デジタル化・技術革新がもたらした功罪【ChatGPTを使ってみよう!】
来し方の功罪
ワープロ・パソコン
私の人生で 振り返ってみると、中学生になったころから家にワープロが登場し、
その後社会人になってからは、PC が一般的になりました。
これらのおかげで、キーボードが打てさえすれば、文字を書く必要がなくなりました。
国語や英語などで、長文を書き写さねばならないときも、
比較的短時間で、心がけずとも整ったフォントで文字が打ち出されるようになったのは、ありがたかったですね。
しかし、反面、
ワープロにしろパソコンにしろ、それらを使うことが一般的になってきてからは、
文字を手書きしなくなったため、ぱっと漢字が浮かばない。と嘆く人が出てきました。
辞書
私が高校生の頃は、辞書は紙のものしかありませんでした。
ですから、英単語の意味を調べるときは、辞書をたびたび使っていました。
当時、先生たちからは、辞書を引くスピードと英語の習熟度が比例すると言われていたので、
私は、辞書を引くスピードをみがきました。
最終的には、誤差 2、3ページ以内で目的の英単語を引き当てられるようになりました。
今でも、かなり正確に引き当てられる自信はあります。
今の高校生は、コンパクトな電子辞書を持つのがあたりまえのようで、それを使って辞書を引いています。
素早く目的の英単語にアクセスできるでしょうが、その単語の周辺にある英単語を眺めて、いろいろな気づきを得るということはできないのかもしれません。
携帯電話
携帯が登場したことで、アドレス帳やテレホンカードを持つ必要がなくなり、
いつでも好きなとき、必要があるときに、電話をかけられるようになりました。
しかし、その便利さと引き換えに、
私は自分以外の携帯番号を覚えられなくなりました。
お財布に連絡したい人の電話番号を書いた紙をはさんでいます。
楽できれば、より高度なことを求められる
大学時代、グループ演習なのに、一人で大量の調べ物を押し付けられたことがきっかけで、
友人と険悪になり、疎遠になってしまったことがありました。
当時、パソコンやスキャナーがあれば、
本をスキャンし、 OCR で文字をデータ化して、検索・抽出できるようなデータベースが作成できたでしょうし、
データベース化されていれば、その友人とも付き合いが続いていたかもしれませんね。
人類は、こういうことが簡単にできたらいいのに!ということを、この四半世紀ほどで急速に実現してきました。
しかし、人間が楽をできる・時短できるようになった分、空いた時間でより高度なことが求められるようになってきました。
そのことがわかるのが、共通テストですかね。
センター試験とは異なり、知識量や処理能力だけでなく、
思考力・判断力・表現力が求められる試験内容になってきました。
社会や大学は、若い人たちに対し、
「(機械のおかげで)大量の情報を覚えたり、 引き出したりしなくなってよくなったのだから、
それらを基礎にして、より高度な情報や技術を活用・運用できる思考力、 判断力、表現力を持っていることが望ましい」とメッセージを送っているのだろうと思います。
もし今、同じ演習を課されたら、
私には、データ化する能力や、畑違いながらプログラミングの能力が求められていたでしょう。
すでにデータベース化されていたならば、調べる時間を短縮できているでしょうから、
より深い考察が求められ、教授からは、もっと鋭いツッコミを受けていたかもしれません。
若い人たちも含め、人間は機械にアウトソーシングできたことで、
人間には、さらに人間らしくて高度な要求が突きつけられるようになります。
楽ができるようになったぶん、実は、より過酷な状況に置かれたと心しておくべきなのかもしれません。 以下の記事一覧に他のボリュームのブログカードを載せています。
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