説明変数オーディション【国語と決断力】
分析の概要 対象者
■分析の概要
対象者:
従来の学力育成と探究型学習の双方に力を入れる、都内私立高等学校 3年生 33名
対象データ:
生徒一人ひとりの強みを可視化・育成するための評価ツール「Ai GROW」で、同じ生徒の「学力以外の資質・能力」を3年間定期的に測定。生徒が資質・能力を相互評価し、評価の甘辛や忖度などの不要な偏りをAIが補正したスコアを使用。
3年次の共通テストの自己採点の点数(数ⅠA 27名、国語 31名)
観測数の母数が33名で、大学入学共通テストで国語を受験した人が31名とのことなので、
全国の受験生の傾向といえるほどの多さとはいえませんが、
IGSが提供しているサービスの商品価値をアピールするには十分でしょう。
今後、同じように追跡調査して、観測数を増やせば、より実証性が高まりそうですよね。
分析の概要 分析方法 第1段階
分析方法:
共通テストの成績予測の可能性を探るため、高校3年間の「学力以外の資質・能力」と、共通テストの点数の相関分析を実施。
従属変数(※1)を共通テストの点数、説明変数(※2)を「学力以外の資質・能力」15項目で検討。
※1・2 原因側のデータを「説明変数」、結果側の変数を「従属変数」と呼ぶ。従属変数は、説明変数の影響によって変化する。
最終的に重回帰分析を行うため、まずは説明変数の選出を行っています。
原因、または要因となるのが、15項目ある「学力以外の資質・能力」です。
そして、結果が「大学入学共通テストの国語の得点」です。
「学力以外の資質・能力」のうち、どの資質、またはどの能力が、
大学入学共通テストの国語の得点に強い影響をおよぼしているのか。ということを調べようとしているわけです。
まずは、15項目の「学力以外の資質・能力」それぞれと、「大学入学共通テストの国語の得点」の相関係数を求めて、説明変数オーディションを行っています。
\( \ r_k=\displaystyle\frac{\mathrm{S}_{xy}}{\mathrm{S}_x\mathrm{S}_y} \ \)
\quad =\displaystyle\frac{\displaystyle\sum_{i=1}^{31}{\left( x_i-\overline{x}\right)\left( y_i-\overline{y}\right)}}{\sqrt{\displaystyle\sum_{i=1}^{31}{\left( x_i-\overline{x}\right)^2}}\sqrt{\displaystyle\sum_{i=1}^{31}{\left( y_i-\overline{y}\right)^2}}}
これにより、\( \ r_1〜Rr_{15} \ \) が求まります。
説明変数候補を絞り込む
データ数から適切な説明変数の数の上限を判断し、説明変数は相関係数の絶対値が上位のものを使用。
15項目すべてを説明変数として重回帰分析を行うことは可能なのですが、
観測数が31なので、正確な分析結果になるとはいえません。
説明変数は少ないにこしたことはないのです。
説明変数をいくつにしたのかについてはふれられていませんので、正確な数はわかりませんが、
おそらく2〜3程度ではないかと思います。
以下、説明変数を2〜3程度に絞り込んだと仮定して話をすすめていきます。
\( \ \vert r_k \vert \ \) が大きいものを選び出します。
もともと15項目あったので、その\( \ \displaystyle\frac{1}{3} \ \) である、上位5項目を選んだと仮定します。
全組み合わせで重回帰分析
総当たり法で重回帰分析を実施、自由度調整済決定係数が最大となる組合せを検証。
15個もとめた相関係数のうち、その絶対値が大きいものから5個をしぼりこみました。
その5つの説明変数の中から、2つ選ぶ場合と3つ選ぶ場合の組み合わせを求めてみます。
{}_5 \mathrm{C}_3={}_5 \mathrm{C}_2=10
今回の仮定では、総当たり回数にちがいがないので、
以降は、
「5つの説明変数のうち2つを選んで重回帰分析を行う」という仮定で話をすすめていきます。 以下の記事一覧に他のボリュームのブログカードを載せています。
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