受験生よ、もう本屋には行かないで。
この記事は、本来4月頃に載せるべきなのですが、なんだかんだで今(2019年9月)に至っています。
学校や塾、予備校など、教えてくれる人がいる教育機関に通っている受験生には、ぜひ読んでもらいたいと思います。
秋風が吹くと本屋が儲かる?
再受験生のころ、私は独学独習でしたので、行き詰まると気分転換で本屋さんに行っていました。
そして、受験コーナーでたたずんでいると、受験生らしき人たちと遭遇します。
彼らは9月なのに、もうセンター試験まで3ヶ月なのに、分厚い問題集や参考書を物色するのです。
絶対間に合わないって!
保護者の方をともなっている場合は、ある意味ヤバイです。
我が子が必要と言っているんだから、切羽詰まってる様子だから、この本を買って、その危機が打開されるなら安いもんだわ。と、
どかっと買い与えてしまうのです。
おせっかいだろうけど、「そんなの買う必要ありませんから。」って言葉がのどまで出かかっていたものです。
もう一度繰り返します。
「先生」がいる教育機関に通っている受験生は、本屋に行く必要はありません!!
いや、むしろ、受験生になったら、本屋の受験コーナーには立入禁止と言ってもいいぐらいだと思っています。
ほとんどの受験生は条件を満たしていない。
4月。受験生となったあなたは、気を引き締め、あり余るやる気で新学期を迎えたと思います。
受験生なんだから。と、好きなものを控えたり、受験勉強によいとされることは何でも試してみたはずです。
でも、思ったほど効果は出ない。
日々の勉強や学校行事に追われ、思うように受験勉強ができません。
そこで、夏休み。強烈なスケジュールを組み、バリバリ勉強しようとします。
しかし、気持ちだけがはやり、これまた思ったほどの成果をあげられないものです。
やがて9月。新学期が始まると、周囲もピリピリし始めます。
その様子から、自分は夏休み、思うように勉強できなかったけど、周りの人は進んだに違いないと思ってしまい、焦りがつのるのです。
その焦りを少しでも改善しようと、特効薬のような参考書を求めて本屋に足を運んでしまうのです。
ちなみに、受験を3ヶ月後に控えた受験生で、本屋に行っていいのは、以下の条件を満たす人だけです。
学校や塾で配布された問題集や参考書をすでに完璧にこなしてしまい、もはやすることがない受験生。
手許にある問題集も参考書をいつやっても完璧にこなせるので、もうやっても面白くない。
物足りないから、テスト当日までカンを鈍らせないため、市販の問題集を買い足してみるか。
こういう人以外は、受験コーナーに立ち入るべきではないと思います。
「先生」が選んだものを信用しよう。
私は、受験生ならば学校や塾で配布されたものを信用どころか、盲信して使いまくるべきだと思います。
というのも、それらは経験豊富な「先生」たちがあなたのために選んだものだからです。
現在「先生」と呼ばれている人たちにも、「受験生」の時期があり、「先生」となってからは、いろいろな生徒との交流を通じて教え導く経験を積んできました。そういう意味では、「受験生」しか経験していないあなたよりは、何倍も経験豊富なのが「先生」であり、学校や塾などで配布されている問題集や参考書は、その経験に基づいてしっかり選定された「お墨付き」の受験アイテムなのです。
あなたが、経験・学力・学歴において「先生」を上回るなら、自分の意思で好きな本を選んでかまわないと思います。
しかし、「受験生」は、この条件を満たしませんね。
学校や塾の先生方は、さまざまな経験を経て、あなたが通っている学校のレベルに相応の本を選んでいるはずです。
ゆえに、その「お墨付き」の本を完璧にこなせないうちは、本屋で自分の思うまま受験対策本を買うべきではないのです。
先達の知識や経験をおおいに利用し、経済的に受験勉強をしましょう。
本を買おうと思っていたお金は、大学での生活で遣ってください。
勉強に特効薬はない。
私の場合は、独学独習の再受験生でしたので、自分で本を選ばねばなりませんでした。
でも、本屋で本を選ぶとき、決めていたのは、「胡散臭いタイトルの本は買わない」でした。
「これでわかる!」とか、「こわいくらいスラスラわかる!」という大げさなサブタイトルがついたものや、
著者の名前がタイトルに含まれているような本、(「◎◎の数学」のような)
はたまた、カラフルなカバーの本などは買わないようにしていました。
どんな本を選んでも、ほぼ同じ学習効果が得られるようでなければ、試験として出題するべきじゃないからです。
「これでわかる!」って書いてあるのに、わからなかったら、あなたの力不足となりますね。
本とはいえ、◎◎先生の講義内容を文字起こししたものでしょうから、あなたと◎◎先生との相性が悪かったら、読むのが苦痛になってしまいます。
カラフルなカバーによって、買ったときこそやる気を持って臨むかもしれませんが、中身は相変わらずおもしろいものではありません。
だんだん、その派手なカバーにイライラするようになります。受験本に関しては、ジャケ買いしてもいいことはありません。
もちろん市販の本にも、あなたの学力をぐっと上げてくれる本があると思いますが、それを見つけるまでには、時間もお金もかかってしまいます。かけた労力に見合う効果が得られないとわかったときは、試験の数日前であることが多いです。
紙があるから神が来ない。
断捨離などのお片付けで言われる言葉のようですが、これは受験でもいえると思います。
9月になってから、本を買うということは、それだけあなたのこなすべき「紙」の量が増えるということです。
本のページ数分、あなたにかかるプレッシャーも増大するということです。
9月以降は、試験会場に持っていくまとめノートを作りながら、どんどん紙を減らしていくべきです。
まとめながら、頭の中を整理し、紙をどんどん捨てていきます。
そうやって部屋の見た目がスッキリすると、そのぶんクリアな状態で、問題に臨むことができるようになります。
受験会場で、まとめノートを見返せる時間は1教科(1科目)あたり15分程度だと思ってください。
ということは、これからの3ヶ月は、大量の紙を消化し、頭も部屋もクリアにするために使うべきなのです。
買ってもいいのは「志望校の過去問」ぐらい。
ここまで「受験生は本屋に行くな〜、受験コーナーに立ち入るな〜!」と書いてきましたが、一部例外もあります。
それは、「志望校の過去問」です。
これは、実力がともなっていても、ともなっていなくても、早くから買っておくべきです。
市販の問題集で買ってもいいのは、「過去問」ぐらいでしょうか。
入試直前まで解かずに持っておく人がいますが、これは使い方を間違っています。
志望校を決めたら一刻も早く過去問を入手して、力がないうちは「写経(解答を丸ごと書き写す)」でもいいですから、出題形式や傾向を体に覚え込ませるべきです。
「過去問」に関しては、大学によってそれぞれ特徴が異なっているので、問題分析などをして、自分の弱点や不足部分を補う勉強法を編み出す必要があります。
過去問を早くに手に入れて、早く問題分析に取りかかれば、それだけ効率の良い受験勉強ができると思いますし、
でかでかと志望校の名前が書かれた本を手許においておけば、一日に何度も見ますから、モチベーションも上がって、夢を現実にする力も生まれてきます。
視覚情報の影響力はあなどれません。
あなたの周囲をあなたが求める将来に近づけるものだけで固め、気楽に気軽に、でも確実に勉強していきましょう。
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