「やればやるほど、やるべきことが減らない」?
前回、「受験勉強」の本質とは、
「試験日までに、自身の不足を見つけ出して、補っておくこと」
とお伝えした。
今回は、「やればやるほど、やるべきことが減らない」事態をどうとらえたらよいのかについて、お伝えしたい。
「やればやるほど、やるべきことが減らない」?
「受験勉強」を始めて間もなくは、
自己最長の勉強時間を更新し続けたり、
わからないことがわかるようになったりするなどの
未体験の連続にワクワクするだろうと思う。
しかし、そのうち不思議な感覚に襲われる。
教科書も問題集も物理的な厚みがあるのだから、やっていけば終わりが見えてくるはずなのに、
自分の不足部分ばかりが見えるようになってくる。
なぜか、「やればやるほど、やるべきことが減らない」と感じるようになるのだ。
それでも、とどまっていてはいけない。やっていけば不安が減るだろうと思って勉強し続ける。
すると、さらにあちこちアラや穴が見つかって、焦りが生じるのだ。
とにかく焦ったら終わりだ。何もかもが空回りする。
あなたがいる位置は、どこか。
「やればやるほど、やるべきことが減らない」段階は、
塔のたとえでいうと、中間より下のあたりにあたる。
段数を重ねてきたので、まぁまぁの高さに来たことはわかる。
しかし、窓がないので、景色を見て高さを判断することはできない。
さらに、登ってきた時間を考えると、降りることも難しい。
もう、登るしかないのだが、あとどのぐらいで景色の一端が見えるのかわからない。一番しんどい時期である。
ジェットコースターなら、こんな感じかな?
喜ぶべき段階に入った。
こんなしんどい段階があるなんて、「受験勉強」を始める前に想像できただろうか。
おそらく、「(未然形の)やる気」に満ち溢れていたころのあなたには、想像もできない段階だろう。
だからこそ、始められたのだ。
そして、この段階には、意味がある。
以降、加速をつけて、塔の高みへ登りつめるために必要な過程なのである。
つまり、この「やればやるほど、やるべきことが減らない」時期に入ったことは、あなたの「受験勉強」がうまくいっている証拠であり、喜ぶべきことなのだ。
腹をくくれ。
「やるべきこと」は、梱包材のプチプチみたいなものだ。
ちょっとつぶすのは楽しいが、
5メートル四方のプチプチを全部つぶせと言われたら、げんなりするだろう。
しかし、いくら大きいとはいえ、5メートル四方だ。
途方に暮れて何もしなければ、いつまでも終わらないが、
暇つぶしにやってやるぐらいの気持ちで、プチプチつぶせば、
確実に終わりに近づくのだ。
何事も腹をくくって、やり始めればいつかは終わる。
その間に効率よくこなす知恵やアイディアが浮かぶものだ。
喜びつつも、さっさと通過しよう。
ちょっと前のあなたは、「国語を勉強して。。。」などと、
ざっくりとした教科レベルでしか、受験勉強を語れなかったはずだ。
しかし、今は、あちこちに穴やアラを見つけて途方に暮れているのである。大変な進歩だ。漠然としていた自身の不足が明らかになった喜ばしい証拠なのである。
また、たしかに「試験日までに、自身の不足を見つけ出せ」たのは喜ばしい。(試験後ではどうしようもないものね。)
しかし、この段階に長くとどまるのはオススメしない。
やはり、ストレスが多い状態なので、必要以上に自分を卑下してしまい、ダメージをくらうおそれがあるからである。
必ず終わりが来ると腹をくくって、さっさとやってしまうに限るのである。
この段階で、最も重要なのは、「いかに早く腹をくくれるか。」だ。
腹をくくれていないと、ほかにいい方法があるのではないか。と、ありもしない楽な道をさがして、時間を無駄にしてしまう。
そんなことをしていると、あっという間に試験日はやってきてしまうのだ。
急がば回れ。
何も方法が見つからないなら、見つかるまでは地道にひたすらプチプチつぶしておこう。
ショートカットは、腹をくくってじっくり取り組んだ人にしか見つからない。
また、集中して取り組むと、想定していた時間よりも早く通過できていることもある。
「明けない夜はない」ように、
「枯れない涙はない」ように、
「終わらないミッションはない」のである。

Lukia