Google AdSenseの「無効なトラフィック」に振り回された話

2023年6月28日日進月歩

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青天の霹靂?!

2023年6月23日、Google AdSenseから「お客様の AdSense アカウントでの広告配信を制限しました」というタイトルのメールが届きました。

先日、お客様の AdSense アカウントで無効なトラフィックが検出されました。Google ではこの事態を受け、お客様のアカウントでの広告配信を制限いたしました。今後もお客様のサイトのトラフィックは継続的にモニタリングされ、配信制限は Google 側で自動的に見直しおよび更新されます。

なんのことやらさっぱりわからない。
2018年6月からブログを開設し、 AdSenseも5年以上やっていることになりますが、
こんな通知は本当に初めてのことで、戸惑いました。

広告配信を制限したということは、ブログにアドセンス広告が表示されないということになります。
一体なんで、そんなことに???

メールでは、今回のような措置が取られた理由についても書かれていました。

お客様のアカウントにおいて、不正に広告収益をあげる目的と思われる無効なトラフィックが検出されました。

まず、私には身に覚えがありません。
5年以上ブログを運営していますが、広告で収益をあげようと思ったことはないですし、そもそもあがるようなジャンルでもない。

そして、「無効なトラフィック」という言葉もよくわからない。
いったい何が「無効なトラフィック」なのか。

このメールが届いた当日は、びっくりして、すぐにでもなにか対応を取らないといけないのかと思いました。
しかし、メールを読む限りでは、どっちにしてもおよそひと月ぐらいは、広告配信に制限がかかるとわかったので、
抱えている作業をひとしきりこなしてから、時間を設けてじっくり取り組むことにしました。

無効なトラフィックを発生させたのは誰?

まずは「無効なトラフィック」というキーワードで、You Tube動画や、サイトを検索してみました。
短期間とか短時間に、アクセスしたり、広告をやたらクリックしたりすることが「無効なトラフィック」とみなされるようです。
では、誰がやっているのか。
いくつか可能性が考えられます。

身近な人

よくあるのは、身内が「無効なトラフィック」を発生させてしまうパターン。
ためになると思ってやったことが、実はよくなかった。というね。

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Lukia

最初の方こそ、近しい人たちにもURLを教えたりしていましたが、内容的に興味があるとも思えないので、ほぼ誰にも教えずひっそりやっています。

ということは、近しい人がやってしまった。ということは考えにくいです。

自分自身

自分で「無効なトラフィック」を発生しているおそれもあります。
これについては、ひとつだけ思い当たることが。
WordPressで記事を書いている最中に、プレビューボタンを押して、仕上がりを確認するのですが、
そのときにアドセンス広告が表示されるんですね。

もちろん、クリックしてはいけない。というのをわかっているので、クリックすることはないのですが、
数十秒表示させれば広告費が出る。みたいなタイプの広告があるかもしれないので、
それでひっかかったのかもしれません。

これまでは、大丈夫だったけど、最近、プレビューで広告表示させてはいけなくなったのかもしれない。と思い、
対応できそうなプラグインを入れておきました。
(ちなみに、現在広告配信が制限されているので、導入したプラグインがうまく動作しているのかどうかについては確認できません)

しかし、これは可能性が薄いような気がするんですよね。

見ず知らずの第三者

身内はまずありえないし、ここひと月、そこまでブログを更新していないから、私自身が発生させたというのも考えにくい。
となると、やっぱり第三者だよね。となりました。

同様の措置を受けた人の中には、Google Analytics(グーグルアナリティクス)を用いて、
「無効なトラフィック」を発生させた人を突き止めていた人がいました。


TKさんの記事のおかげで、ひとまずレポート作成をして、Google AdSenseに報告することができました。

コルシカ島のあなた!めっ!ですよ。

TKさんの記事を見ながら、Google Analytics (UA)を見ていくと、
「無効なトラフィック」を発生させたと思わしき人が特定できました。

フランスのコルシカ島の方が、ひとつのアドセンス広告に対し、18分の滞在時間中に3回もクリックしたので、
 AdSenseのCTRが300%と爆上がりしてしまったのです。
平均が35%弱なので、通常の770倍を示してしまい、これが「無効なトラフィック」とみなされてしまったようです。

