動詞の活用形を覚えよう(口語文法)【お嬢さんたち、それは上一段活用じゃない!】

2022年6月20日古典文法古典文法

『動詞の活用形を覚えよう(口語文法)』のアイキャッチ画像
読了時間: 約322

「動詞の活用」は古典読解の基礎中の基礎

大学受験で、古典(古文・漢文)は使えるほうが有利です。
私は、古典(古文・漢文)は理系にこそ向いていると思っているぐらいです。
そして、古典(古文・漢文)を武器にしたいなら、まずは動詞の活用を徹底的にマスターすることです。

動詞の活用は、古典読解の基礎中の基礎だからです。

以下の図は、2022年6月現在の私が考える古文のプランブロックです。
2022年6月現在のわたしが考える古文のプランブロック古典は、主に約1200年前の日本語を扱っています。
言語体系が全く違う英語ほどの苦労はありませんが、
長い年月を経るうちに生じた現代日本語との文法や単語の違いを埋めていく必要があります。

古典読解には、文法的知識と単語の知識が必要となりますが、
文法に関しては、「動詞の活用」を習得しておくことが不可欠です。
というのも、助動詞の活用は、この動詞の活用を応用すればよいからです。

逆に「動詞の活用」ができていないと、
いつまで経っても、古典が合格可能性を高める武器にはならないということです。

文法は、規則性・法則性がありますから、理系にはもってこいだと思います。
短期集中でマスターしてしまえば、かなりコスパがいいのが古典分野です。

Lukia_74

Lukia

理系なら論理的思考が得意そうなので、現代文もイケそうなんですが、
実際は、なかなかそうもいかないんですよね。

レモンのライン この【お嬢さんたち、それは上一段活用じゃない!】シリーズでは、
口語文法(現代日本語)の五段活用、上一段活用と
文語文法(古代日本語)の四段活用、上一段活用、上二段活用に限定して活用を展開し、
口語と文語での違いなどをみていきます。

Lukia_74

Lukia

文語文法における動詞の活用は9種類ありますが、このシリーズで活用の仕方をマスターすれば、あとは御自分でも理解できるはずです。

口語文法は大丈夫?

文語文法の動詞の活用をマスターするには、
口語文法、すなわち現代日本語の動詞の活用がマスターできている必要があります。
ここでは、活用形の種類と簡単な意味を紹介し、覚えたら活用が得意になる言葉も示します。

Lukia_74

Lukia

活用が得意になる言葉は、呪文のように唱えて、覚えちゃいましょう!

「活用」と「活用形」

口語文法の動詞には、五段活用・カ行変格活用・サ行変格活用・上一段活用・下一段活用という5種類の活用があり、
それぞれの活用には、未然形・連用形・終止形・連体形・仮定形・命令形という6種類の活用形があります。

この分野を勉強し始めると、「活用」と「活用形」という言葉が飛び交うので、混乱すると思いますが、
「活用」は、6つの活用形で、ア〜オ段のうちどの段が使われるかの違いやその特殊さで分類されるもの。

Lukia_74

Lukia

「活用」は、視線を横に移すとわかりやすいかな。

活用
「活用形」は、ひとつの動詞の中での変化です。

Lukia_74

Lukia

「活用形」は目線を縦に動かすイメージですね。

動詞には6つの活用形がある

未然形(みぜんけい)

「未然形」の「未」は、漢文で「いまだ〜ざる」と読む再読文字です。
この「未然形」も「いまだしかざるかたち」と読み換えることができます。
つまり、「まだそうなっていないかたち」という意味です。

たとえば、「行く」の未然形は、「行か(ーナイ)」となります。
当たり前なのですが、まだ行っていないから「行か(ーナイ)」ことができるんですよね。

口語文法の未然形には、「行こ(ーウ)」もあります。
これも、まだ行っていないから、「行こ(ーウ)」と誘ったり、「行こ(ーウ)」と意思を持つことができるんですよね。

活用形を作るときに便利なのは、「ナイ」と「ウ」です。
これにつながるように活用形を作りましょう。

連用形(れんようけい)

「連用形」は、「用言(連用形)に連なる形」の意味です。
もう少しわかりやすくするなら、「下に用言(連用形)がつながる形」と言い換えることができます。

Lukia_74

Lukia

私が授業をするときは、この「連」は「下に」の意味だと教えています。

げんこつ山のたぬきさんという歌がありますが、

げんこつ山の〜た〜ぬきさ〜ん〜
おっぱい飲んで〜
ねんねて〜
だっこ〜て
おんぶ〜て
ま〜たあ〜した〜

動作(動詞)が続いていきますよね。
ざっくりとこういうのが「連用形」だと思っていてください。

活用形を作るときに便利なのは、「テ」と「マス」です。
これにつながるように活用形を作りましょう。

終止形(しゅうしけい)

「終止形」は言い切りの形のことですね。
辞書に載っている・辞書を調べるときに使う形といえば、経験的にわかると思います。

活用形を作るときに便利なのは、「。」です。
これにつながるように活用形を作りましょう。

連体形(れんたいけい)

「連体形」は、「体言に連なる形」の意味です。
もう少しわかりやすくするなら、「下に体言がつながる形」と言い換えることができます。

活用形を作るときに便利なのは、「トキ」です。
これにつながるように活用形を作りましょう。

仮定形(かていけい)

「仮定形」については説明の必要はないでしょう。「もし〜ならば」という意味ですよね。

活用形を作るときに便利なのは、「バ」です。
これにつながるように活用形を作りましょう。

命令形(めいれいけい)

「命令形」はまさに「〜しろ・〜せよ」と命令表現をするときの形です。

活用形を作るときに便利なのは、「!」です。(日本語に適切な記号がないのが残念)
これにつながるように活用形を作りましょう。

お嬢さんたち、それは上一段活用じゃない!の記事一覧


 

プロフィール

Author Profile
Lukia_74

元・再受験生、元塾講師、元高校非常勤講師。広島育ち。
中・高国語の教員免許を取得するも、塾講師時代は英語や数学ばかり教えていた。
思うところあって大学再受験を決意。理転し、数学Ⅲ、化学、生物を独習する。国立大学へ合格するも、2018年3月に再受験生生活にピリオドを打つ。
モットーは「自分の予定はキャンセルできても、生徒の予定はキャンセルできない」と「主婦(夫)こそ理系たれ」。
広島のお好み焼きとグレープフルーツが大好き。どっちかというと左党。楽しみはひとりカラオケ。
高校で教鞭を取った経験から、現在は「現代文」と「小論文」の指導力アップを目指し、自己研鑽中。最近は趣味として高校数学を解く。

カテゴリー

2022年6月20日古典文法古典文法

Posted by Lukia_74