固定費のジレンマ(損益分岐点への影響)
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問題
変動費が1万円、 固定費が3億円である製品を製造することとした。このとき、見込み販売数を5万台として、利益率20%とする。 見込み販売 数5万台を販売した時点で、まだ顧客からの需要が続いている。しかし、 製造装置の耐久性から、7万台を超えての製造には、製造機器の更新が必要である。製造機器の更新に6億円必要である。
問1 この更新を行った後の損益分岐点の販売数量を求めよ。
問2 7万台を超えて製造販売した場合に、得られた利益が、売上の20%を超えるのは、何台販売したときか。
問3 さらに7万台を超えて販売したときに、7万台を販売したときの利益率と同じ利率となるのは、何台販売したときか。
問1 この更新を行った後の損益分岐点の販売数量を求めよ。
問2 7万台を超えて製造販売した場合に、得られた利益が、売上の20%を超えるのは、何台販売したときか。
問3 さらに7万台を超えて販売したときに、7万台を販売したときの利益率と同じ利率となるのは、何台販売したときか。
損益分岐点は2つの直線の交点
損益分岐点は、売上高を表す赤い直線と、変動費+固定費を表す紫の直線の交点です。売上数量を \( \ x \ \) ,金額を \( \ y \ \) とします。
販売単価を \( \ a \ \) , 一つあたりの変動費を \( \ b \ \) , 固定費を \( \ c \ \) とします。
売上高は \( \ y=ax \ \)
変動費は \( \ y=bx \ \)
固定費は \( \ y=c \ \)
変動費+固定費は \( \ y=bx+c \ \)
さらに、
損益分岐点の数量は、\( \ x=\displaystyle\frac{c}{\left( a-b\right)}=\displaystyle\frac{\rm{固定費}}{\left( \rm{販売単価}-\rm{変動費}\right)} \ \)
利益は、\( \ y=\left( a-b\right)x-c=\left( \rm{販売単価}-\rm{変動費}\right)x-\rm{固定費} \ \) で求められます。
解法
販売価格を求める
損益分岐点を求めるには、販売価格、変動費(1個あたりの)、固定費がわかっていないといけません。まずは、販売価格を求めます。
見込み販売数を5万台のときの利益率が20%なので、
$$\begin{align}\rm{利益率}=&\frac{\left( \rm{販売単価}-\rm{変動費}\right)\times \rm{販売数量}-\rm{固定費}}{\rm{売上高}} \\\\ 0.2=&\frac{\left( a-1\right)\times 5\rm{万}^2-3\rm{万}^2}{5a\rm{万}^2} \\\\ 0.2=&\frac{5a-8}{5a}\\\\ a=&5a-8\\\\ a=&2 \end{align}$$
ちなみに、1万円は\( \ 1\times 10^4 \ \)円,
3億円は、
\( \ 3\times 10^8=3\times 10^{4\times 2}=3\rm{万}^2 \ \)円と表しました。
3億円は、
\( \ 3\times 10^8=3\times 10^{4\times 2}=3\rm{万}^2 \ \)円と表しました。
製造機器の更新後の損益分岐点の販売数量
損益分岐点の販売台数を\( \ x \ \)とする。また更新後の固定費は9億となる。
$$\begin{align}2x\rm{万}=&x\rm{万}+9\rm{万}^2 \\\\ x\rm{万}=&9\rm{万}^2 \\\\ x=&9万 \end{align}$$
9万台
利益率が20%を超えるのは?
$$\begin{align}\frac{\left( 2-1\right)x\rm{万}-9\rm{万}^2}{2x\rm{万}} \geqq &0.2 \\\\ x\rm{万}-9\rm{万}^2 \geqq &0.4x\rm{万} \\\\ 0.6x \geqq &9\rm{万}\\\\ x \geqq& 15\rm{万} \end{align}$$15万台
利益率が7万台を販売したときと同じになるのは?
$$\begin{align}\frac{\left( 2-1\right)\times 7-3}{2\times 7}=&\frac{x-9}{2x} \\\\ \frac{4}{14}=&\frac{x-9}{2x} \\\\ 4x=&7x-63\\\\ 3x=&63\\\\ x=&21 \end{align}$$ 21万台よろしければ,アンケートに御協力ください。
アンケートでは、お読みになったタイトルをうかがいますので、御確認ください。
この記事のタイトルは『固定費のジレンマ(損益分岐点への影響)』です。
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