ChatGPTに「一括置換」スクリプトを生成してもらった【効率よくKDP出版したい】

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仮訳出の出来が作業効率を左右する

近代以前の文語または文語調の文章を訳出するには、
まず文語らしさ、文語調らしさを、
現代語に変換することから始めます。

この作業を「仮訳出」と呼び、
さらに読みやすいよう、
意味は理解しやすいがオリジナルの文意を損なわないように心がけながら、
現代の言葉に直すことを「本訳出」と呼んでいます。

本訳出作業における理想は、
「読みやすい現代語に直すことだけに集中できる」ようにすること。

それが実現するかどうかは、
仮訳出の段階で、
どれだけの文語が、「文法的に」現代語に変換されているかにかかっています。

仮訳出は、いわば「直訳」の状態を指します。
しかし、訳出本は、原文の伝えたいことや、雰囲気を損なわない程度で、
現代人が読みやすいように「意訳」するところにその意義があります。

「直訳」と「意訳」はまさにマルチタスクであり、
作業効率を著しく低下させてしまう行為です。

ですから、現代の助詞や助動詞が使われているが、まだまだ文語の雰囲気が抜けない「仮訳出」の完成度をいかに高めるかが、本訳出の進捗状況を左右するのです。

語句置換というよりも文法的置換が必要

訳出の第1作となった『私訳 日本婦人論』は、
置換リストがない状態だったのでかなり大変でした。

無事出版した後で、語句集を作ろうかと思っていたのですが、
はたして役に立つのかという疑問もありました。

そこで、同じ著者の他の作品にざっと目を通してみると、
用いられる語句は作品によって異なり、
汎用性は低いとわかりました。

もちろん、作品をまたいで使われる語句もありますので、
語句集を作ることが全く無意味とはいえないのですが、
その人特有の言い回しなどは、文法的な要素を含んでおり、
どんな文章も、文法に従わずに作成されることはないので、
緊急度が高いのは語句よりも文法の方だと判断し、
文法的な置換リストを作成することにしました。

二種類の置換法がある

文法的な置換リストの作成を優先し、
その後徐々に語句置換リストも作成したのですが、

いざリストを作成してみると、
置換リストには、判断不要で機械的に一括置換できるものと、
人力で個別に判断する必要がある判別置換の2種類があることに気が付きました。

これまでは、「置換作業」とひとくくりにして、
必要に応じて、ちまちまと置換していたわけですが、

このうち、前者の一括置換が楽に行えるしくみを作っておけば、
人力の判別置換だけを行えばいいことになり、
作業時間は大幅に短縮されます。

というわけで、
これもChatGPTにお願いして、
GASコードを書いてもらいました。

スクリプトについて

Googleスプレッドシートに置換対象の語句(B列)と置換後のテキスト(C列)、
置換対象の読み(D列)を書いておきます。
ちなみに、A列は連番用としてあけています。
また、E1セルに置換を行いたいドキュメントのIDを入力するようにします。

ここで、ChatGPTに、
置換リストがあるスプレッドシートのIDと、
置換リストがあるシート名、
置換作業を行いたいドキュメントのIDを入力するセル(E1)、
置換対象の語句がB列にあること、
置換後のテキストがC列にあることを伝え、
置換作業を行うGASコードを書いてくれるように指示します。

こうして書かれたGASコードのおかげで、
スクリプトの実行ボタンをクリックするだけで、
スプレッドシートに登録された幾多の語句について、
自動的に置換作業が行われるようになりました。

すべて人力では限界がある

これまでは、Googleドキュメントだけを開いて、
置換作業を行っていたのですが、
今回、ChatGPTにGASコードを書いてもらったので、
Googleスプレッドシートの置換リストを開いておいて、徐々に追加しては
実行ボタンをクリックして、置換作業を行いました。

そうやって出来上がった置換リストを見てびっくり。
なんと、一括置換できる語句が750弱もあったのです。

Lukia_74

Lukia

そりゃぁ、時間かかるし、くたびれるはずじゃわ。

と思わず広島弁でひとりごちたのでした。

軽い気持ちで始めたら、
2、3日フルで作業することになってしまい、
終わった時には、
達成感と疲労感が押し寄せてきていたのですが、
一日に、100回弱の置換作業を行っていたのでしょうから、
思ったより大変なのも、ぐったりするのも納得ですよね。

この置換リストは、たった数作の著述でここまでになったので、
訳出作業を重ねていけば、さらに充実し、
より効率的な訳出ができるようになるのではないかと期待しています。

用字用語の置換リストも作成

また用字用語のリストも作成しました。

基本的には用字用語辞典の表記に従うつもりなのですが、
私独自の用字用語もあるので、
そのあたりの統一感を持たせようと考えたからです。

これまでは、
自分らしさが出そうな言葉に出会うと、
都度、用字用語辞典を調べ、
どう書くことにしたのかをノートに書き留めておいて、
最後にチェックしていました。

これまた、訳出作業や執筆作業と、用字用語の確認作業を同時に行うことは、
非効率ですので、
最後にチェックするようにしていたのですが、

チェックしたい用字用語とて、ひとつやふたつなんてレベルではありませんから、
これが置換スクリプトをつかって、一気に統一できるなら、
こんなありがたいことはありません。

Lukia_74

Lukia

ChatGPTのおかげで、まさに「一騎当千の強者」を得た思いです。

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プロフィール

Author Profile
Lukia_74

元・再受験生、元塾講師、元高校非常勤講師。広島育ち。
中・高国語の教員免許を取得するも、塾講師時代は英語や数学ばかり教えていた。
思うところあって大学再受験を決意。理転し、数学Ⅲ、化学、生物を独習する。国立大学へ合格するも、2018年3月に再受験生生活にピリオドを打つ。
モットーは「自分の予定はキャンセルできても、生徒の予定はキャンセルできない」と「主婦(夫)こそ理系たれ」。
広島のお好み焼きとグレープフルーツが大好き。どっちかというと左党。楽しみはひとりカラオケ。
高校で教鞭を取った経験から、現在は「現代文」と「小論文」の指導力アップを目指し、自己研鑽中。最近は趣味として高校数学を解く。

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Posted by Lukia_74