歌の品詞分解をする【友を悼む】
2022年9月27日、
同年7月8日に亡くなった安倍晋三(あべ しんぞう)元内閣総理大臣の国葬儀が執り行われました。
友人代表として、菅義偉(すが よしひで)前内閣総理大臣が追悼の辞を読み上げました。
その追悼の辞にあった山県有朋の歌を解釈してみます。
歌の品詞分解
それでは、歌の品詞分解をしてみようと思います。
歌は本来、句と句の間をあけずに書かれるものですが、
文法的なアプローチをして、解釈をするため、
あえて、五・七・五・七・七と行を変えて示します。
動詞と助動詞に注目
正解により近い解釈をするためには、動詞と助動詞の把握が必要ですので、
動詞を赤、助動詞を青で色分けしました。
動詞と助動詞を分析
動詞は、その右側に何行の何活用で、活用形が何かを簡略的に示しています。
たとえば、「ハ四用」は、「ハ(行)・四(段活用)・(連)用(形)」の意味です。
この際省略します。
また、助動詞は、その左側に「意味 助動詞の終止形 活用形」を簡略的に示しています。
たとえば、「過去 き 体」は「過去(の意味を表す)『き』の(連)体(形)」という意味です。
ざっくり解釈
品詞分解を行ったことで、ざっくりと解釈ができるようになりました。
「かたりあって 尽くした人は 先立ってしまった 今より後の世を どうしたらよいだろう」
菅前総理が弔辞に引用し、菅前総理と安倍元総理のこれまでの関係性からも、
長らく語りあってきた人(伊藤・安倍)が先立ってしまい、一人残された自分(山県・菅)は後の世をどうしたらよいのだろうと、悲しみ・寂しさ・困惑が入り混じった意味であることはわかります。
しかし、品詞分解をしても未だひっかかっていたのが、「尽くしし人」の「尽くし」の意味です。
おそらく、語り合うことに時間を「尽くし」たという意味なのでしょうが、
伊藤博文の経歴からも、国のために力を「尽くし」たという解釈もできそうです。
文法的なアプローチでは限界があるので、
国語辞典・古語辞典・漢和辞典で「尽くす」の意味を調べることにしました。
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かなり長い記事になりましたので、5回に分けています。
ちょこちょこ読みにきていただければ幸いです。
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