「書く」ために読むのだ。【生き残れ!読書感想文は自己表現のサバイバルゲームだ!】
記事を音読してみました
2022年10月15日、記事を音読してみました。
一発録りした上、編集なしでアップロードしております。
ちょっとかんだり、読み直しをしている部分があります。(ご了承ください)
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メモ用紙を準備しよう
これから読もうとしている本は、純粋に読み味わうとか、楽しむための本ではなく、
読書感想文を書くための本です。
時間的に余裕があれば、まずは読むことを楽しむのもいいと思いますが、
まだまだやらないといけないことがある場合は、読書感想文を「書く」ために読むんだとわりきりましょう。
なにしろ、楽しむための読書ではなく、読書感想文を「書く」ための読書ですので、
本を読んでいるさいちゅうも、「書く」作業の助けとなる作業をしておく必要があります。
それは、メモを取ることです。
コピー用紙などの白紙を短冊状にします。
(ここは!)と思ったところに短冊メモをはさむだけ。
ちなみに、以下のような短冊メモを作成しました。(A4サイズです)
PDFをダウンロードして、お使いください。
スラスラ「書く」ために、2回読もう。
短冊メモがあることで、読書感想文が書きやすくなると思いますが、
可能ならば本を2回読んでください。
1回目は短冊メモをはさみながら、じっくりと読みます。
短冊メモも読む時間もケチらずに、どんどん使って読んでください。
短冊メモをはさむ基準は、今の自分と「対比」したくなるところかどうかです。
本の登場人物の言動を(自分ならどうするか?)ということを考えながら読んでいきます。
ですから、本当に1回目の読書はすごく時間もかかるし、大変だろうと思います。
2回めは、短冊メモをはさんだところだけをさらっと読みます。
1回目の本読みで、短冊メモをたくさんはさんだと思いますが、
読書感想文にこのメモ内容をすべて書くと、こまぎれでまとまりのない文章になってしまいます。
ですから、2回めは、読書感想文に書きたい内容の短冊メモは本にはさんだままにし、
読書感想文に書くほどの内容ではないな。と思ったシーンの短冊メモは本から外します。
原稿用紙2〜3枚ぐらいだったら、短冊メモは2枚ぐらいで十分です。
本により知った事実について調べる。
本を読んだことで、初めて知ったことがあれば、少し調べてみましょう。
調べたことを書くのは、レポート(報告書)といいます。
ですから、読書感想文に調べたことをそのまま書くことはできませんが、
自分なりに調べたことを踏まえて書いた文章には、説得力があります。
(読んだ人が、なるほどね。と思ってくれます)
たとえば、灰谷健次郎の『太陽の子』は、沖縄にルーツのある女の子、ふうちゃんが主人公のお話です。
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このお話では、沖縄戦のことや、戦後も続いた沖縄県出身者に対する差別のことも書かれています。
たとえば、この沖縄戦や沖縄県出身者に対する差別があったことを調べたとして、
これを文章にしたら、原稿用紙が何枚も必要になります。そのぐらい重く深刻な事実です。
調べてわかったことがあれば、書いて伝えたくなる気持ちになるでしょうが、
アピールしたいのは、「私が調べたこと」ではなく、
調べたことをもとにして、さらにあれこれ「考えた私」ですから、
「〜について調べました」程度にとどめておきましょう。
保護者も読む時間を楽しもう
ここからは、保護者の方へのお願いです。
お子さんを本好きにしたいなら、読書を楽しむ時間を共有してあげてください。
ときに、(そんな格好で内容が頭に入ってくるの?)と思うような
独特なスタイルで本を読む姿を見ることもあるでしょうが、
その姿を愛で楽しんでください。
(子パンダみたいでおもしろいかも?)
そして、何よりお願いしたいのが、保護者の方は、「本を読む時間や空間を共有するにとどめること」です。
本の読み方や、読書感想文を書くことには、手出し口出しをしないように心がけてください。
初めは助けのつもりでも、徐々に指示になってしまいがちです。
お子さんによっては、やらされてる感が植え付けられたり、
保護者の方の言われたとおりにやっておけばいいや。と依存心を強めたりすることになります。
結果、「読書感想文はいやな課題」だと間違った学習をしてしまうおそれもあるのです。
最大12回は書かないといけないので、初めのころに間違った学習をしてしまうと、10回以上いやな課題としてこなすことになります。
文章には、その子の成長が表れます。
書けば書くほど、こなれてきますから、
現段階で拙いところがあってもかまいません。
自分の持っている言葉で書き表したことそのものを大いにたたえてあげてください。
自力でやり遂げたことが尊いのです。
また、手出し口出ししないようにお願いするのは、
その子に適切な文章指導ができなくなるからでもあります。
かつて勤めていた塾で、小学生は読書感想文コンクールに参加していました。
コンクールに出品するために、生徒たちの感想文を読むのですが、
その中には、明らかに大人の手が入った文章もあります。
てにをはとか、ちょっとまどろっこしい言い回しを直す程度ならば問題ないのですが、
ふだんのようす(国語力)とはかけ離れた大人っぽい表現がちりばめてあると、選出候補からはずしていました。
小学校4年生の部に大人が紛れ込むようなものだからです。
経験値や語彙力・表現力に差がありすぎて、フェアなコンクールにならなくなりますね。
文章指導は子供に対して行うべきもので、保護者の方に対して行うものではありません。
手直しをし始めたら、あちこち気になってくると思いますので、
はなからやらないのがオススメです。
その子らしさを失わず、こなれた文章に直すのは私達教師・講師の得意分野ですから、
心置きなくおまかせください。
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