まぁ、こうやってつきとめたことで、「私や身近な人による不正行為ではない」ということが報告できますし、
場合によっては、ひと月に6回ぐらい「無効なトラフィック」があった。なんて通告される方もあるそうなので、
これは、自分なりに自衛手段を取らねばならないな。と思いました。

プラグイン「AdSense Invalid Click Protector」をインストール

見ず知らずの第三者が意図せず発生させた「無効なトラフィック」によって、確実に半日以上、対応に時間を割くことになってしまいましたので、そもそもこういうことが起こらないようにする必要があります。
そこで、WordPressに
TKさんの記事で紹介されていたプラグイン「AdSense Invalid Click Protector」をインストールすることにしました。

ひとまず、以下の3項目を設定して広告配信の制限解除後、ようすを見ていこうと思います。

連続でクリックできる上限数

「Set the Ad Click Limit」は、連続でクリックできる上限数です。
TKさんが2回までと設定例を挙げていらっしゃったので、私も2回にしようかなと思ったのですが、
18分で3回のクリックで、配信の制限がかかるのですから、
もっと厳しくして1回にしておきました。

連続クリックのカウントリセットまでの時間

「Click Counter Cooke Expiration Time」は、連続クリックのカウントリセットまでの時間を表します。
私のブログにいらっしゃる方は、「検索してやってくる新規ユーザー」がほとんどです。
短時間での異様なトラフィックが問題なので、3時間程度あけておけばよいかなぁ。と思います。

広告表示の停止期間

「Set the Visitor Ban Duration」では、上限以上のクリックをした人に対する広告表示の停止期間を設定できます。
私のブログの場合、1度クリックした広告は、7日間は表示されないということにしました。
だいぶん厳しいですよね。

まぁでも、このぐらい厳しくしておかないと、無駄におろおろしちゃいますからね。

GA4に完全移行後の対処は不明

2023年7月1日より、Google Analyticsは、UA(ユニバーサルアナリティクス)からGA4に移行するとのこと。
TKさんの記事が2021年のもので、まだUAのころの対処法のようでした。
私も、たまたまUAが使えたので、TKさんの記事を参考にしながらレポートを書くことができたのですが、
同じことがGA4でもできるのかな?とあれこれ探ってみましたが、どうにもわかりませんでした。

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UAが使える6月中に対処しといてよかったと思います。

レポートを提出したからといって、制限解除が早まるわけでもないようなので、
やってもやらなくても一緒じゃん!とお思いになる方もあろうかとは思いますが、
レポートを提出する方法を知っておくことで、ひとまず「無効なトラフィック」の発生源が自分ではないことを証明できますから、やっぱり知っておいて損はないだろうなと思います。

UAの頃にTKさんが記事を書いてくださったように、
GA4以降の対処法を書いてくださる方が現れることを期待します。

制限解除されてる?

2023年7月7日、何気なく AdSenseページを開いてみたら、
昨日収益があったとのこと。
「無効なトラフィック」が誰によるものだったのかをレポートしたのが功を奏したのかもしれません。
(逆に、Google側だって、レポート出す意味ないなんてことにはしたくないでしょうし)

また、あらためてGoogle AdSenseからのメッセージについても考え直してみました。
Google AdSenseは、「お客様の AdSense アカウントでの広告配信を制限しました」と伝えてきています。

ここで、語義をしっかりさせるべきは「制限」ということばです。
手持ちの国語辞典 で調べてみました。

せいげん【制限】
一定の範囲をきめて、それをこえることを許さないこと。
『例解新国語辞典 第九版』(2016年 三省堂)

つまり、私のアカウントへの広告配信の数が、2023年6月23日を境に、一定の範囲内にきめられ、それよりも多く配信されないように設定された。ということです。

「つまり」って書いたわりにまどろっこしいので、スマホのパケットの「通信制限」にたとえてみようかと思います。

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Lukia

「通」と「配」の一字違いなだけですしね。(笑)

一ヶ月20GBまで使える。というプランの場合、
20GB以内のときは、サクサク・スムーズに通信が行なえます。
しかし、20.01GBなど、20GBをほんのちょっとでも超えた場合、
急激に通信スピードが遅くなります。

急激に遅くなるのですが、まったく通信できないわけではありません。
仮に、20GBを超えたときの通信スピードが、20GB以内のときの10分の1 になるとしましょう。
つまり、1秒で表示されていたものが、10秒待てば表示されるということになります。

