補充教員の電話でモヤモヤしたこと。(その2)【高校非常勤講師奮闘記】
働くイメージをもたせるくふうを。
まぁ、教務と人事のマネジメントは別物なので、いきなりやれる人がいるとも思えませんけどね。
危機的状況にあると認識はしているのでしょうが、痛感はしていないのかもしれません。
心のどこかで、まだ教員になりたがる人がいると思っているのかもしれませんね。
逆に、私の方は、今回のやり取りを通じて、
自分の生活のペースを崩さぬ範囲でできることがあれば協力したい。というスタンスなんだなと自覚しました。
人は、年齢や、結婚しているのか、はたまた家族の有無、
家族との交流の密度・濃度によって、仕事の選び方が変わってきます。
若い教員志望の人なら、校種と学校の所在地を聞いただけで決断するのでしょうが、
人生中盤・後半の人は、単独で決断するのは難しくなってきます。
また、若い人も、勤務条件などを確かめないまま仕事を始めて、
ほどなく、こんなはずじゃなかったと思うようになるかもしれません。
採用する側は、職務内容・スケジュール・報酬などについて、
問わず語りで説明できるようにしておくべきです。
採用時の配慮は、職場の状況を判断する材料になります。
採用担当者が、人員が不足している部署の業務内容をどれだけ把握しているかを探ることは、
その後の働きやすさにも関わってきます。
大抵の場合、採用担当者は、全体を統べるようなかなり上の立場の人であることが多く、
実務から離れて久しいとか、そもそもやったことがない。なんて場合もあります。
こういう人は、「大丈夫ですよ」とか、
「これまでにもやってる人がいたわけだから、(あなたにも)できますよ」という見込み論しかぶてないので、
注意が必要です。(業務内容把握していない人が採用担当になっている時点でヤバいと思います)
また、決断してくれるかどうかもわからない相手に具体的な説明をしても意味がないんじゃないか。と思って、
説明する材料を用意していないなら、それは大きな間違いです。
急遽回ってきた仕事に対し、
働く側が、どれだけ具体的にイメージできるか・やれると判断できるかで、
採用交渉の成功率は大きく変わるはずです。
ピンチを救ってくれそうな人に対し、最大限の誠意を示すのは当然のこと。
「大変なんだ、助けてくれ。詳しい説明は後でいいじゃないか。今すぐ決めてくれ。」のくりかえしでは、
誰も助けてくれません。
短時間で決断を迫るなら、
イメージしやすい材料を調えるぐらいの誠意は見せましょう。
姑息は姑息を生むだけです。
採用者は、前任者にタイムスケジュールを正直に報告してもらった上で、
(勤務時間が長いなら、正直に示しておきましょう)
業務内容をまとめた文書か、スライドを作って効率よく案内をしましょう。
登録名簿には、メールアドレスも書いてあるでしょうから、
文書を添付したり、スライドを公開するURLを送るなどして、
視覚・聴覚を使ったリクルートを行えば、互いに納得のいく採用が成立するはずです。
勤労者の知る権利は行使しましょう。
これから、臨時採用であっても、教壇に立ちたいと考えている方は、
まず、勤務内容をきっちり聞くようにしましょう。
アルバイト情報誌に載っているようなこと(勤務時間・報酬)は、聞いて当然のことですし、
そこをうやむやにされるなら、入った途端、やりがい搾取されるのがオチです。
採用されれば、最低1年間は、「先生」として生徒に関わり、彼らの成長と自身の成長につなげることに、
心をくだくことになるのです。
あなたにとって一生に一回しかない、○歳という1年を捧げることになります。
臨時採用なんですから、
不安定・不確実な上、我慢すること、無理すること、大変な難局におかれることがすでにわかっているのです。
(安定していたら、問題がなかったら、話が飛び込んでくるわけがありません)
あなたが見極めるべきは、採用担当者の誠意です。
一年間、あなたが心身と生活を立ち行かせることができるかどうか、
その判断材料を真摯に示してくれるかどうかを臆せずに確かめましょう。
学校現場は本当に大変です。
1日あたりの対応できる人数のキャパは毎日オーバーします。
拘束時間も長いです。
授業のほかに、小テストやノートチェックなどの仕事があって、勤務終了時刻に帰れたためしはほとんどありません。
食事や睡眠、掃除や洗濯などの家事をこなすなど、人としての生活をちゃんと送れるのか、
(犠牲になることは多いです)
大変なことに見合う報酬はあるのか、
やってよかった、思いきってよかったと思える場所が、職場にありそうかどうか、
何しろ、自分の大切にしたい人を大切にできる精神状態でいられるのか、
など、チェックしたり、イメージできるか自問してみてください。
利害関係者のことを「ステークホルダー」といいます。
学校の場合、生徒や保護者だけがステークホルダーではなく、先生もステークホルダーです。
誰にとっても実りある一年になるよう、
あなた自身が明確なイメージを持ち、納得することがなによりも重要なのです。
逆に、
「何があっても、1年はやり遂げる」という覚悟を持たせてもらえないなら、きっぱり断りましょう。
好き好んで失敗体験を得に行く必要はありません。
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