大問5や大問6に時間をかけられるよう、大問1全体を3分弱で解くぐらいのスピードをつけましょう。

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プロフィール

Author Profile
Lukia_74

元・再受験生、元塾講師、元高校非常勤講師。広島育ち。
中・高国語の教員免許を取得するも、塾講師時代は英語や数学ばかり教えていた。
思うところあって大学再受験を決意。理転し、数学Ⅲ、化学、生物を独習する。国立大学へ合格するも、2018年3月に再受験生生活にピリオドを打つ。
モットーは「自分の予定はキャンセルできても、生徒の予定はキャンセルできない」と「主婦(夫)こそ理系たれ」。
広島のお好み焼きとグレープフルーツが大好き。どっちかというと左党。楽しみはひとりカラオケ。
高校で教鞭を取った経験から、現在は「現代文」と「小論文」の指導力アップを目指し、自己研鑽中。最近は趣味として高校数学を解く。

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Posted by Lukia_74