pH 指数の計算を再確認 【 しくじり基礎化学 】
[mathjax]
2015年に受けた毒物劇物取扱者試験の試験対策として、福岡県の過去問5年分を解きました。
その際、「基礎化学」分野で、間違えたもの、あやしかったもののみをピックアップしてみます。
1. pH=1
2. pH=2
3. pH=3
4. pH=4
小数点で表示されている数は、面倒でも指数表示するようにしましょう。という問題です。
\( \ \quad 0.04\times 0.025 \ mol/L\ \)
\( \ =4\times 10^{-2}\times 25\times 10^{-3} \ mol/L\ \)
\( \ =10^2\times 10^{-5} \ mol/L\ \)
\( \ =1.0\times 10^{-3} \ mol/L\ \)
酢酸は、水溶液中で上の式のように電離しています。
0.04mol/Lということは、水溶液1リットル中、0.04molの酢酸が溶けていますよ。
ということであり、
電離すれば、0.04molの水素イオンが発生しそうなもの。
しかし、そこでネックとなるのが電離度。
完全に電離するのを1とした場合、
酢酸は、0.025しか電離できないんです。
数が小さすぎてイメージできないなら、
1000倍して考えてみればよい。
塩酸のような強酸は、1000個粒があれば、
1000個電離して、塩化物イオンと、水素イオンが1000個ずつ生じますが、
酢酸は、1000個粒があっても、そのうち25個しか電離せず、酢酸イオンと水素イオンはそれぞれ25個しか生じません。
残り975個の酢酸の粒は、酢酸のままで水溶液中に漂っているわけです。
pHって水素イオン濃度のことですから、
0.04molだけ使うのは間違いですね。
この水溶液中の水素イオンは、
0.025×0.04mol あることになります。
ここで小数点を指数で表示しましょう。
小数点は右に☆桁ずらすと\( \ 10^{−☆}\ \)(10のマイナス☆乗)と表せます。
0.025は、\( \ 25\times 10^{-3}\ \)(10のマイナス3乗)
0.04は、\( \ 4\times 10^{-2}\ \)(10のマイナス2乗)
と表せます。
マイナス3乗のマイナス3とか、マイナス2乗のマイナス2を指数といい、
掛け算や割り算を足し算や引き算という
もう少し楽な次元で考えられるようになります。
\( \ 25\times 4\times 10^{-3-2}=100\times 10^{-5}\ \)
となります。
先ほど、小数点を右にずらせば、10のマイナス☆乗になると書きましたが、
小数点を左にずらせば、10の★乗と表せます。
つまり100は\( \ 1.0\times 10^2\ \)となります。
指数は足し算や引き算ができるのでしたから、
\( \ 1.0\times 10^{2-5}=1.0\times 10^{-3}\ \)
と表せます。
指数のマイナス3の3より、pH3 が答えです。
化学は、桁が極端に大きいもの(高分子化合物とか)、桁が極端に小さいものを扱うので、
指数で表示する習慣を身につけておくと、
何かと便利です。
まず、計算スペースが節約できますし、
小数点だと桁の数え間違いも起こりかねません。
できるだけ頭に負荷をかけないようにする工夫が大事ですね。
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