もし、「通信停止」だったら、
20GBを超えたとたん、10秒待とうと、100秒待とうと、一切表示されないということになりますが、
「通信制限」の場合は、
これまでどおりとはいかないけれど、不便さをがまんすれば「通信」そのものはできる。ということになります。

そして、1ヶ月20GBまではサクサク使えるというプランに契約しているわけですから、
翌月まで待てば、また20GBまでがサクサク使える状態に復活するわけです。

 AdSenseに話を戻すと、
広告の配信そのものは、停止されたわけではなく、
これまでが100%だとしたら、20%(数は適当です)しか配信されていない。ということになります。

ここは、私の想像ですが、「広告の配信制限」をかけたサイトには、
企業からの広告は載せず、Google AdSenseや、Googleのグループ企業の広告などを載せるにとどめているのではないかと思います。

そして、Google AdSenseの方も、「無効なトラフィック」を発生させた人と、私とが関係あるのかどうかは把握しているのでしょうが、
私が誠実な対応をするかどうかを確かめたいのだろうと思います。

レポートを早々に送ってきたならば、信頼のおける配信先と認識できますし、
放置していれば、「配信制限」を解除せず、場合によっては「アカウント停止」という措置をとればよいことになります。

発生した収益額からは、レポートを送信したことによって、「広告配信の制限」が解除されたのかどうかを判定することはできません。
ひとまず、私のブログでは、今後もGoogle AdSenseからの広告が配信されることはたしかなようです。

アカウントは大事にしたほうがいい

今回あれこれ調べてみて、2つのことを知りました。
ひとつめは、「アカウントはほぼ一生物」であること。
ふたつめは、「広告を配信するメディアとアカウントは別物」ということです。

「アカウントはほぼ一生物」

たとえば、Google AdSenseのアカウントが停止されてしまった場合、
新たに取得するのはほぼ不可能なんだそうです。
なぜかというと、Google AdSense側に個人を特定されてしまうからですね。

「怖ッ!なんで、Google AdSenseにそんなことが!」と思うかもしれませんが、
冷静に考えれば当然のことといえます。

というのも、収益額のやり取りをするため、Google AdSenseに個人情報を提供していますので、
その情報を照会するだけで、個人を特定できるわけです。

ですから、アカウント停止されてしまったら、今生、Google AdSenseはあきらめるしかない。ということになりますね。
新たにアカウントを取得するなら、生まれ変わるしかありません。

Google AdSenseでの収益を考えるなら、命ほどとはいいませんが、
一生物として大切に扱うようにしましょう。

「広告を配信するメディアとアカウントは別物」

AdSenseのアカウントは、一人にひとつだけ与えられている、いわば「命」のようなものです。
広告を配信してもらうメディアの種類や、開設なされているかどうかは問いません。

たとえば、私は、今ブログしかやっていないのですが、
将来的にはYou Tubeチャンネルを開設したいなぁ。と考えています。
でも、もし、ブログの方で AdSenseのアカウントが停止されてしまうと、
私は、You Tubeチャンネルを開設しても、広告配信による収益はあげられない。ということになります。

また、現在両方されているという方の場合、
たとえば、You Tubeの方で、配信制限とかアカウント停止になると、
ブログにも影響が及ぶことになります。

ブログの方は、プラグインを導入したのでなんとか対応できましたが、
You Tubeの方は、対応が難しそうですよね。
「無効なトラフィック」に戦々恐々としながら更新しないといけないのかなぁ。と思ったりすると、
今から憂鬱な気分になります。

プロフィール

Author Profile
Lukia_74

元・再受験生、元塾講師、元高校非常勤講師。広島育ち。
中・高国語の教員免許を取得するも、塾講師時代は英語や数学ばかり教えていた。
思うところあって大学再受験を決意。理転し、数学Ⅲ、化学、生物を独習する。国立大学へ合格するも、2018年3月に再受験生生活にピリオドを打つ。
モットーは「自分の予定はキャンセルできても、生徒の予定はキャンセルできない」と「主婦(夫)こそ理系たれ」。
広島のお好み焼きとグレープフルーツが大好き。どっちかというと左党。楽しみはひとりカラオケ。
高校で教鞭を取った経験から、現在は「現代文」と「小論文」の指導力アップを目指し、自己研鑽中。最近は趣味として高校数学を解く。

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Posted by Lukia_74