不快指数とパフォーマンス度で、勉強する環境の「適温・適湿」を考える。
再受験生活中、エアコンをつけて勉強することに抵抗がありました。
バリッバリの生産年齢なのに、仕事もせずに受験勉強なんて・・・と気兼ねがあったのです。
とはいえ、勉強をしなければ次のステージに行けないわけですから、やっぱりエアコンをつけることは必要なんですよね。
というわけで、自分のこの変な気兼ねをなくして、勉強に集中するための理由が必要となりました。
そんなとき、「不快指数や温度が高いと、パフォーマンス度が下がる」という記事を読んだので、
自分の環境がどの程度の不快指数なのかを計算・記録し、なぜ勉強しようとしてもなかなか効率が上がらないのかを観察してみることにしました。
不快指数
定義(不快指数とは)
簡単にいうと、「夏の蒸し暑さ」を数値化したものです。
風速が計算に入っていないので、体感には個人差があり、また人種差もあるようです。
不快指数の計算方法
不快指数(DI)は、以下のような式で計算できます。
Tは気温(℃)を示し、Hは湿度(%)を示します。
[mathjax]
$$\Large DI=0.81T+0.01H\times \left( 0.99T-14.3\right)+46.3$$
私は、都度計算したかったので、Googleのスプレッドシート(MicrosoftのExcelみたいなもの)にこの式を貼り付けていましたが、
お手軽に計算したいなら、以下のようなサイトがあります。
不快指数-高精度計算サイト
不快指数と体感との関連
また、Wikipediaによれば、不快指数と体感との関連はこのようになっています。
不快指数 | 体感 | 日本人 |
〜55 | 寒い | |
55〜60 | 肌寒い | |
60〜65 | 何も感じない | |
65〜70 | 快い | |
70〜75 | 暑くない | |
75〜80 | やや暑い | 77で一部の人が不快を感じ始める |
80〜85 | 暑くて汗が出る | |
85〜 | 暑くてたまらない | 93%の人が不快を感じる |
パフォーマンス度
「パフォーマンス度」は、明確な定義はないようですが、
仕事や勉強などの効率のよさや生産性と考えるとよさそうです。
パフォーマンス度の計算方法
私は、次のような式を立てていました。
$$\Large 100-\frac{\vert 25-T \vert}{12}\times 100 (%)$$
Tは、気温(℃)を表します。
勉強には「25℃」が適している。ということだったので、25℃からプラスマイナス12℃の範囲で、何%ずれているかを計算できるようにしました。
Cool is money
上記の式を立てたとき、参考にしたのはこの記事ではなかったのですが、タイトルに「徹底的に考察」とあるように、あれこれ詳しく書いてありますので、興味のある方はどうぞ。
また、エアコンを28℃設定にしろという役所からの指示に怒った外資系企業の例もあるそうです。
ちなみに、私の立てた計算式にあてはめてみると、28℃でのパフォーマンス度は75%
25℃のときよりも、25%も減る計算になります。
エアコンをつけることで、国全体の生産性が上がった例などもあるように、
「Time is money」ならぬ「Cool is money」といえそうですね。
その発言、「計算」して言っていますか?
こうしてみると、「暑さ(または蒸し暑さ)」は、人間の生産性に密接にかかわっていることがわかります。
ということは、「暑さぐらい、気合でなんとかしろよ~。」なんて言えるのも程度の問題です。
本人に能力があって、自分も周囲も十分なパフォーマンスができると想定しているのに、
暑さに耐えることに力を注いだせいで、能力が発揮できないとしたら、
本人はもとより、大きくは社会の損失となります。
不快指数も、パフォーマンス度も、式を覚えたり、手で計算するにはしんどいものですが、
計算してくれるサイトもありますし、スプレッドシートのように計算も記録も行ってくれるツールもあります。
それらを用いてちょっと計算するだけで、体感の個人差はありますが、自分の発言が正当なのか、相手に無理強いをしているのかがわかります。
それなのに、計算もせず、不用意に言葉を発すれば、
言われた側が、年長者の言うことを素直に聞くような性格の場合、
「自分ではどうしようもない暑さ」のせいで生産性が落ちているのに、「自分の能力のなさ」と勘違いし、無用なギャップに苦しむことになります。
結果、彼・彼女が能力を発揮できないとなれば、社会の発展の足を引っ張ることになります。
暑さをコントロールすることで、個人の能力が存分に発揮され、結果社会が発展するなら、
エアコン代ぐらい安いものではないでしょうか。
日本の入試はいつ行われる?
それに、そもそも考えてみてください。
日本において、入試はいつ行われますか?
そうです、「冬」なんです。
経験からいうと、九州だったら、センター試験や大学の二次試験では、試験中エアコンは切られてしまいます。
(東北などの寒い地域はつけていると思いますが)
エアコンの音すら気になる受験生に配慮してのことでしょう。
ということは、なすべきは、「寒さ」対策やインフルエンザ予防なのです。
また、当然寒い季節ですから、頭は比較的クリアに働きます。
ということは、夏も同じ状態にして勉強したほうが、平常心を保つなど、長期的なメンタルトレーニングになります。
つまり、「暑さ」に耐えたって、入試の役には立たないのです。
「暑さ」は金で解決しろ。
4月の新学期、これまでにないほど勉強しようと思っていたけれど、思ったほど成果は上がらず、
期末試験の点数も芳しくなかった。
そこで、「よし、夏休みはガッツリ勉強するぞ。」と思っている人は、
是非おうちの財務大臣(たいていはお母さんですね)に許可を得て、エアコンをつけて勉強しましょう。
4月から7月までがあっという間だったように、夏休みもあっという間です。
暑さや友達との遊びの誘惑に負けて、夏休みをズルズルダラダラ過ごせば、
9月には必ず後悔します。
というのも、9月、10月の秋風が吹くころ、急に焦りが出始めるからです。
これは、夏休みにしっかり勉強していても出るのですから、やっていなかったらなおさらです。
7月8月のエアコン代をケチって暑さに負け、こなすべき勉強をこなせないなんて、なんとも情けないことだと思いませんか。
数千円の電気代が、将来への大きな投資となる。
ちなみに、エアコン代っていくらぐらいかかるのでしょうか。
何十万もかかるのなら、考えモノですが、我が家の場合ですと、通常の1.5倍程度でした。
数千円のプラスアップとなります。
7月後半から8月いっぱいは、ほぼ一日中つけています。(温度は26℃)
特に私は、暑くて夜眠れないと機嫌が悪くなるので、
エアコンのリモコン権を確保し、氷枕に冷感シーツなどの暑さ対策をしっかり行っています。
まさに、家庭内の平和はエアコンによって保たれるのです。(笑)
私は、家庭内を運営する主体であるので、私が元気で機嫌がよいことで、家族も幸せに暮らせます。
暑さ対策をするだけで、毎日が充実して過ごせれば、その積み重ねが将来を明るいものにします。
つまり、数千円の電気代は、将来への先行投資なのです。
早く次のステージへ。
私は、勉強そのものは好きなのですが、受験生生活は、あんまり長くやるものではないと思います。
というのも、どんなにメンタルが強い人でも、どんなに崇高な目標があっても、なにかしらダメージを受けるからです。
短期集中して、早く次のステージに進むほうが、結果的に本人も周囲の人も幸せになります。
一連の記事を読んでいただく中で、暑さ対策に少額の投資をすることで、生産性をあげられることが少しはわかっていただけたと思います。
この夏は、お財布と少し相談しながら、高いパフォーマンス度が維持できる環境でガッツリ勉強して、秋風が連れてくる焦りに負けないようにしましょう。
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