教師のカンを侮るな【ChatGPTを使ってみよう!】
face to face は侮れない。
ちなみに、ChatGPTによって生成されたできすぎのレポートや読書感想文に対して、
教師になすすべはないのか。というと、
私はそんなことはないと思います。
どちらかというと、教師ならたちどころに見抜くのではないかと思います。
というのも、「文は人なり」で、
その子の普段の様子と文章の巧拙はシンクロしているからです。
「ん?あの子、こんな高尚な言い回しするようなキャラだったっけ?」
「あの子、こんな漢字かける子だったっけ?」など。
普段の反応、雰囲気、語彙量、テストの点数などで、
教師は、その子が書く文章を想像できますし、違和感のセンサーも働きます。
ChatGPTの文章は、年齢も性別も不詳のいわば「無個性」なものなので、
よっぽど高度なプロンプト能力を備えていない限り、
その子らしい文章を書くことは難しいと思います。
真筆か代筆かを確かめるには
日々、児童・生徒と関わっている先生であれば、
ChatGPT を用いずとも、真の作者が誰なのかを容易に見抜かれることでしょうが、
今後は、確認のため、ChatGPTにも問い合わせる。という手間が加わるかもしれません。
また、もし私がレポートが真筆かどうかを確かめるならどうするかもいくつか考えてみました。
テキストと紙で提出させる
ChatGPTは、自身が生成した文章かどうかを判定することができます。
しかし、教師の側がいちいち、ChatGPTにテキストを入力するのはめんどくさいですよね。
そこで、プリントアウトした紙のレポートと、テキストデータを提出させます。
紙のレポートを読んでみて、違和感センサーがはたらいた場合、テキストデータをChatGPTに投入すれば、瞬時に判定できますよね。
再現させる
レポート回収後、ネット環境が遮断された状態で手書きによるレポート再現をさせればよいかと思います。
語尾や、ちょっとした表現の違いがあるかもしれませんが、自力で書いたレポートならば、筋立ては覚えているでしょうし、ほぼ正確に再現できるはずだからです。
確認する
レポートについての詳細な口頭試問や、
さらなる深い考察を求めるのもいいかもしれませんね。
あとは、地味ですが、レポートを書く際に参考にした出典本について、
図書館のどこにあるか、借りた記録があるのかを求めるのもいいかもしれません。
教え子たちの子孫のために
ChatGPTの登場によって、教育現場では、思いがけない手間が発生することになりました。
上記のような確認を取れば、学生には嫌われるでしょうが、
不正行為の芽は早い段階で徹底的に摘み、モラルを構築・共有するべきです。
若い人たちに、前時代的な苦労をしろ。というつもりはありませんが、
年若い頃のツケは、後で必ず回ってくるのです。
使わない機能は、退化します。
自分で考えない、表現する言葉を持たない次世代が増えれば、社会は硬直・縮小していきます。
今、学んでいること、大人から口うるさく言われていることは、
自分自身のためだけでなく、実は、次世代、次々世代のためでもあるのです。
現在生きている私たちの選択が、まだ見ぬ子孫たちが生きる時代に大きく影響を及ぼすことは間違いありません。
「まだ見ぬ子孫たちへの利他意識がどれだけはたらくか。」
これが、学ぶ側、教える側の両方が、最も心に留めおくべきことではないかと思います。
とはいえ、学ぶ側は、学ぶ側であるがゆえに、そんな意識は持てないでいるでしょうから、
教える側が心しておくしかないんですけどね。
ChatGPT前世代の私たちは、
ChatGPT黎明期の今の若い人たちに寄り添いながら、
その向き合い方を考えるという新たな使命を課せられたのだろうと思います。
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